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農業エンジニアの移住ドタバタ日記(5)~比較すること、考えること(実験計画学の最初の一歩)~

本記事をご覧くださいましてありがとうございます。はじめまして。私は、山梨県北杜市に移住した農業エンジニア(Ph.D. (農学))です。2023年7月に前居住地から引っ越し、犬猫とともに、この地にやってきました。以前は、とある地方の教育・研究機関に所属し、教育・研究・技術開発に携わっていました。さて、そんな農業エンジニアが、身を置く環境を変え、完全在宅勤務の企業に転職し、日々に感じたことを、ゆるゆると綴ってゆきたいと思います。

さて、今回は、何かを考察したり、そこまでいかずとも、「それなりに」主観だけではなくて、判断をしたり、評価をしたりする際の「対照(照らし合わせるもの)」の存在についてのお話です。

皆さんは、小・中・高等学校などで、自由研究なり、総合学習の時間なり、あるいは課題(宿題)なとで、「~~について、考察(調査)せよ」みたいな状況があったと思います。まぁ、なんとなく字数をそろえて、レポート枚数なり、をそろえれば、無難に合格、ということでしょう。

一方、現実世界はどうか、ということなのですけれどもね、お子様や動物、植物を育てている方は、「ひとりひとり個性が違うわ!」とか「同じ犬種(植物種)でも個体差がね、、、、」とか、いろいろ思うことがあると思います。

実は、私は、イヌとネコを飼っています。仕事の準備?というか下調べみたいな経緯と、個人的にもちろん動物が好きだから、ということもあって、飼っています。

昔は単に「好きだから」が前提で動植物を飼って(育てて)いたのですけれども、大学に入って、学問の学び方(研究の仕方)を学びました。そこで、学問のお作法?として、必ず「比較の対照」と「実験対象」または「観察対象」っていうのを意識的に作るのです。

それらを比較することによって、「〇〇と比較して、~~の点では、~~は~」という思考の仕方ができるわけですね。

なので、ちょっと言語化するのが難しいのですが、「私、イヌのほうが優秀だと思う!」とか「いやいや、ネコほうがいいよ!」ということにはならないのです、科学の世界では。いやね、他の世界では大いに結構なんですよ、、、そこはそれ、ということです。あくまで、科学的に思考する際には、ということです。

比較をする対照(照らし合わせるもの)も、ケースに応じ目的に適したものを選ばなければなりませんよね。こういう風に、比較の対照と、供試対象(観察対象、実験対象)を選び、なにを計測するか、というのは、「実験計画学」の一部になります。実験計画に応じた解析手法もあるんですよ、じつは。興味があったら、ぜひご自身で、「実験計画学」というテキストを読んでみてくださいね。伝統のある学問分野です。

さて、イヌとネコの違いですが、その違いを考えてみようと思います。対照(基準)はイヌにしましょうか。昔から、私の育った家庭で飼っていた動物です。

イヌは人につく、ネコは家につく、なんていいますね。ネコは自立した動物、とか、いろいろ言われていますね。我が家のケースですと、イヌ(個体差は一旦無視しますね)は番犬の機能は、ネコとと比較すると強いですね。飼い主や群れ(家族)を守ろうと体を張る、つまり、イヌにとって、侵入者(宅急便さんや郵便屋さん)がくると、その関係者の車が敷地周辺に来た段階から警戒をはじめ、玄関近くに近づくとワンワン吠える。危険ですよ!と。一方、うちのネコさんは、ひとしきり、唸り声をあげた後、カーテンの裏や、高いところに上って、いったん自分は安全地帯に隠れる。でも、群れに何かあれば、駆けつける、という感じです。ですので、あながち、群れを守る番猫機能が、イヌに比較すると弱いけれども、なくはない。

ですので、〇〇は~~に比較すると、こういう特性がある、なんでことが言えるのは、かならず、比較対照があるからなんですよね。多分、実は、日常生活では、だれでも自然と、こんな思考の仕方をやっているはずなんです。「うちの〇〇は、こうなんだけと、おたくの〇〇はどう?」みたいな会話が代表的ですね。それを意識的に、体系的にできると、訓練された研究者、ということになるのかもしれません。

というわけで、今回は、何かを観察し、考察するうえで、対照(照らしあわせるもの)があると、主観に偏り過ぎる恐れが少なくなるよ、というお話でした。

みなさんは、こんな「比較対照」をもちながら、観察対象を分析したことはありますか。意識的にやってみてください。少しだけ、世界が明瞭にみえるかもしれませんね。

さて、今回は、ここまでに致しましょう、では、、また。。。。

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