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訪問鍼灸でよく遭遇する症状・疾患

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こんにちは!HAMTライブラリ編集部です。今回の記事も特別ライター編となります。

大好評の鍼灸師YaMatoさんによるシリーズ第3弾!
実際に鍼灸の専門学校で講師をされているYaMatoさんが「学校の勉強をどうやって臨床に活かせるのか?」をテーマに毎回分かりやすく解説してくれています。

今回はこれまでの記事を踏まえ、より実践的な内容になっています。学校で学んだ知識を実際の現場でどのように活かしたら良いのかを読むことで分かる用になると思います!ぜひ楽しんでご覧ください。


こんにちはYaMatoです。今回はシリーズ全3回の第3回目「訪問鍼灸でよく遭遇する症状・疾患」というテーマで書かせていただきます。

第1回「受験勉強は臨床に意味があるのか」
授業や受験勉強で得た知識が、実際の臨床現場でどのように活かされるかについて触れていきます。

第2回「機能解剖学からみる運動器疾患」
解剖学で学んだ筋肉や関節の作用から、代表的な整形外科疾患の病態や鑑別ポイントなどを説明していきます。

第3回「訪問鍼灸でよく遭遇する症状・疾患」
生理学や臨床医学で学んだ内容を、実際の訪問鍼灸の現場でよく遭遇する疾患にあてはめて説明していきます。

第1回目では学校教育で得た知識が臨床でどのように活かされるのかについて、第2回目では五十肩を一例に学校教育以外でさらに知識をつける必要性について、それぞれ説明をしてきました。

今回は実際の臨床でどのように思考して施術を行っているのかを、臨床でよく遭遇する症状を例に説明していきます。

1.それは単なる観察か、臨床推論か

患者さんの疾病を明らかにし、解決しようとする際の思考過程や内容のことを臨床推論といいます。その臨床推論は「知識・情報収集能力・総合判断の3つの能力を結集して実践される臨床能力」であると、丹澤章八先生も自身編著書籍「臨床推論−臨床脳を創ろう」で紹介されています。

学生時代、実習中に先輩鍼灸師とやり取りをしていたとき「身体の状態を説明するのは単なる観察だよ。こういった課題があって、そのためにこの方法で治療をするというところがないと。」と言われたのを今でもよく覚えています。
実際に臨床に出てみると求められているのは「自分はどう考えていて、どういった方法なら介入できる」ということを説明する力ではないかなと感じています。

第2回目の記事で説明したように、臨床では学校教育で得る知識の上にさらなる知識が必要となります。

私はこうした知識が活かされるのが臨床推論だと考えています。例えば視診や触診にしても知識がなくては分析や評価に繋げることができませんし、分析や評価ができなくてはその先の課題や治療法を決めるのも難しくなります。

どんな患者さんでも1人1人症状や疾患は微妙に異なることを前提に、得た知識を組織化し、その上で臨床推論を行いながら常に自分の思考を見直す必要があると思います。

2.臨床推論は組み立て力

臨床推論の方法はいくつかありますが、代表的なものとして①基礎的な解剖学や生理学などから積み上げて推論するボトムアップ式、②ADLや症状から掘り下げて推論するトップダウン式があります。

第2回の記事では五十肩についてを解剖学から東洋医学臨床論までの流れで、ボトムアップ式に説明しています。臨床現場では主に確定診断を受けている場合で病態の整理や実際に照らし合わせる際などに用いるようにしています。

例えば現病歴に糖尿病がある場合、現在の主訴が糖尿病由来であるかどうかを判断する際に用いたりします。

逆にまだ確定診断を受けていない場合や、急に現れた症状から病態を把握する際にはトップダウン式を用いることが多くあります。

例えば「腰が痛い」「倦怠感が強い」という訴えがあり、かつ病院にまだ受診していない場合などは症状や状況から原因を考える際に用いたりします。

そのためどちらが優れているかというより、状況に合わせてどちらからでも推論を行うようにしています。

3.臨床でよく遭遇する疾患や症状

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