人生は映画ではない

大きな壁にぶつかってみて分かるのは、人生は映画とは異なるということだ。

ここでの映画とは、「およそ2時間程度の尺をかけて起承転結が描かれる作品」を指す。3時間ある『RRR』を含んでも良い。

受験であれ、重い病であれ、人間関係であれ、変わらない退屈な日常であれ、それらは映画とは異なり、とんとん拍子に事は運ばない。

むしろ人生は、「インターバル」に近い。

日本で観る『RRR』のインターバルはものの数秒で終わってしまうが、物語が再び動き出すまでの、映画が映し出さない削ぎ落された部分(メイキングと言っても良いし、メイキングにすらならないものと言っても良い。『RRR』のメイキングが早く観たい)にこそ、いわゆる人生が存在するのかもしれない。2時間でゴジラは撃退できないのだ。

すると映画とは、「人を見て人生を見ない、現実逃避の時間」とでも言おうか。

だから私にとっては「夢の国」なのだろう。
『RRR』はもはや目覚めたら一瞬で時間泥棒される、夢そのものである。

これからも夢を観させてください。

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