できれば潰しが効くことをしておいた方がいい現実的な理由。
昔水商売をやっていたものだから、当時の夜職の知り合いと、何人かFacebookでつながってるんですよ。
向こうから申請が来たのを許可しただけで、まともに話したこともないし、今現在その人たちが何をやってるかは具体的には知りません。
知り合いの中の一人は自分でお店をやってるらしく、かなり頑張っているようなので、店舗経営の才が一切なかった僕は「ほんまにすげえな」と思ってしまいます。
でも他の人は何やってるのかさっぱり分からないんですよ。
昔はホストクラブを経営していた人や、キャバクラを経営していた人もいるのですが、お店の宣伝は何もしてないし、Facebookの更新もしていません。
なので、現在の職業が不明なんですよね。
でも、たまーに「運送業の従業員募集」について拡散しているんです。
当時夜職だった人が集まって。
この人たちに聞いたわけではないので、詳細はまったく分からないのですが、おそらく当時の夜職経営者の人たちが何人か集まって運送事業を始めたのだと思います。
でも運送事業にはすでに、クロネコヤマトや佐川急便という最大手が存在するじゃないですか。
そこにどうやって太刀打ちするのか謎すぎて、僕が知りたい謎事象の1つに組み込むほどになってしまいました。
水商売って本当に
潰しがきかない。
こうやって、何らかの形で夜職時代のことを振り返ったとき、昔からつくづく思うことがあるんですよ。
本当に水商売って潰しが効かない仕事だなと。
勘違いしないでいただきたいのは、水商売に携わる人を批判しているわけではなく、事実を述べているだけです。
なぜかと言うと、たとえばホストやホストクラブ経営に携わっていた人が違う業種に変わるとき、自分の経歴を何1つ活かせてないことがものすごく多いんですよ。
つまり、水商売と全然関係がない仕事に就く人が圧倒的に多いんですよね。
よくあるのが、飲食業、建築系、営業、の3つです。
「水商売だったら営業は関係してるから、経歴を活かせてるんじゃ?」と思った方がいらっしゃるかと思います。
実際僕が会社員をやっていたとき、営業職に就いていましたが、ホスト時代の営業スキルを使ったことは一度もありませんでした。
厳密には、使えないのです。
売ってるものも売り方もまったく違いすぎて。
むしろ、ホスト時代に一度売れたことや、自分の店で現場に出て毎日接客していたという過去の栄光と、しょうもないプライドが思いっきり邪魔でした。
「営業なんて楽勝でしょ」と思ってたら全然違ったし、むしろ最初は思うようにできなかったから、みじめな気持ちになったところもあります。
その仕事をしていたとき、仲の良かった同僚の女の子が元No.1キャバ嬢だったんですよ。
彼女は、当時在籍していたキャバクラの売上記録を塗り替えたほどの人気だったそうなんです。
この子も当時の営業技術をまったく活かすことはできず、成果があったことと言えば、パワハラ上司がメロメロになっていたことぐらいでした。
「あんなおっさん落としたところで1円の得にもならへんし、キショいだけやし!」と言ってたのが印象的です。
ちなみにこのパワハラ上司のその後は、「横暴を極めたパワハラ セクハラ上司の悲惨な末路」として公開しております。
安易に飲食に手を付ける
ホスクラオーナーたち。
話を戻しますと、夜職の人でとくに男性は、すぐ飲食に転身したり運営しようとしたりすることが一番多いんですよ。
知り合いのホストクラブ経営者たちのほとんどは、従業員がホストを上がった後の働き口として飲食店をオープンさせるものの、上手くいかなくて結局店を潰してしまいました。
僕が知るかぎり上手くいってるのは1店舗だけで、潰れた方の事例はいくつも見てきました。
ちなみにこれは京都だけの話かと思ったら、そんなことはないようです。
「なんでそんなに飲食やりたがるの?」と思った方がいらっしゃるかもしれませんが、言葉を選ばずに言うと、舐めてるんだと思います。
これは実際にある夜職経営者が言ってたことですが、「うちの店から従業員とかお客行かせたら集客はいけるやろ」と話してるのを見て、「めちゃめちゃ舐めてるやん」と思ったことを今でも覚えています。
要するに、最初だけで続くはずがないんですよね。
ほかにもよくあるのが、飲食店をやり始めたはずなのに、食事もお酒も中途半端になってしまったから、結局パブやスナックみたいになってしまったというケース。
一生懸命飲食に取り組んでいた人からすると、「でしょうね」という事例になるのですが、舐めているからこその結果とも言えるでしょう。
ちなみに建築系が入っているのは、ホストを始める前にとび職や土工をやっていた人が意外に多いからです。
世の中に潰しの効かない職業はいくつもありますが、中でも水商売は群を抜いてるなと思っています。
店舗運営側に回らないといつまで経っても現場で使われるままだし、経営できたからと言って、それがいつまで続くかは分かりません。
どれだけ売れても
その後の人生には関係ない。
実際、僕が夜職をやっていたときに「潰れないであろうお店」が軒並み閉店していることを考えると、店舗を維持するのは並大抵のことではないと考えられます。
どんなにその界隈で有名になっても、1千万プレーヤーになったとしても、店舗経営をしたとしても、夜職から離れたらほとんどの場合、過去の栄光や経歴は使い物にならなくなります。
僕が会社員勤めをしていたとき、別の部署の社員さんで、元No.1ホストがいたんですよ。
彼はTVにも取材されるほどの人気ぶりだったらしいのですが、過去の武勇伝を語るだけで、その経験が仕事に活かされているようにはまったく見えませんでした。
これは、この男性に限った話ではなく、よくある事例なんですよね。
こういった事例を頻繁に聞いていたので、今の仕事を始めたときに「元ホストクラブ経営者」という肩書を全面に押し出していたんですよ。
「使えるものは全部使わんと損」と思っていたし、なんとか過去の経歴を無駄にしたくなかったので、そうしていました。
その結果、開業初期の頃は、ネタ作りとしてもブランディングとしても、そこそこの効果はありました。
でも、今にして思うのは、「たまたま使えただけ」。
つまり、運が良かっただけなんですよね。
しかも、今となってはその肩書も別に必要なくなってきました。
女の子の世界も
潰しが効かない。
そして潰しが効かないのは、ホストに限った話ではなくて、キャバ嬢やホステスも同じです。
ちゃんと将来のことを考えている夜職の女性って、不安と焦りを抱えていることがよくあって、口を揃えるように「いつまでもこんなことしてられない」と言うんですよ。
「なんで?」と聞いたら、「だって潰しが効かへんやん」と言われます。
余談ですが、同じ夜職経験者なのに実業家として成功するケースが多いのは、男性よりも女性の方だと思います。
実業家として成功している男性って、ROLANDさんと後もう2人ぐらいしか知らないけど、女性の場合はエンリケさんを筆頭に愛沢えみりさんや、他にも結構いらっしゃるんですよね。
なぜこのような現象が起きるのかについては僕なりの見解があるので、また別の機会にでもお話させていただきます。
話を戻しますと、いくら潰しが効かないとはいえ、女性の場合は夜職で店舗経営側に回ると、男性よりも息が長いことが多いです。
クラブをオープンさせてママになったり、スナックやバー形式の小さなお店を営んだり。
プレイヤー時代に真っ当な営業をして頑張っていた女性ほど、お客さんも健全な人が多くなるので、末永く応援してくれる男性客が集まるのが一つの理由です。
でもホストって、真っ当な方法で営業していたら売れないしお客さんもつきにくいので、一度色恋や枕営業で味をしめてしまうと、店舗経営側に回ってもプレイヤー時代の営業方針が抜けないんですよね。
なので、ホスト上がりの男性がバーを経営して潰すという話は、かなり聞きます。
潰しが利かないことの
一点特化は危険である。
でも、男性も女性も夜職を経営するつもりがないなら、いつかは水商売を上がらないといけないじゃないですか。
そのとき、多くの元夜職の人たちがセカンドキャリアを何にしようか、ものすごく迷うんですよね。
僕は、考え方次第で人生に無駄なことはないと思っていますが、潰しが効かないことが無駄じゃなかったことに変換されることがあるのは、結果論なところも大きいと思ってます。
もちろん、無駄にしないためになんとか活かそうとすることは大切ではあります。
しかし、できるだけ潰しが効くことをしておくか、効かないなら、少しでも潰しが効くようにしておくことの方が大切です。
分かりやすい例が、少年たちがプロのeスポーツプレイヤー(プロゲーマー)に憧れて、学校を辞めてゲーム一本で頑張ろうとすることがよくあるそうなんです。
でも、プロの人は少年たちにそんな潰しがきかないことを勧めたりしません。
「ちゃんと学校行きながらプロを目指せ」と言うんですね。
eスポーツに限らずその道のプロの人が「本気ならそれ一本に特化しろ」と言うことがありますが、それは潰しが効くことが大前提です。
なので、潰しが効かないことを推奨している時点で、ものすごい無責任発言になってしまいます。
今回の記事で何が言いたいかと言うと、人生に無駄なことはないけれど、それでもできるだけ潰しが効くことをした方がいいよということです。
とはいえ、人生で寄り道をして道草を食って、無駄な時間を過ごすことも必要なときがあります。
ただ、寄り道しすぎて後悔しないように、そこだけは気をつけましょう。
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