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はんぺん沈没日記 〈お気に入りのスーパー〉

昨日行ったスーパーは、隣町のスーパーだった。少し遠いがお気に入りの。
そこで、シールをためて、ポイントと交換出来るというイベントを何と明日までやっているという。

レジに並びながらその事実を知る。レジのそばで、マスクをしていてもよく通る声で、「明日まででーす!」と何度も訴えかける声。大変なお仕事だ。そしてつい振り向いてしまうような声色、彼はプロだな…。とか、レジの列に並ぶ時にだけ発生する、あの独特なマインドフルネスタイム(たぶんちがう)を活用し、謎に中年男性に思いを馳せた。
久しぶりに来たし、明日は来ないし、どうせ必要枚数たまらないのなら、シールは集めていませんと言おう。と、レジを通してもらいながら思っていた。

ところが、驚いたことに、会計を進めてもらうと、一発で必要枚数をクリアしてしまったのだ。

恐るべし物価高。
まさか、こんな出来事で恐れおののく事になろうとは。物価高よ。

これは罠だろうか、その筋のプロが、全て計算済みで仕掛けてきたキャンペーンだったのだろうか。

集まったニコニコ顔のシールが、またなんとも言えぬニクい表情をしている。
出会った瞬間ポイント欲しさに別れを告げたが。

今日もまた、あのスーパーが、お気に入りになる理由が出来てしまった。

冬の日に 罠にかかる おばさんひとり

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