『R』

『R』作 すがの公

<あらすじ>あるモデル地区。”子供”がいる。「昼になると、男は地下にもぐって鉄を掘る。夕方になると、女も地下にもぐる。夜になると男と女は一緒に地上へ戻ってくる。それが『仕事』だ」。第4種国家公務員モデル地区管理部所属、新人の役人・浦辺ナボコフがやってきた。しかし戦車が戻ってくるまで足止めをくらう。”子供”は来週の木曜日に誕生日を迎え、”大人”になる。彼はその意味を知り、激昂する。

客入れ最後の曲上がり、客電消える。暗転の中、聞えてくる曲。舞台に光り。舞台中央に子供。セリフ。

子供:昔は良かった。今はこんなだけど昔は良かった。
そんな話をうちの父さんやら母さんやらじいさんやらばあさんやらが遠い目をしながら言うならまだしも。
どいつもこいつもどこみてるんだかわからないようなドロンとした目でよだれを垂らしながらラリってる。
話題と言えば誰が誰に殺されただの、あいつは実はあの男とあの女の子供らしいだの。
ついでに今度はそいつと父親がデキただの。なんというかまぁ他愛の無い平凡な話しばかり。
誰も世間様がどうなってんだかなんて事は知らないし知ろうともしない。
そもそも知る術なんてひとつも無い。だってここは、そういう場所だから。

(セリフの中子供の後ろに出てくるその世界の人々)

子供:じゃ、どういう所なの?なんて疑問を持つ奴なんてめったにいない。
そんな質問にも大人たちは「こういう所だから」とはぐらかすわけでもなく言ってのける。
だから自然と、おれもそんな風に考えるようになった。

(鉄を打つ音。カキーン、カキーン、カキーン)
(背後の人々、鉄を打ち始める)

子供:ろくな大人はいない。なのにみんな仕事だけはあーやってせっせこせっせここなすのだ。
大人たちの口にする、ここで唯一まともな言葉は「ガキが大人の仕事に口を出すな」だ。
(鉄を打つ音。カキーン、カキーン、カキーン)
昼になると、男は地下にもぐって鉄を掘る。夕方になると、女も地下にもぐる。
夜になると男と女は一緒に地上へ戻ってくる。
それが、仕事だ。

(SE戦車の音。グオオオン、ガタガタガタ)
(政府の役人、出てくる、帳簿のような物)

子供:週に一度、役人が戦車に乗ってやってくる。そんで軍のトラックに鉄を載せて帰るのだ。
住民の帳簿をつけながら、ダンボールに入った食料と緑の缶を鉄と引き替えに置いてく。
あ、それと住民も足して、赤ん坊は連れてく。
死亡者が20名で男15女5だとしたら。その分を足す。
生まれた赤ん坊は全部中央へいったん持っていく。

(政府の役人、ダンボールを置き、缶を置く。住民、赤ん坊のような物を渡す。帰る)
(ダンボールの周りに群がる住民)

子供:住民はそんな事知ったこっちゃない。それよりも例の緑の缶が気になるみたいだ。
大人になるとその缶を開けて良い事になってる。
このあいだ、俺を育ててる片目のおっさんに中を見せろと頼んだら、思い切り殴られた。

(住民たちそれぞれの缶を持ち、散り散りになる。互いに後ろむきで缶を開けている)(曲)

子供:頭に来たから夜中にそいつの家に忍びこんで缶の中身を便所にぶちまけてやったら、
となりの人が盗んだと勘違いして怒鳴りこみ、口論になって銃で撃たれた。
ちょっと悪い事したけど、殴るから悪い。役人は、そのうち代わりが来ると言って帰った。
あ、そー言えば便所にぶちまけた時、緑の缶の中身を初めて見た。
きれいな発光体。ちっちゃく、『R』って書いてあった。

(曲上がり、人々立ち上がる。8人)
(缶の中から緑の発光体、無数に散らばる緑の光)
(舞台、照明提案。舞台の低いあたりに緑豆球とか仕込みたいです)
(舞台上を歩く人々、それを眺めている子供)
(次第に行進となる。一人づつはけていき、子供一人残る。)
(舞台提案、行進して楽しい舞台。アップダウンがある)
(曲さがりセリフ)

子供:来週の木曜日、誕生日が来る。俺も大人の仲間入りだ。
その丁度一周間前、役人と父親の代わりが来た。

(曲上がる。子供消える)(役人、父)

役人:(軍人ひげ)えーと。えーと。こっちが北で。こっちが11丁目。あれ?虹の広場は?テレビ
父:迷いました?
役人:いや、いやいや大丈夫。大丈夫である。えへん。
父:私みましょうか?
役人:いや、いやいや結構。結構である。えへん。
父:そうですか?
役人:うむ。任せておきなさいな。うふん。
父:うふん、、
役人:うふん。
父:初めてですか
役人:え?初めて?初めてじゃないよ。いや、じゃないであるよ。相当ヤリこんでるでごわす。プロだしょ。
父:どこの方なんでしょうか
役人:ば。ばかもの!中央政府から使わされた第4種国家公務員であるぞ?ひかえろ!
一般市民との会話すら制限されておるというのに、まして貴様らのような
父:あ、花ですよ花。
役人:はなし聞け!
父:私らとは会話しない方が。
役人:うるさい!話しかけるな!忙しんだこっちは!
え、えっと、こっちは、バスセンターだから、あれ?なんで琴似よ?
父:役人さん
役人:うるさい!え?あいの里?なまら迷ってる?
父:役人さん
役人:なんだ!え?ミスドなんてねーぞ
父:喉が乾いたんですが。
役人:我慢しろ
父:役人さんの戦車が故障して朝から歩きづくめです。
役人さんはご自分の水筒を持ってごぜえましょう?
だどもわてら百姓、搾取搾取も良いところ、残るは脂肪と肉ばかり、おてんと様でもわかるめぇ。
役人:いつから百姓になった!
「脂肪と肉」残るならオッケーだろ!「骨と皮」残せよ!
父:後生でごぜぇますだ後生でごぜぇますだ
役人:ええいはなせ!
父:後生でごぜぇますだますだ
役人:ますだますだうるさい!
父:後生でごぜぇますだおかだ
役人:死ねぇーーー!(もう銃)

通行人1:うわ、まじのど乾いた。あ、水筒
役人:え?
通行人1:ちょ、一口、一口
役人:なに?
通行人1:一口一口
役人:ぶ、無礼もの!
父:あ、ひとくちひとくち
通行人1:一口一口
役人:うるさい!
通行人2:寄付して?
役人:ええ?
通行人2:寄付して、寄付
役人:増えるな!
通行人1:一口
父:ひとくち
通行人2:寄付して
役人:うるさい!!(撃つ。パン)(火薬の奴が良いです)
通行人2:あ。(きゅう)
父:あわわわ
役人:なめるな。第4種国家公務員だぞ?わかったな?
通行人1:お、、、お、、俺じゃないよねぇ?!
役人:え?
通行人1:俺じゃないよねぇ?俺じゃないよねぇ?
役人:、、、おまえじゃないな。
通行人1:いえーーい!俺じゃなっいい!(帰ろう)
役人:(パン)
通行人1:あ(きゅう)
役人:むかつくんだよ!
ぜってー自分じゃねーのわかってるくせに「俺じゃないよねぇ俺じゃないよねぇ」って騒ぐだけ騒いで
父:「江田君のせいじゃないって」って聞いたとたん
役人:「いえーーい!俺じゃなっいい!」って遊びに行く小学生が!!(パン)
父:、、でも
役人:、、昔の自分思い出すようで!(パン)
通行人2:うわ、またやったー。(起きる)俺じゃないよねぇ?
役人:違う!
通行人2:いえい!俺じゃなっいい!!(ハケ)
役人:待て!(構え)連れてけっ
通行人2:(え?知らない知らない)
役人:知らん奴でも連れてけっ!ほら!
通行人2:(しぶしぶ)
役人:早く!
通行人2:(ちょいちょい、行けってさ)
通行人1:(え?まじで?へいへい。よっこらしょ)
役人:どーせ物語に関係ねぇんだろおめーら
通行人達:(にこっ)
役人:かわいくねぇ!早くいけ!まったく。ちゃんとやれよ畜生。
父:お役人さんお役人さん。
役人:なんだよ
父:ここじゃないですかね?
役人:あ?
父:鉄人街
役人:馬鹿やろう一歩も歩いてないだろが
父:もしそこにある看板に「ようこそ鉄人街へ」って書いてあったら「ばいん」ってやってくれます?
役人:なんだよそれ!あ?ばいん?いいよ別に。どこの看板よ?
父:ほら、さんっはい
役人父:「ようこそ鉄人街へ」
父:いえい
役人:ばいん。、、、くそ

(場転、鉄人街)

女:ふざけんな!ばかやろー!この祖チン!(何か物を投げる)

(鉄人街には、「クズ鉄?」のような物がゴロゴロ落ちております。見た目固い)

あーむかつく。1本で1本ってどゆことよ?1本で3本だろー?
「ごみゃん、昨日使いすぎたー」ばーか!やりすぎなんだよタコスケ!
2度と相手にしてやんねー!
子供:、、。(見てる)
女:何見てんだよガキ。
子供:見てねーよ。
女:見てんだろがよ。
子供:見てねーよ。
女:見てんだろがよ。
子供:ブース
女:あ。
子供:デーブ
女:あ。
子供:ちーび
女:てめえに言われたくねぇよ!(かかってく)
子供:うえーんさみしーよー
女:あ。
子供:うえーんさみーんだよー
女:どうしたの?
子供:おかあさんがねっひっく
女:、、おかあさんが?
子供:倒れそうになってねひっく
女:まぁ。
子供:ひっくひっくおぼうさんのね
女:え?
子供:頭で体を支えようとしたらツルーん
女:、、、。
子供:うわっ立ちくらみ。倒れる倒れるー。何かひっかかるものーー(女の胸へ)
女:、、、。
子供:するり。
女:(ピキン)
子供:あれ?おっかしいなー、ひっかっかりがない。
女:(ギロリ)
子供:わー(逃げる)
女:刃物をおよこし!だれぞ刃物をおよこし!

(と、そこへたまたま通りかかった男のツルハシをひったくりはける)

男:?、ええ?!
女(声):着やせするんじゃー!ぼんきゅっばーん!!着やせをするんじゃー!ぼんきゅっどどーん!
男:、、、へぇ。
(通りすぎようとする)
女2:お兄さん。
男:え?
女2:お兄さん今帰り?
男:あ、まぁ。
女2:よってく?
男:え?
女2:5本で。どう?
男:5本?
女2:じゃ4本。
男:4?
女2:4。
男:よん、、、。
女2:何、4本じゃ不服?
男:あのー。
女2:え?
男:何が?
女2:何がってあたしが。
男:あなたが?
女2:そう。あたしが。
男:何を?
女2:は?
男:何を4本?
女2:あんたバカ?脳味噌いかれてんの?
男:え?
女2:ははーん。
男:は?
女2:ははんははーん。
男:え?
女2:ぽぽーん
男:あれ?ぽ?あれ?
女2:あっちか。
男:あっち?
女2:あっちの方か。あれ系か。
男:あれ系?
女2:男でぇあって男でないポンポンポン、女と合ってヤル気がないポンポンポン
それが何かと聞かれたら、
男:はい?!
女2:おすぎーおすぎーおすぎーぴーこお
男:なんですかそれ?!
女2:心配すんなって!心配しちゃまーめ・
男:まめ?
女2:あんたラッキーだよー?ココの人口上限あるからさぁ、
なかなかそっち系って二人揃う事無いじゃんねー
男:何を言ってるんですか
女2:あせっちゃまーめ・今呼ぶからぁ・呼んであげうかだー・ミュージック!・(曲/色・ムーディ)
男:誰を?何これ?何この曲!
女2:キャメルちゃん?キャメルちゃん?(ミュージカルノリで)
男:キャメル?え?らくだ?
女2:キャメルちゃーーーーん!

(曲上がりキャメルダンス。キャメルダンサーズ2人+女2)
(キャメル登場)

男:おまえーーーー?!!
キャ:(無言のまま男の手を引っ張り連れて行こうとする)
男:何?何何何?やめてちょっと!
キャ:(やっぱ連れて行こうとする)
男:そういう趣味ないですから!
キャ:(なぐる)(SEボカリ)
男:うー(気絶)
キャ:(らち)(退場)(曲消え)

(照明、夕暮れ。SEカラス)

女2:男になってんさーい・あ、違うか。
今日は稼ぎ無しか?いやいや、まだまだ夕方、これから見つけりゃ、(一歩)

(照明、一気に夜になる。SEふくろう)

残念!一足遅かった。
もう夜だもんなー。
ま、まだ残ってるから、いっか。
(光り、女に集まる)
(ポケットから、緑の発光体を取り出し、ゆっくりと口の中に入れる)(ふりでもよい)
(それに合わせて光変化する)
(立ったまま、目をつぶる女。聞えてくる曲)
(女を中心に広がる世界。照明、じわじわと変化しながら広がって行く)
(舞台後方に人影、女2のこの場所に来る前の思い出)

人影:(手をふりなながら)さちこーーーー!!
女2:え?(目はまだつぶっている)、、、誰?私を呼ぶのは、誰?
人影:さちこーーーーーー!!(人影は見えない)
女2:、、この声、、、
人影:さちーーー!!
女2:、、この声!、、たしか、、たしか!
人影:さっちゃーーん!
女2:思い出せそう!この声は!この声はたしか!(曲切れ)
人影:あけみーーーー!
女2:え?
人影:まりこーーーー!
女2:え?
人影:ちよこーーー!じゅんこーーー!ひろみーーー!メルロースーーー!
女2:メルローす?!
人影:なんでもいーやーーー
女2:ちょっとおお!(曲再び)
人影:誰でもいーーやーーーー
女2:よくないから!ちょっとそこの遠くの人影!
人影:あははははは、あははははは
女2:笑ってないでちょっとおお!(曲上がっていく)(女2追っていく)
人影:(自作の歌でも歌いながらはけ)
女2:歌うなぁーー!

(曲下がり)

役人:えーと、おまえの家はぁ、ん?
父:どしたんです?
役人:あれ。
父:え?

女(声):(さっきの)ぼんきゅっぼーーん!待てガキーー!
子供:(逃げてくる)ガキじゃないねー!来週には誕生日だもんねー!
女:知ったこっちゃねーよ!まて!
子供:大人の仲間入りだもんねー!

男:やめて!やめて!(ズボン半脱ぎ)
キャ:やめられないとまらない
男:勘違い!勘違い!
キャ:カルビーの、かるびーノ。
男:壊れてる!壊れてるレコード

女2:どーんどっちょずろんっちゃっちゃ♪とか
役人父:え?
女2:ずーんろんぱびりんばん♪とか
役人父:ええ?
女2:歌わないでよ!おまちなさーい!

女:このガキャ!
子供:だからあ!
男:キャーーー(キスすんぜん)
ロボット:(ラップをしながら)ずんちずんずんち
役人:なんだ、、、
ロボット:(キャメルちゃんをなぐり)
警告!
キャ:?
ロボット:「片思い」(びしっ)
役人:、、、なんだココは、、、
子供:来週12歳になるんだって!(鼻高だか)
父:え
子供:もう大人だもんねぇぇぇ
役人父:!
ロボット:ハイっずんちずんずんっちずんちずんずんっち

(曲上がりの中、役人以外は、はちゃめちゃに動きまわる。)
(父、役人のそばを離れ周りを見に行く)
(役人に集まる光)
(呆然と周りを見ている役人。明らかな嫌悪感)
(自分の服を見る)(曲、突然消え、役人のみポツリを浮かぶ)
(客を見て、セリフ)

役人:本当は役人になんてなりたく無かった。
でも安全な生活、安定した将来を考えると、国家公務員になるしか道は無い。
第1種国家公務員になるためには、僕の頭脳は足りなかった。
第2種国家公務員になるには、体力が、第3種のためには精神力が足りなかった。
軍人には絶対になりたくなかったから、結局第4種を受けた。
適正検査と簡単な筆記問題をやって、案外あっさりと受かった。
僕はラッキーな方だ。この仕事だってきっと、、

(明転、子供と父が並んでいる)
父:♪あったーらしいパーパが来たっ
子供:パパだ・(合いの手)
父:きーぼーうのパーパーだ♪
子供:パパだ・(合いの手)
父:よーろこーびに胸をふーんふふ
子供:(殺意)考えとけよ!
父:、、、あーおぞーら、、ふんふんふー
子供:ぼこぼこにすんぞ?!
父:、、、まーりおーのこーえにーー
役人:なんで!、、なんでまりおの声が
父:プププププ
子供:せーの、
父子:やーっと突っ込んだっ☆(キメ)
役人:、、、、。どうやら、相性もバツグンのようだから。
父子:ププププップオウ
役人:、、、、。、、じゃあぼくは、いや、我が輩は、いくである。
父:お気をつけて
役人:と言いたい所だが。
子:へ?
役人:戦車が直るまではこの街に留まるので、何かあったら、ここの出張所まで来て。いや。来いよな。
父子:、、、へえーーーー(10へい)
役人:関心する事はひとつも言ってない!そんな使い方はおかしい!、、、わかったな。
父:がってん。
役人:え?
父子:がってんがってんがってんがってん
役人:似てるけど!

ロボ(声:どっちがパクったなんて、どーでもいいじゃないですかああ。
役人:え?
ロボ:ずんちずんずんっちずんちずんずんっち。ずん。
ずんちずんずんっちずんちずんずんっち。ずん。ずんずん。
役人:なんだこれ。
ロボ:今日は。
役人:しゃべったよ。
子供:採掘用ロボットです。
ロボ:今日は。採掘用ロボットです。
役人:うん聞いた。
父:え?
役人:来いとけよ!
子供:採掘用ロボット兼価版、ユニバーサルエディションです。
役人:なに?
ロボ:採掘用ロボット兼価版、ユニクロ大好きです。
役人:そんな事は聞いてない!なんなんだオマエは
ロボ:え?わたし?
役人:なんだおまえは。
ロボ:だからロボットっつってんじゃん。バカ?こいつ
役人:(銃)ぶち壊す。
父:え?
役人:聞けよ!人の話しをさぁ。輪に入ろうとしろよ!例え自分には関係のない話題でもさあ!
父:(首かしげ。わかんない)
役人:わかるだろ!
父:(涙)
役人:泣くな!
父:(笑う)
役人:笑うな!
ロボ:理解不能理解不能。
役人:突然機械みたくなるな!俺の突っ込みが理解不能みたいだろが!
子供:ストップ。
ロボ:ガチャ
役人:え?
子供:巻きもどし。
ロボ:キャルキャルキャルキャル
役人:何してる?
(SE『俺の突っ込みが理解不能みたいだろが!』)
役人:録音するな!恥ずかしい!
子供:再生。
ロボ:がちゃ
(SE『もっと突っ込み練習しないとって、、思うよマジで』)
役人:ハッ俺の心の声までも録音するとはきさまっってバカ!
いつの会話だこれ!なんだこれ!やめろ!聞いとけおまえはあ!(父にキック)
子供:(拍手)上手上手
ロボ:(拍手)面白い面白い
役人:拍手やめろ!(行こう)
子供ロボ:の割には。
役人:なんの?!なんの割には?!気になる!
父:色白でちび。
役人:きいてたのね~~~!きいてたのね~~~!
(子供、無言で再生ボタンを押す)
ロボ:きいてたのね~~
役人:やめろ!、、、ぼくはもう
ロボ:きいてたn
役人:やめろっ!、、、、、もう行く。これ以上は無理だ。(敬礼)
子供:おい役人
役人:おいってゆーな。敬意を払え。
ロボ:つっこみの方
役人:そんな方はいない。どんな敬意を払ったんだ貴様
父:うちのボケがいつもお世話になって(ロボ子供、礼)
役人:(無視)、、出張所はどこだ。
子供ロボ:こっち(と別々の方を差す)
役人:、、、おい。
父:はい
役人:おまえ父親だろ。
父:はい
役人:おまえ突っ込め
父:やです。
役人:即答か!
ロボ:きゅぽーんきゅぽーんきゅぽーん(動き回る)
役人:なんだ今度は。
子供:きたきたきたきた!
役人:だからなんだ!
ロボ:きゅぽーんきゅぽーんきゅぽーん(動き回る)
役人:ぶち壊すぞこのポンコツ!(銃)
ロボ:おやめになった方がよろしくてよ?
役人:ムカつくなこの野郎!
ロボ:ホログラム受信、現像ばびょん!
(偉い人ホログラム登場)(SEばびょん、色変わる)(曲)
偉い人:おやめになった方がよろしくてよ?
役人:なんだこれ?
父:ホログラムです。
ロボ:そのとおり。これは中央政府より送られたホログラム映像です。
役人:なぬ?
偉い人:そのとおり。これは中央政府より送られたホログラム映像です。
父:国内の採掘用ロボには政府の勅令命令の類いを受信する機能がついてごぜぇますだ
役人:だからなぜ百姓!
ロボ:お役目ご苦労。戦車の件は災難であった。
役人:はっ(敬礼)
偉い人:お役目ご苦労。戦車の件は災難であった。
役人:あ、はっ(敬礼)
ロボ:確認のため、公務員IDと所属、指名を述べよ。
役人:第4種国家公務員、ID11121、モデル地区管理部所属、浦辺ナボコフであります!
偉い人:確認のため、公務員IDと所属、指名を述べよ。
役人:え?あ、第4種国家公務員、ID11121、モデル地区管理部所属、浦辺ナボコフであります。
ロボ:疲れたか?
役人:はい。少々疲れ(ましたが)
偉い人:疲れたか?
役人:?少々疲れましたが
ロボ:ゆっくり休め
役人:あ、ありがたき(幸せ)(踊っていただけますかのポーズ)
偉い人:ゆっくり休め
役人:あ、ありがたき、、し、幸せ(踊っていただけますかのポーズ)
ロボ:むう。
偉い人:むう。
役人:やっぱちょっとすいません!(曲消え。明転)
ロボ:なんだ?
偉い人:なんだ?
役人:(ロボットをなぐる)
なんでおまえ先にしゃべってんだよ。普通逆だろ?あっちから電波来てんならおまえ後だろ?
ロボ:、、、、。(頭を押さえてうらめしげ)
役人:何その態度。考えろよちょっとはさぁ。あの人せっかく登場したのに可愛そうだろ。
あの人がホログラムである意味ねぇだろが。おまえ先にしゃべっちゃったら。
ロボ:痛いんですけど。
子供:あやまんな?!
役人:しらねぇよ
偉い人:痛いんですけど。
子供:あやまんな?!
役人:しらなかったす!自分しらなかったっす!すんませんしたぁ!
父:ちょっと失礼。(ロボットを見る)
あー、受信用コンジットとホロバリアベース音声機能がイカれて見事にゲッツチャカカーンしてますね
子供:おお!ザッツエンジニア!
役人:ゲッツチャカカーンの意味を教えろ。
父:ゲッツ、(くるり)チャカカーン(キメ)
4人:ゲッツ、(くるり)チャカカーン(キメ)?
父:はい。
役人:いいから直せ。
父:はい。子供。ラジオペンチとはんだごてある?
子供:おう!(すたたたた)(ぴた)父親!
父:なんだい子供!
子供:ゲッツ
父子:(くるり)チャカカーン(キメ)
役人:早く行け!
子供:げっつ!げっつ!(走りはけ)げっつ!(嬉しそう)
役人:へー、おまえエンジニアだったん?
父:さぁ。(直しながら)
役人:え?
父:覚えてませんけど。
役人:、、覚えてない?
父:はい。
男:(スボン下がり登場)あぶねー!!
たまたま少林寺ケンポウの基本技、柔法のうちの龍王拳
つまり北少林寺各派に伝えられる把式や拿法の中から抜き、はずし逃れる技のみ取り出し、
抜手法を中心に攻防の技術を組み合わせ再編したものを知ってたからすんでの所で逃れられた!
どおお!!なんでそったらことしってんだ俺ーー!!!!(ハケ)
役人:なんだ?
父:さあ。
子供:父親ー!
父:おう子供ー!
子供:こいつすっげえ居にくそう!
偉い人:、、、。、、、。(偉い人、ずっと居た)
役人:切れ!ホログラムを切ってさしあげろ!あの人偉いんだぞ!たぶんすごく!
父:はい。じゃ、オフ
ロボ:ホログラム通信機能オフ。
偉い人:、、、。、、、。(帰る)
(歩いてハケる)(見送る4人)
子供:あーあ。
ロボ:登場は良かったのに。
父:どーにかちゃんとハケようと必死だ。
役人:言うな。
子供:直る?父親。
父:わからない。この内臓コンジットから電圧が来てるかどーかによって損傷度合が大きく変わってくるから、
早くて1日、遅くて3日ってとこかな。でもまーホログラム機能以外は使えるから普段は支障ないよ。
って事も覚えて無いからわからない。
役人:バッチリじゃねーか。ほんとに覚えてないのかおまえ
父:それが全然。
役人:なんだよ。他にないのか本部と連絡取れるもんは。
ロボ:連絡?
役人:電話とか。
子供:デ・ン・ワ、、?
ロボ子供:そったらもん見た事ねぇ。
役人:なんでロボットが居て電話がねんだよ!
(SE『俺の突っ込みが理解不能みたいだろが!』)
関係ねぇえええええ!!!まともに話せる奴いねえのか!
父:え?
役人:聞けよおまえ!
男:相手の力を利用するそれが柔術だ!なんでそったら事知ってんだおれーーー!
役人:だいたい知ってんだろそんな事!
男:覚えてねーー!
役人:ズボンはけーーー!
ロボ:くるっぽうくるっぽう(以下続く)(走りまわる)
役人:なんだ今度は!
子供:あ、真夜中だ!(走りまわる)
女:この粗チン!
役人:えええ?!
ロボ:くるっぽうくるっぽう
子供:子供は寝ろーーー!!(走りまわる)
女:小指の先!
役人:何言ってんだ女!
女:それも5歳児の小指!
役人:なんてちっさいんだ!
子供:子供は寝ろーーー!!(走りまわる)
役人:訂正しろ!
女:あ!人違い!わるかったって!(怒)
役人:謝ってねーーー!!
女:おいこのチンカス野郎!
役人:このやろ!
女:(頭をガッと掴む)
子供ロボ:大人の時間やぞおおおおお!
(女、ぐいと引き寄せ、唇をうばわんとす。な形に)
(曲、カサブランカっぽい。いや、ランバダか)(照明、情熱的な)
役人:きゃーーーーー!!
(バラを加えた女2人、舞台に登場。)
(一人は父親を、一人は男を)
(3組、情熱のダンス)
(ロボと子供、それを見ながら一緒に遊んでる)(曲下がり)

ロボ:子供ももうすぐ誕生日ですな
子供:俺も大人ですな。
ロボ:そしたらお仕事ですな。
子供:俺も大人ですからな。
ロボ:お仕事がんばんさいな
子供:来週の木曜日、誕生日が来る。
ロボ:ここの決まり。父親に仕事を教えて貰う。(曲上がり子供に光)
(子供、かぶってた帽子を取る)
(帽子の中から現われる、女の髪)
(楽しそうにロボと子供、舞台中央をヒラヒラ。)
(キャメル登場。黒スーツにバラ。)
(くるくると回りながら役人をらち)
役人:あーーーれーーーー
(面白がってついてくロボと子供)
女:キャメルこらあああ!(またしても『鉄クズ?』を投げながら追う女)
(曲突然切れ)
女23:おらあ!
父男:ぎゃふん!
女23:どゆことよ?!
父男:ひいい!
女23:持ってねぇってどゆことよ?!
父男:持ってないと言うのは持っていないという意味で
女23:飛んでみろ。
父男:え?
女23:飛んでみろって。
父男:はい。ちゃりーんちゃりーんちゃりーん
女23:持ってんじゃねーか!
父男:でも、あのー。これだけ。
女23:あ?何これ。
父男:お金。
女23:(相手を起こし、ロープになげる)おら!
父男:どおお!(二人、ぶつかるかと思いきや、素敵な格好に)
女2:覚えときな。
女23:ここじゃねぇ、そんなもんなんの価値もないから。
父男:え?
女23:がーーーーっぺ。(退場)
(SEピーチクパーチクピーチクパーチク)(朝の光)
男:、、、。
父:、、、。
男:離れましょうか?
父:賛成です。(二人、素敵な格好をやめる)
(二人、身繕い)
男:さ、かかってきなさい。
父:え?
男:さ、思う存分かかってきなさい。
父:何言ってるんですかあなたは
男:何はともあれ、何はともあれかかってきなさい。
父:なんで言い直したんです
男:さ、かかってきんしゃい
父:しゃい?
男:そんな気分です。
父:あ、冗談ですかぁ、びっくりするじゃないですかあまりにもわかりにくくて
男:こないなら。
父:え?
男:こちらから行きますよ!(かかって行く)
父:ああ!週間少年ジャンプのノリでかかってきた!
男:あたあ!(曲ブルースリー)
父:あぶなあ!(避ける)
男:北少林寺各派に伝えられた剛法を主体とする徒手格闘の中から
上段攻防を主とする法形を集めて集成した仁王拳!
父:なぜブルースリー?
男:相手が右上段突をかけてきたとき、
これを右手の半月受で受けて、直ちに右足の蹴りで反撃する技すなわち!半月蹴!
父:やめてくださいよ!
男:さ。さっ。さっ(右上段突を要求)。
父:え?
男:さっ、ほら、さっ(曲消えて行く)ほらぁ(曲消えたじゃん)
父:ええ?
男:相手が右上段突きをかけてこないと、半月蹴できませんから。
父:少林寺拳法ですか?
男:ええ。
父:やってらっしゃるんですか?
男:いえ。
父:あ、やってらしたと。
男:いや、そんな記憶はない。
父:は?
男:なんですったら事知ってんだべ俺!(頭を抱える)
父:大丈夫ですかアナタ?!
男:わがらねぇえぐわがらねぇ!(転がる)
父:どこのなまりだそりゃ。ちょっとあなた落ち着いて。
男:落ち着けるもんかね!落ち着けるもんかね!(落ち着かない)
父:こんな時、
マイクロウェーブを放射出来るそこそこにリーズナブルな
携帯用リラクゼーションシステムがあればこの人を落ち着かせる事はたやすいのに
なんですったら事知ってんだべ俺!(頭を抱える)
父男:わがらねぇえぐわがらねぇ!(転がる)えぐ!えぐ!えぐえぐ!
ロボ:あ!新参者の2人が自分の記憶が無い事に気付いて苦悩してるよ!
子供:ほんとだ!新参者の2人が自分の記憶が無い事に気付いて苦悩してる!
父男:え?
ロボ子供:あははははは。あはははははは(くるくると退場)
父:記憶が、、
男:無い
父:一番古い記憶は、、
男:、、記憶は、
父:、、トラック
男:トラックだ!
父:トラックの荷台に
男:食料の入ったダンボールと緑の缶詰に囲まれて!
父:まるで荷物のように運ばれて来た!
父男:俺たちは。鉄人街へ運ばれた。まるで荷物のように。
ロボ:あ!新参者の2人が声を揃えてずいぶんと演劇的に倒置法を駆使しているよ!
子供:ほんとだ!新参者の2人が声を揃えてずいぶんと演劇的に倒置法を駆使している!
父男:うるさいぞ!
子供:父親父親っ
男:父親?
父:ええ。父親代わりだそうで。
ロボ:名前は?
父:名前?
ロボ:名前は覚えてるはずですよ。
父:私は、、、
子供:おう。
父:ハンバート、、ハンバート
男:え?
父:ハンバート・ハンバート
子供:ハンバート・ハンバート
男:2回?
父:ハンバート・ハンバートだ。
(いつの間にか曲)(光、ロボットに集まる)
ロボ:子供には12歳まで名前がない。
だから、12歳になる時の父親が、その子に名前を付ける。
(違う場所に役人)
役人:名前?
ロボ:彼が付けた名前は、
父:ドロリス、、
役人:え?
(光、父)
父:ドロリス・ヘイズ
役人:ドロリス?、、女の子だったのか
ロボ:ドロリス。ニックネームは、
役人:ニックネームは
(光、全体に広がる。不思議な色々な光)
子供:?
父:ロリータ。
(曲上がり、突然役人、頭に来て父に殴りかかる、殴られまくる父)
(名前が付いた事が嬉しくて、子供はスキップでくるくる)
(冷静なロボ、子供に手を差しだし。二人退場)
(はっとして止めにかかる男。二人、どうにか引き剥がされる。)
(役人、立ち上がり、銃を構える。SEカキーンカキーンカキーンカキーン以下続く)
(舞台奥に男の影。『仕事』を始める)
(父、男、その音に誘われるかのように、ふらりとその場を後にする)
(銃を構えたまま、残される、男)
(SEと曲クロスフェードし、SEのみとなる、それに合わせ、サスに男)
役人:銃?!(SE消え)
偉い人:使った事は?
役人:ありません!
偉い人:玉を込めて引き金を引く、それだけ。それだけで人が死んだり死ななかったり。
役人:ですが私は公務員です。軍人ではありません!
偉い人:第4種。
役人:え?
偉い人:第4種国家公務員。まさか、戸籍だの結婚届けだのを扱えるだなんて思ってないだろ?
1種、2種、3種のどれにもふさわしくない仕事を、我々第4種国家公務員が受け持つ。
役人:ですが、これは
偉い人:人間じゃない。
役人:え?
偉い人:君も行けばわかるよ。あれはもう人間じゃない。
役人:、、。
偉い人:エピキュリアンってのを知ってるか?
役人:いえ。
偉い人:ま、行けばわかるんだ。どの道。これにて引き継ぎ終了。
浦辺ナボコフ、本日より、モデル地区管理を命ずる。敬礼!
役人:(敬礼)第4種国家公務員、ID11121、浦辺ナボコフ!
慎んで、お受けいたします!
(再びSE)
、、、僕はラッキーな男だ。
今までだって。当たり触りなく、うまいぐわいに人生を切り抜けてきた、ラッキーな男だ。
だから、、、、、、。、、、、この、、耳触りな音はなんだ。
(SE上がり、暗転)
(暗の中、女場付き。緑の発光体を出す)
(光、女を照らす。緑の発光体を飲みこむ)

(SEカキーン、足音カツーンに変わる)
(ガコン)(舞台、牢屋。平田シャルロットの過去。女=松岡シャルロット)
看守:囚人番号9434、松岡シャルロット、出ろ。
女:(ガム)もう25年経った?
看守:ついて来い
女:やだ。
看守:(平手)
女:顔ぶたないで。あたし女優なんだかだ・
あれ?じょーだんよ、じょーだん。優しくつっこんでけれだよ・
看守:ついて来い(歩き出す)
女:あら男らしい。よく見ると女なのに・もしかして、おはぎ?
看守:おすぎ!
女:おすぎ!?
看守:違う!少しは黙れ!
女:おーこわ、おーこわ・なーにピリピリしちゃって・最近男とやってないの・
看守:少しはだまれ
女:(キレる)やってんのかやってねぇのか聞いてんだよ!!
看守:(殴りつけようとする)
女:(腕をとる)看守風情がいい気になっちゃって・あたしがココ出たらあんた覚悟した方いいよ?
あんたの顔絶対忘れないから・
看守:放せ。
女:「放してください」でしょー?
看守:は、放して、、くそっ
女:なーに?屈辱?そーだよねー、普通逆だもんねー・囚人に頭下げる看守なんてそーいないよねー・
監長:放してくださいこのとおりです(土下座)(明転)
女:居た!
看守:それも館長!!
女:しかも土下座。監長さんプライドとかは?
監長:その女看守を口説き落とす事に命かけてます。妻子ある身ながら。
看守:え?
監長:御願いします(土下座)この事をきっかけに恋心が芽生えるなら。
看守:芽生えません!
監長:御願いします(土下座)土下座一回につき一発やれる計算だとしたら。
看守:そんな計算ありません!
監長:なあ、みんな?
みんな:(ぞろぞろ)
看守女:え?え?
監長:御願いします(土下座)
みんな:御願いします(土下座)
監長:御願いします(土下座)
みんな:御願いします(土下座)
女:あんたら関係ないでしょ!違う役やりたいなら、衣装変えて出て来い!
監長:おれ血ぃでちゃったよぉ・
みんな:体はりすぎー・
監長:画鋲ささってたよぉ・
みんな:命かけすぎー・
監長:全然ぬけねぇー・
みんな:(各自外人爆笑)
看守女:黙れ~~~!!
女:帰って?
みんな:?
女:帰ってって。
監長:あの人もあーゆってる事だ、ひとつ私の顔に免じてひとつココはひとつ。
女:ひとつ多いよ
みんな:(雑談しながら帰る)
女:あ、静かに帰って?!うるさいから。
監長:じゃ、お芝居の続きしますか
看守:じゃ、(離れてた腕を差し出す)
女:え?そこから?
監長:やらしてください(土下座)
女:このスケベじじい!
監長:なぁみんなあ!
みんな:(だばーーーっといけるとこまで)
女:いやいやいやいや、いや、(手近な奴を殴る)(パン)
殴られ:いて。
女:もうめんどくさいから。めんどくさくさだから。
殴られ:くさくさ(めんどくさくさについて一言)
女:(殴る)
殴られ:いて
女:しゃべんないで。コメントとかいらないから。口開かないで。口臭いから。そんな意味でもくさくさ。
(殴る)だからしゃべんないで。みんなも。2度と出て来ないで?ごめんね。
みんな:(なんだよーとか)
女:静かに帰って?ちゃんとやりたい方だから。ごめんね。
じゃ、君から。行くよ?せーの、
監長:え?あの、どこですか?
女:わかんないの?続き?
監長:あ、え?あの
女:わかんないの?わかるよねぇ?
看守:わかります
監長:え?
女:じゃ、せーの、ハイ(パン)
監長:あ、すんません
女:ほら、ハイ(パン)
監長:何ページ、、
女:知らない、ハイ(パン)
看守:14、14っ
監長:よ?よん、、
女:すぐすぐすぐやる(パン)
監長:ほ、ほら言った通りじゃねえか雲ひとつねぇ青空だぜ。こりゃあいいモチがつけそうだ。
おいおまえ杵持って来い
看守:はいおまえさんっ
監長:♪俺がこねたらおまえがついてっ
看守:へいや!
監長:あいや!
看守:へいや!
監長:あいや!
女:違う!
監看:!!
女:そんなシーンない
監看:あ。
女:時間あげるから。ちゃんと確認して。準備出来たら言って?
監長:すいません。グス
女:あーのど乾いた。
下っ端:お茶どーぞ
女:あら、新しい子?
下っ端:はい
女:名前は?
下っ端:霧が峰冷え臓です。
女:覚えとくわ。
下っ端:光栄です!
女:熱い!ばしゃ!
下っ端:あつっあつっあつうい!しぶーい(ハケ)
女:まだなの?!
監長:やれます!
女:ほんとに?
監看:はい!
女:シーン31カット2『松岡シャルロットの過去』よーい、
監長:(女を殴る)(光戻り、曲)
看守:囚人番号9434松岡シャルロット懲役25年です。
監長:殺人。売春、覚醒剤、麻薬不法所持、暴行、恐喝。数えあげたら切りがない。
女:お肌には気ぃ使ってっからぁ、さっさと戻って寝たいんですけど。
看守:ここ出る頃にはもうしわくちゃ。
女:あんたよりまし。
看守:(殴る)ひどい顔にしたげよーか?
女:はっ(鼻で笑う音)
監長:出たい?
女:?
監長:出たいでしょ?そりゃ出たいよねぇ?
女:わかってんなら聞くんじゃねーよ
監長:出ていいよ。
女:、、え?
監長:釈放。
看守:(文書)囚人番号9434松岡シャルロットを本日づけで釈放。
16時PMより準備施設へ移送。ここにサインしろ。
女:ほんとに。
監長:これがうそを付いてる顔に見えるか?(監長看守、へんな顔)
女:見える!あんたらの暇つぶしにつきあうほど気長くないんだよ!
看守:条件がある。
女:え?
監長:よく読め。
女:、、、!、、、(わなわな)
監長:わかったようだな
女:(わなわな)「氏名と捺印、無い場合は拇印も可」
監看:そこじゃない!!!
女:「フリガナ」
監看:ちがうちがう!
女:!、、手術?、、手術施行の後、出所。
監長:どうする?
看守:どうする?
監看:どうする?
女:これって
監看:♪どおするどおするっどっおおする~君なら
女:考えさせろよ!(地面に座り、考える)
監看:。。
女:(サインをしようとする)
監長:あのな
女:え?
監長:ぐーーー。(光、突然変わる)
女:あれ?(光りが)
看守:あらやだ監長ったら話してる途中でねちゃっ(すやすや)(天使のように)
女:え?
監長:はっマイクロスリープをしてしまっ(ばたーん)
女:おう?!ちょっと!真面目にやんなさい!
監長:(寝言)男の人が車をバックさせる時のポーズ
女:は?
看守:(寝言)おいおまえさわんなやって感じのアレ
女:ちょっと!
監長:(寝言)デパートのエスカレーターがガラスで出来てりゃなー!
女:え?何?
看守:(寝言)パンチラ見てぇーーー!!
女:あんたも?!正気?!
役人:だいじょぶ?
女:ちょっと!
役人:俺行くよ?
女:狂ってんじゃないのあんたら?!
役人:おい!
女:(正気に戻る)、、あ。(明転)(女の家。売春宿)
役人:、、、だいじょぶかあんた
女:あ、まだいたんだ。
役人:もう行くよ。でもだいじょぶか?
女:いいから早く行けって。(緑の缶を探し始める)
役人:さっきの。
女:何。(探し続ける)
役人:緑の。光る、、。
女:が、何。
役人:ドラッグ?
女:あ、あんた持ってない?役人だもんねぇ!いっぱい持ってるんでしょ?
だって、あれ届けるのが仕事だもんねぇ?
役人:(ポッケ)これ?(缶)
女:それ!(ひったくる)
役人:!
女:開かないっ。くそっ。(地べたにガンガン叩きつけ始める)
役人:ドラッグ?
女:開かない!(ガン、ガン)なんか持ってない?開ける物!
役人:そんなもん、、(銃)、、これじゃな
女:貸して!(銃で殴りつける)くそっ
役人:あぶね!やめろ!
女:うるさい!忘れちゃう(ガシ)(ガシ)
役人:何言ってんだ?やめろ!危ない!
女:今見た事忘れちゃう!(ガシ)(ガシ)
役人:(とりあげる)正気じゃねーぞ?!(緑の缶も)
女:!!返せよ!
役人:こんなもんやってどーなる?
女:思い出せる気がすんだよ!
役人:え?
女:ココに来る前の事、思い出せる気がするんだよ!それちょうだい!ちょうだいよ!くれよ!
何度でもやらせてやるから!どんな事でもさせてやるから!
役人:だから俺は
女:このインポ野郎!
役人:、、。
女:忘れちゃう、、早く!
役人:何をそんなに思い出したいんだよ
女:わかんない!だけど!思いださなきゃ、、思いだなきゃって!
役人:俺は忘れたい事だらけだ。
女:、、、、あたしは、思い出したいの。、、だから、、
役人:(缶を開ける)(中味をバラバラバラバラ出す)
女:!(拾う)(拾う)(拾う)
監長:おったーまじゃーくしーはかーえるーのこー(以下続ける)
役人:(ズキン)(首の後ろが痛い)
看守:おったまじゃーくしーはかーえるーのこー(ばらばらにうたい続ける)
女:あの、ごめん、、ひどい事言って。インポって、言ってごめんね
役人:(首の後ろが痛い)(首の後ろを押さえる)(痛みが消える)(缶をぽいと与える)
女:!(再び拾い集める)(光、女に集中して行く)(曲インストゥルメンタルのおたまじゃくし)
役人:おったまじゃーくしーはかーえるーのこー(歌いながら売春宿を後にする)

*歌詞:おたまじゃくしは蛙の子、なまずの孫ではありません。
    それがなにより証拠には、やがて手が出る足が出る。

(監長、看守、歌いながら立ち上がり、女に目もくれずハケ。曲上がっていく)
(一人きりの女、拾いあつめ、缶に戻していく)
(最後の一粒を見つめる)
(こんな事が何になるんだろうと考える)
(だけどやっぱり、飲むしかない。飲むしかないと自分に言い聞かせる感じ)
(曲下がり、光舞台奥。別の売春宿の様子に移る)(出来ればベッド)
男:(パンツとシャツ)何この曲
女2:(肩出し)(まーとにかく事後)知らない?
男:ごんべさん?
女2:あー、どっちが替え歌なんだろね。
男:なんでこんな曲が聞えてくんの
女2:土曜の夜には、鉄人街に流れんの。そんでまー、一週間が終ったなーって。
男:なんか意味あんの?
女2:さあ、お偉いさんがおたまじゃくしの歌に決めた事だって前の役人が言ってたよ。
男:ヨドバシカメラにしか聞えねーな
女2:つけとくから。利子含めて5本ね。
男:ああ、緑の。
女2:試す?コレ(発光体)
男:過去に生きるのは好きじゃないね。
女2:こんな場所にどんな未来があんのさ(飲む)
男:あーあ、のんじまった。
女2:女には過去も必要なの。なんつて(寝る)
男:、、、、生きんなら、、、今だろ。今。
女2:かっこいいい。福山まさはるみたい。
男:、、あ
女2:え?
男:なんですったらこと覚えてんだべ。
女2:なまっちゃってる。
男:「エピキュリアン。快楽主義者。快楽こそ我が人生の目的。」
女2:ロッキーの彼女がどーしたって?
男:ラリる前に聞かせろ。
女2:なーにエイドリアン
男:女は全部この仕事か。
女2:ガキんちょ以外は。
男:何人いる
女2:?
男:ここに女は何人いる?
女2:え?
(別の場所。舞台前に子供とロボ、体育座り)
子供:俺、女だったのか。
ロボ:うん。
子供:子供だとばかり
ロボ:いや、それは合ってんだよ。
子供:おまえは?
ロボ:ん?
子供:男?女?
ロボ:ロボット
子供:あー。やるもんだ
ロボ:え?何が?
子供:仕事って何すんの?
ロボ:、、、、、えっとねー
子供:あ、流れ星
ロボ:あ、ほんとだ
子供:洗濯物入れなきゃ
ロボ:いや違う違う
子供:カレー火通しとかなきゃ
ロボ:違う違う
子供:どらえもんの25巻読んで号泣しなきゃ
ロボ:違う違う
子供:過呼吸の人がいたら袋かぶせて落ち着かせなきゃ
ロボ:うん、そうしたらいいと思うけど違うよ。
子供:なんだっけ?
ロボ:願い事。
子供:あー、そうそう。えーと。
ロボ:流れてる間でないと。
子供:そっかそっか。
ロボ:寝るべか。
子供:おう。
ロボ:次までに考えればいいべ?(ハケ)
子供:だな。(ちょっと歩いて、また立ち止まる)
(空を見る)(曲上がる)
(緑の豆球、光り出す)
(子供、願い事決定。嬉しそうにハケる)
(光、再び女の過去へ)

女:、、、、、、、、、、。(地べたに座りこみ)(サインする)
看守:(文書を取り上げ、確認)(曲、消える)
女:、、出れるの?、、ほんとに
看守:この書類があればね。(ヒラヒラ~)
女:?
看守:やぶっちゃおっかなー
女:!
看守:あ、焦ってる?やめて欲しい?
女:てめえ!
看守:殺人、売春、ヤク、、、。
懲役25年。所内の態度も最悪。規則違反は起こす。囚人シキっていい気になってる。
なんであんたみたいな殺人鬼の売春婦が社会に出てく事が許されなくちゃいけないわけ?(ちょっとピリピリ)
女:やめて!
看守:土下座しな?ま、土下座した所で、破らないとは限んないけど。
女:、、、、(土下座準備)
看守:どったの?ほらはやく。
女:覚えとくからね
看守:「やぶらないでください」は?
女:やぶらないで、、くだ、、
監長:いけない!(と、看守から文書を奪い、向こうへ)
看守:でも監長!こいつは自分の子供を
監長:(やぶる)
看女:ええええええええ???!!!!
監長:(やぶるやぶるやぶる)(ポッケにしまう)(新しい文書出す)(手品のように)
看守:何がしたいんだあんたあ!
監長:本物はこっちだ
女:どういう意味それ!
監長:わからん。
看守:なんすかそれ!監長お!
監長:これはお国の決定だ。
女看:え?
監長:その女は、選ばれたの。全国でも有数の犯罪者として。
看守:、、(くやしい)
女:よくわからんけど、出れるってことだろ?ざまあみろ!
あ・夜道気ーつけな?あんたの顔、ほんとに絶対忘れないから・
看守:、、ちくしょう!
女:はっはははは。ふあふあっふあっ。ほーっほっほっほっほ。あー、あー、あー。
看守:こんな女出してもいんですか!
監長:安心しろ。覚えてられないから。
女:?え。覚えて、、ない?
監長:手術ってのは、脳味噌の手術だ。
看守女:!!(曲)
(場転、2年前の記者会見。記者団フラッシュを焚いて登場)(看守、監長、記者団に参加)(腕章)
(渦中の人は白衣の教授、ナボコフの父、表川大五郎。ひげと眼鏡)(ダブルキャスト)
記1:今回の発表は日本国憲法第*条、「人権の尊重」に違反する事になりませんか!
表川:本日はみなさんに多数お集りいただきまして誠に感激の極みでございます。がちょん
記2:発表に至るまでの経緯にはもちろんモルモットにされた人間もいると考えてよろしいですか!
表川:私、表川大五郎と申します。以後、お見知りおきのほどを。げばげば
記3:具体的には脳味噌のどの部分にメスをいれる形になるんですか!
表川:大五郎といっても5番目というわけではございません。上に8人兄貴がおります。どびっくり
記4:人間は悪であると考えますか!それとも善であると考えますか!
表川:上から大一郎、小一郎、大二郎、小二郎。えーとどこまで言ったかな
記1:今回の研究費というのは厚生省の予算から出たわけですよねぇ!
表川:大三郎、小三郎、大四郎、こよんろう、そして私が大五郎。いえい
記2:この研究が根本的な問題解決に繋がると考えますか!
表川:♪むーかしーのとーもはーいーまーのー友ー
記3:表川教授っ
表川:♪おれとおまえとっ!
記者団:(ダンダン)(足踏みリズム)
表川:大五郎~~(記者団を割って出てくる)(演歌歌手のように)
記者団:らーら(パシャ)らーららー(パシャ)るーうるーうるー
表川:おれもおまえも!
記者団:(ダンダン)(足踏みリズム)
表川:ちみたつは、何が聞きたいのかね?!
記4:表川大五郎さん!
記1:人間の本質は、
記2:善ですか!
記3:それとも!
表川:(がばぁ!)(そのへんの女をがばっと引き寄せ)
記者団:!!
表川:悪に決まってんだろがぁ!(かっこよく言い放ち)
いやーーー!!!(記者団にダイブ)(曲上がる)
記者団:(どよめきながら胴上げ)(舞台前面に記者5、6)(曲下がり)
記者5:記者会見で突然狂った元東京大学医学部教授、表川大五郎に新たな疑惑が浮上しました。
記者6:表川大五郎は多くの孤児を養護施設から受け入れ、養子にしている事で有名でしたが、
成人して彼のもとから独立した養子たちの口から信じられない証言が明るみに出てきました。
記者5:これを受けて検察庁は一連のモルモット疑惑に加えて、
幼児虐待の疑いがあるとして調査を続けていく方針です。
記者6:また、表川大五郎被告は取り調べに際し
「自分はとてもラッキーな男だ」などとわけのわからない事を口走るため
弁護士団から、精神鑑定の必要性があるとの訴えが起こって、、
(曲上がる)(胴上げ終り)
(センターに歩いてくる表川、白衣とひげと眼鏡を取る。現在。鉄人街)
(浦辺ナボコフに光。浦辺ナボコフ、後頭部を触る)
(そこに古い傷がある事に気付く。古傷を触ったその手を恐る恐る見る)
(もちろん血は出ていない。鉄を打つ音、聞えてくる)
(いつの間にか、彼の後ろには鉄人街の男たちが鉄を打っている)
(不快。逃げたい。やめて欲しい。後頭部を押さえるナボコフ。その場にうずくまる)
(曲下がっていく)(ロボット登場、何か運んでいる様子)(鉄の音、残る)
(*出来れば、男、父、ロボ、の頭に鉱脈発掘用ライト付きメット)
ロボ:おったーまじゃーくしーは、?。おったーまじゃーくしーは、
男:カエル(仕事してる)(男の手に合わせてSE)
ロボ:あ、かーえるーの子ー
父:知っとけロボットー!
ロボ:じゃーのめミシンじゃあーりまーせんー
父:当り前だ、だって生きものだもの!ミシンは機械だもの!
ロボ:ヨードバーシカーメラーじゃあーりまーせんー
父:うーん。わかんないや。こういう場合なんてつっこもうか迷うや。
どう突っ込めばいんですかねぇお役人さん。おお!お役人さん!?
ロボ:どしたの?(うずくまる役人の所へ)おったーまじゃくしーは、あ(忘れた)えっと
役人:カエル
ロボ:あ、かえるーの子ー
父:もう忘れたのか!どうですかねー今のつっこみ。あ、大丈夫ですか?
役人:いや、大丈夫。ちょっと気分がな。
父:はぁ。なら、いんですけど。出張所、戻ってください。ご自分のお仕事とか
役人:ない。
父:変なお役人さんだ。突然人をボコボコにしていなくなったと思ったら、仕事場に来て謝り出すし。
役人:だからどーかしてたんだ。すまん。
父:たいした事ありませんし。おかしいですよ?お役人様が一般市民以下の私らに謝るなんて。
役人:まぁ、そーなんだが。
男:おいロボット。ここに女は何人いる?
ロボ:100人はいますかねー。
父:あ、珍しく答えた。
男:おまえ長いのか?
ロボ:長いね。
父:どのくらい?
ロボ:かなり。
父:かなり?
ロボ:まーねー。あーのど乾いた。今何時?
役人:わかんねーのかロボットのくせに。
ロボ:そろそろ来るはずなんだけどなー飲み物、あーのど乾いた!(イライラ)(父殴る)
父:うわ喉乾いてやつあたりされた。
ロボ:おっそい!(キレ)
男:あ、切れた。
ロボ:あったま来た。見てくる
役人:切れるロボット。
ロボ:まったくこれだから水商売の男ってのは!(ハケ)
役男父:え?水商売?
(水商売な音や曲や色)
役男父:ん?
水:いらっしゃいませ。なんになさいますか?
男:この人?水商売の男って
父:ほんとの水商売の人が来た
役人:なんなんだここは
水:なんになさいますか?
男:俺ビール!
水:かしこまりました
父:私ウーロンハイを。
水:かしこまりました
役人:じゃ、コーラ。
水:申し分けございません。当店ではちょっと。
役人:ないの?じゃ、ウーロン茶
水:申し分けございません。当店ではちょっと。
役人:こいつウーロンハイ頼んだじゃん!
水:当店ではちょっと。
役人:ちっ、、じゃオレンジ
水:当店ではちょっと。
役人:ジュンジャエール
水:当店ではちょっと。
役人:水!
水:当店では
役人:いいよもう、あるもの持ってこいよ!ノンアルコールで!
水:かしこまりました。オーダーお願いします。オールワンです。ビール、ウーハイ、ミー!(ハケ)
役人:なんつったああ!?
男:ミー
父:ミーですって。
役人:ミーってなんだ!?
男:ミックスジュース?
役人:えー?
父:ミリンダ?
役人:えー?
男父:キリンミポリン
役人:殺すぞおまえら。
水:おまたせいたしました。ビールのお客様(男手あげる。置く)ウーロンハイのお客様(父手をあげる。置く)
牛乳のお客様。
役人:ミルクかあああ!!略すなそんなもん!
水:牛乳の方おかわり自由となっております。
男父:おっ・(良かったですね)
役人:いらねぇよ!
水:ごゆっくりどうぞ。(ハケ)
役人:ちくしょー。嫌いなんだよ。飲み物のくせに栄養価の高いやつが。
父:ままま、じゃ、乾杯しますか
男:じゃ、新しい出会いに
役父:新しい出会いに。
(一気)
父男役:くあああ。
父:よっ!(拍手)
役人:(拍手)なんで乾杯のあと拍手すんだろ
男:(拍手)世界一無意味な拍手だな。
水:(トン)おまたせしました
役人:なんだこれ!
水:おかわりでございます。
役人:頼んでねぇよ!
水:当店では一気イコールおかわりとなっております。
役人:知らねーよそんなの!
水:ごゆっくりどうぞ(ハケ)
役人:いらねー。飲む?
父:いや、まだありますから
役人:おまえは?
男:よっぱらひゃってもう。ぐー。(寝た)
役人:早!
父:(にやにや)
役人:楽しんでねーか
父:いえ。
役人:いいよ、ゆっくり飲む。
男:そんなことだとこのシーンいつまでも終らないぞ。ムニャムニャ
父:なーんだ、寝言か。(水商売の人登場)
役人:どこが!わかったよ!むかつく店だ。加藤茶か俺は!いただきます!
水:!!(言った)(ダッシュ)
父:あれ?
役人:はいごちそうさま。見てください。ちょっと残してます。だから一気ではありません。
父:でも。(さっきあの男が走った事について)
役人:でもじゃねーよホラ。見ろ5ミリ分残ってる。な、だから、あれ?
(グラスに注がれる白い液体)何してんだおまえ!やめっやめろ!やめろ!(やめさす)
水:加藤茶ーイコールピッチャーとなっております。(紙パック)
役人:ピッチャーじゃねーだろ!何がちゃーだ!(後ろ手に)
男:ううーーんううーーん(寝相でグラスを渡す)
役人:ばか!何してる!(男、はがいじめ)
父:寝相が悪いんだ。
役人:違う!目あいてる!はなせ!よせ!よせーー!
水:(地べたに置き、とくとくとく、、とく)、、、表面張力。
父男:おおおお(拍手)
役人:ばかーーー!
水:また明日。(ハケ)
役人:くんな!も~~~。稽古含めて何杯飲んでると思ってんだ
父:背、伸びますよ
役人:うるせぇ!
父:さ、お仕事お仕事(ハケ)
男:のみすぎのみすぎ
役人:おめえのビール本物じゃねーだろーな
男:、、、さ、お仕事お仕事!(ハケ)
役人:おいいい!!
ロボ:ああああ!!何?!水商売の人は?!
役人:帰ったよ
ロボ:もー!あー何?飲んだの?うらやまし~~!!2・3杯は軽くのみて~~
役人:なんかムカつくな
ロボ:喉カラカラなのに~~
役人:これやるよ。
ロボ:あー、無理無理。ロボットだもん。
役人:ほんとかこの野郎。
ロボ:また壊れちゃうよ?
役人:あ、そーだ。おまえ直ったなら本部と連絡取れよ
ロボ:出来ない。
役人:え?
ロボ:もともと出来ない。受信しか出来ない。安心だフォンみたいなもん
役人:あんしんだふぉん?
ロボ:ピッチ。ドコモの。
役人:あ、あれか?電話番号3つしか登録できねえ奴?小学生が持つ。
ロボ:そう。あ、そう考えるとあたしよりましか。けど3件しかかけれない電話ってどーよ?
役人:だから安心だフォン知ってんのに電話を知らねぇのかって!
ロボ:理解不能理解不能じばくします。ばくはつします。
役人:わかったわかった。じゃほら、途中で故障した戦車は?連絡は?
ロボ:修理のためにトラックに乗せて引き返しました。
役人:ええ?!それ早くいってよ!なんだよ。
ロボ:たぶん来週また来るよ。
役人:それまでこんな所に居ろっての?本気で?
まじかー。、、、、見ろよこの地下鉱脈。鉄、鉄、鉄ばっか。
ロボ:鉄人街ですから。
役人:街だって何もない。売春宿、売春宿、売春宿。他にやることないのかよ。
ロボ:人間様のやる事は理解不能ですから。
役人:危なく昨日、犯されるとこだったぞ俺。
ロボ:ほう、珍しい。
役人:え?
ロボ:ここに来て女性と関係しない役人さんは初めて見ました。
役人:、、、。
ロボ:?どーかしたの?
役人:おまえロボットだもんな。
ロボ:そーだけど。
役人:言うなよ人に。
ロボ:うん。
役人:やっぱいいや
ロボ:なになにー?
役人:いい。なんでもない
ロボ:なになにー(のどフルフル)
役人:こええよ!
ロボ:、、女性関係のはなしですか?
役人:、、、興味ないんだよ俺。だからって男がいいわけじゃなくて。
今までも何度かやってみようとしたんだけどダメでな。
この年でまだ童貞だよ。笑えるだろ
ロボ:わはっはっはは
役人:笑うな!
ロボ:、、、、、。原因とか。わかってるんですか?
役人:わかってると思う。
ロボ:?
役人:でも、なんか霧がかかってるみたく。
ロボ:人間は都合の悪い事忘れるらしいですからな
役人:、、うん。
ロボ:頭痛も、それと関係ありますか?
役人:たぶん。、、なんか、ココに来てからひどい。
ロボ:気晴しが必要ですなー(子供、コソコソ登場、舞台上の鉄クズ投下準備)
役人:暇つぶしとな。
子供:倒れるぞお!
役人ロボ:え?うそ、まじ?(などなど)
子供:えい(投げる)
役人:何も倒れて来ねーじゃねーか!
ロボ:あ。そーだ。
子供:おう、ロボット!おれと遊べ。万引き?覗き?強盗?ばくち?
役人:全部犯罪だなおい。
子供:まだ終らにーのか仕事
ロボ:終らにー。忙しくてにー終らにー。
役人:おまえ一つも仕事してなくねぇ?
ロボ:おらぁ忙しいだに、このおっさんと遊んでやったらいいだに。
役人:あ?おっさんだと?
ロボ:暇だに暇だにうるさいだにだに
役人:だにだにいうな。
子供:仕方無いだになー。
役人:仕方無いとはなんだ!
ロボ:たぬきとはなんだ!
子供:たぬきとはなんだ!
役人:え?、、あ。どらえもん!?
ロボ:チョロローん(走る)
子供:チョロローん(走る)
役人:え?、、あ。たらちゃん!?
ロボ:チョンチョコチョン(小走り)
子供:チョンチョコチョン(小走り)
役人:あ、いくらちゃん!?
子供:イテテテテ(耳ひっぱられ)
役人:カツオ!
ロボ:カツオ
役人:波平!
子供:シャンシャンシャンシャンサンソンソンソンソンソン
役人:ジェイソン!
ロボ:NO!
役人:に殺される人
子供:********
役人:長谷川きょうこ!
子供:開国しなさ~い
役人:関根努のペリー!
子供:*******
役人:*******
子供:*******(曲聞えてくる、幸せそうな光差してくる)
役人:*******じゃ、なんだばかやろー
子供:たけし!
役人:コマネチ
子供:たけし
役人:しょーがねーなーおめーはよー
子供:たけし!
(二人ものまね大会を続ける)
(満足気に二人を眺めるロボ)(二人ハケる)
ロボ:さ、お仕事お仕事。、、、、、(子供の方を見る)
(蛙になるのか。悲しくはないんだけど。ロボットだから。)
(場転、ロボと子供の出会いの頃。優しい光)
役人2:お国からプレゼントだ。おまえに渡せってよ。
(布にくるまれた赤ん坊を乱暴に渡す)
ロボ:なんですかコレ?
役人2:赤ん坊だ。見た事ないのか?
ロボ:ありません。私、ここに着任したばかりで。
役人2:着任と来たもんだ。人間のガキだよ。
ロボ:人間の?
役人2:まー一応な。あんな女が人かどーかは別だ。
ロボ:どういう意味ですか?
役人2:母親よ。売春、シャブ中、アル中、しまいに殺人で刑務所。
誰のガキだかわからんがこいつをオリん中で生みやがった。
ロボ:母親。
役人2:ひでぇ奴だよその女。この街の奴らだって自分の腹いためたガキの別れと来りゃちっとは涙を流す。
ところがその女笑いながら言ったんだよ?「ゴミ箱にでも捨てよーかと思った」
ロボ:いらないなら、仕方無いですね。
役人2:はっ。さすがにお国のロボットだ。血も涙もねー。
ロボ:ありがとう。
役人2:ホメてねーよ。あーあ。国の実験もよくわからねえ。鉄人街でガキを育てようなんてよ。
ロボ:人間にしては小さいですね
役人2:これからおっきくなるんだよ。
ロボ:軽いし(ポーン)
役人2:あ!ばか!もっと丁寧に扱え!おめーらみたく鉄と合成樹脂で出来てんじゃねんだからな?
頭に手そえてよ。もっと優しくよ。そっと持て。抱えるんだよ。優しくよ。
ロボ:優しく。、、優しく。
役人2:おお、そーだ。優しくよ。
ロボ:やさしく。
役人2:そーそー。よしよしとか言ってよ
ロボ:よしよし。よしよし。よしよし。
役人2:蛙の子は、蛙になっちまうんかね。。
ロボ:燃料はここから?
役人2:ねんりょー?あーめしな?でもまだ歯ねえからよ。やわっこいもんにしろ。
ロボ:やわっこい
役人2:おまえ歯あるか?
ロボ:いちおう。
役人2:なんでついてんだそんなもん。ま、いーや。くいもんをよ、噛んでよ、食わせろ。
ロボ:ゆがみました。
役人2:あ?
ロボ:ゆがみました。栄養をとるあたり。
役人2:(覗き込む)ばーか、笑ってんだよ。
ロボ:何か出てきました。
役人2:よだれだよ
ロボ:手がしめってきました
役人2:あ、おしっこか?
ロボ:異臭をはなっています
役人2:うんこか!?
ロボ:小さいくせに忙しいですね。どーしましょう
役人2:ちょっと貸せ!一通り教えるから覚えろよ?くせぇ!やりやがったなこんちくしょう
ロボ:出さないようにするには?
役人2:あ?
ロボ:色々、余計なものを出さないようにするにはどうすればいいですか?
役人2:ばーか。いんだよ出した方が。
ロボ:臭いのに?
役人2:それがこいつの仕事なの。
ロボ:仕事。
役人2:だめだ!なまらウェッティだ!おい、なんかねえか?布とかよ!ああよしよしよしよし!(ハケ)
ロボ:、、、、、。
(ロボット、練習を始める)(ぎこちなく子供を抱える形を作って)
よしよし。よしよし。よしよし。よしよし。、、、、。
(やめる)(ブラリと脱力する)(あたしは、採掘用ロボットだ)
子供は、来週の木曜日に12歳になって、ロリータになって、大人になって、仕事を始める。
(ロボとは別の場所に子供と役人)
役人:おっそいーよーん
子供:おれも!えーと、おっそいよーん
役人:違う!おっそいよーん
子供:やるもんだ!おっそいよ~ん
役人:1ヵ月猛特訓したら出来るようになんぞっ
子供役人:(グッ)
子供:ああ、汗かいた
(ばふばふと涼みながら、上着を脱ぐ)
(役人、子供に異性を感じた自分に気付く)
(ロボ「おたまじゃくしの歌」歌いはじめる。)(曲、上がり始める)
(子供、ゆっくりと帽子をとる)
(役人、頭が痛くなってくる)
(♪そーれーがなーによーりしょーこーにはー、、、)
役人:ちがう!
(曲止まる)(役人一人だけの照明になる)
、、、、ぼくはちがう!
、、、、、、ぼくはあいつとは違う!!!
(ズキン)(激痛)(頭の後ろの古キズを押さえる)
(それでも耐え切れず、ひざをつく役人)
(場転。中学2年生の頃。本名、表川直人。ウワサ話が聞える)

ウ1:ニュース見た?表川のおやじ。死んだんでしょ?
(古キズの痛み、収まる)
ウ2:遺書残したってさ。やべーの。内容がヘンタイ。
ウ3:養子さー、軒並み証言してんじゃん。もう10人とかいんの。
ウ4:女しか養子にしてないんでしょ?こえー。
ウ5:そーいえばさ、目つきが異様だよね。あたしら見るときの。
ウ1:あいつは何?え?血繋がってんの?あいつだけ養子じゃないんだ?
ウ2:転校すんだってよ。長女のとこに。養子の長女
ウ3:あれ?結局ひとりっこじゃなかったっけ?
ウ4:ウワサなんだけど、あいつ引き取った養子がぁ、
ウ5:え?なになに?うん?あいつの?
ウ1:えー?!うわまじで?ドラマみてぇ
役人:関係ない!ぼくとあいつはなんの関係もない!あいつはあいつでぼくはぼくだ!
ただ血が繋がってるそれだけの事だ!あいつは異常でぼくは正常だ!
ぼくは正しい!ぼくは間違ってない!ぼくは、まともだ!
(小さく聞える、鉄を打つ音)(舞台奥に浮かぶ女の影)
女:じゃあなんで?
役人:え?
女:じゃあなんでできないの?
役人:それは
女:なんで抱けないの?
役人:それはっ!
女:それは?
役人:それはたぶん、、、!!!!!わかった!それはたぶんあいつのせいだ!
幼い頃、ぼくをモルモットに使ったんだ!記憶をあやふやにしたんだ!
首の後ろの古キズはその痕だ!12針縫った!君らにやったように!
それで、障害が起きた!それでぼくは出来なくなった!
それで説明がつく!ほらみろ!やっと説明がついた!
霧が晴れた!思い出した!頭も痛くならない!
ロボ:私の考察によれば。(小さく聞える、鉄を打つ音)
役人:え
ロボ:あなたは帽子を取るあの子に性的感情を抱いた。
心拍数が上がり微量発汗があり脳内にアドレナリンが分泌されました
役人:ロボットみたいな事を言うな!
ロボ:あなたはロリータに対して
役人:(ズキン)やめろ!(古キズを押さえる)
父:なんでですか?(小さく聞える、鉄を打つ音)
役人:その名前を出すな!
父:ロリータ?
役人:ドロリスでいいじゃないか!
父:だって、ドロリスの愛称はロリータに決まってるじゃないですか
役人:そんな事はどーでもいい!
父:おかしな人だなー
役人:おかしくない!
男:別にいいじゃないすか(小さく聞える、鉄を打つ音)
役人:よくない!
男:おかしくたって別にいいじゃないすか
役人:貴様らと一緒にするな!
貴様らはもう!人間なんかじゃない!
男:エピキュリアンって知ってます?
役人:消えろ!!
(小さく聞える、鉄を打つ音)(鉄を打つ音と共に、女、ロボ、父、男、見えなくなる)
役人:、、、疲れてる、、、疲れてるだけだ。
子供:大丈夫?(小さく聞える、鉄を打つ音)(子供、さっきと同じ位置にうかびあがる)
役人:え?
子供:大丈夫?
役人:あ、ロ、、ドロリス、、。、、ごめん、、ちょっと気分が、、
子供:焦らないでよ・(小さく聞える、鉄を打つ音)
役人:!!、、、え
子供:どーせ来週の木曜日になれば、あたしもおとな
役人:やめろおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!

(役人の叫びと同時に鉄を打つ音と暗転)
(SE音の余韻が消えてから、うっすら光)(厚生省会議室)
(あまり良くは見えない。)(少しの間その状態)
早乙女:あの、
(ピンスポ、声を発した男、早乙女を照らす)
(役人2=早乙女)
犯罪者の記憶を消して、モデル地区『鉄人街』で生活させるというのはわかりました。
もしまた犯罪が多発するとなれば、その人間は生まれついて犯罪者であると。
これが、表川先生のプロジェクトですよね。
浦辺:後天的に環境や生活が犯罪者や精神病者を育てるのはほぼ実証されている。
次に科学が挑まなくてはならないのはそこですよ早乙女さん
早乙女:生まれついての犯罪者が、存在するんでしょうか。
浦辺:そこですよ!!
早乙女:しかし、。いささか乱暴では
浦辺:はっきりさせときましょう。僕のおやじは犯罪者だ。しかも性犯罪。幼児虐待。
ご存じですよねぇ?
早乙女:、、ええ。
浦辺:ここで問題。僕は犯罪を犯すのでしょうか。
早乙女:え?
浦辺:犯すと思いますか?
早乙女:まさか、表川さんは今立派に
浦辺:あー皆さん、今は母方の姓を取りまして、浦辺です。ま、どーでもいんですが。で、どーですか?
早乙女:犯さないと思います
浦辺:嘘だ。
早乙女:ほんとです!ほんとにそう思います!だって浦辺さんは今立派に
浦辺:あーもーいい人だなー、早乙女さん。
でもねー、フォローはしすぎちゃいけないですよ?どんどん嘘くさーくなります。
早乙女:いや、嘘じゃない!
浦辺:いんです。あなただけを責めてるわけじゃない。マイクある?
あ、あー。えー。
本日は「R」計画を見直そうの集いに多数出席していただきましてありがとうございます。
私、浦辺ナボコフ、もとい、表川直人は、かの幼児虐待・性犯罪者、
東京大学医学部教授、表川大五郎の一人息子でございます。
そして皆さん知りたそうだから白状しますと。ここにお集りの皆様のご推測どおり
僕は間違いなくおやじとおやじが一番初めに拾ってきた養女の子供です。
でもって、僕の首の後ろにはおやじから受けた虐待の後がある!
そしてそして姉や妹たちへの虐待の様子もこの目で見ています!
つまり、先天的にも後天的にも、おやじの気質を受け継いでいる可能性は?
早乙女:た、、高いです。
浦辺:はい!もっかい早乙女さんにクエスチョン。
僕は犯罪を犯すのでしょうか。
早乙女:、、犯す、、かもしれません。
浦辺:『、、おかしゅ。かも、しゅれましぇん』はい良く出来ましたー・
そうそう、正直に行きましょう。
思った事は素直にねーー・思ったでしょ?ね?思ってた?
早乙女:、はい。
浦辺:え?
早乙女:お、思ってました
浦辺:めえわくなんだよそれがああ!!!!
(客席)でも僕は生まれてこの方ひとつの犯罪も犯した事がない。
あんたらだってやっている、ギリチャリやら万引きやら、信号無視だってやってない。
なんでだと思う?
早乙女:え
浦辺:証明したいんですよ。この僕の潔白さを。蛙の子は蛙?ちがうね。
僕みたいな最悪のケースでも、とんびが鷹を生むって事もあるんだよ。
でもどんなに清く正しく生きても、誰も信じない。だから僕は「R」計画を発動させました。
早乙女:だから私がいいたいのは。
浦辺:ホログラムください。どーぞー
(女、男、父、さっきの位置)
平成ロリータ登場人物たちです。拍手ー。
早乙女:ロリータ?
浦辺:おやじにピッタリでしょ。
これ主人公。ハンバートハンバート。これ未亡人のシャルロット。この娘に主人公が手を出すと。
でも、この男キルティとロリータはすでに出来ていたって話し。
そして禁断の木の実、ドロリス・ヘイズこと、ロリータ(ロリータ浮かぶ)
早乙女:!(立ち上がる)
浦辺:なんでこの小説が出版された1955年、ロリコンなんて言葉が生まれる程、衝撃を与えたか。
早乙女:私が言っているのは、そんな事じゃない!
浦辺:物語の筋はどうだっていい。小説は小説。フィクションだから。虚構。全部嘘。
しかしその物語の異常性によって、読者の興味は最終的にどこに注がれるか。
わかります?
早乙女:、、、。
浦辺:ウラジミール・ナボコフ
早乙女:え?
浦辺:とどのつまり、こんな異常な物語を生んだ作家は、果たして、本当に異常なのか?
って事に興味が集中する。でぇ・、、、平成ロリータのシナリオライターはもちろん。
(さっきの暗転前の役人の位置へ、足される)(そこに入る浦辺)
浦辺、ナボコフ。
(曲)(光、上がって行く。浦辺と早乙女以外の登場人物たち、物語の冒頭と同じように行進を始める)
早乙女:!!!!
浦辺:フェアに行こう。ぼくも手術をしよう。囚人たちと同じように記憶を消そう。
早乙女:狂ってる
浦辺:ぼくはあいつと違うんだ
(じょじょにあがる浦辺の手)
早乙女:おやじと同じだっ、、くるってる!
浦辺:それでも僕は、過ちを犯さない
早乙女:あの子だって潔白だ!何も知らないんだぞ!
浦辺:僕が
早乙女:あの子は囚人じゃない!
浦辺:僕が助ける!
早乙女:!
浦辺:僕が守る!!
早乙女:、、同じ事だ
浦辺:彼女を救えば!
早乙女:同じ事だナボコフ!
浦辺:僕も救われる!(首を、力まかせに、つかむ)(曲、上がって行く)
早乙女:!
(浦辺=役人)
(曲上がりの中、激痛で倒れ込む役人)
(かけよるロリータ)(行進する人々)
(早乙女、厚生省会議室をあとにする)
(成人の場所にロボット)
(舞台中央に小高い場所、ここで成人式が行われる)
(曲さがり)

ロボ:お役人はそのまま気を失い、死んだように眠り続けた。それが日曜日。
月曜日、街の男たちの目つきが変わった。
今まで見た事の無い男までロリータの家のまわりをうろつき始めた。
ロリータの看病にも関わらず、お役人は目を覚まさなかった。
火曜日、父親がわりのハンバートに異変があった。
回りをうろつく男たちにつばをはきかけ、ロリータが色目を使っているとののしった。
ロリータは生まれて初めて泣きはらした目で朝を迎えた。
お役人は朦朧とした意識の中でロリータの名を呼んだ。
水曜日、父親がロリータを殴りつけようとした所をキルティが制した。
キルティの提案により、いったん父親を別の家に泊まらせる
女たちがロリータの晴れ着を完成させた。(人々、舞台から消える)
お役人は目覚めない。
最後の夜、ロリータは流れ星を見た。
ロリータは、願い事なんてないと笑った。
ロボットは、一晩中願い事をした。

(後ろにツルハシを持った人間の影)

「明日になる前にこの採掘用ロボットを壊してください」

(曲、少しづつ上がる。ツルハシ、少しづつ上がって行く)
(鉄を打つ音、カシーーーーーーーン)
(落雷が落ちたような光)
(ツルハシを持った人物は、父ハンバート・ハンバート)
(ロボット、壊される)
(ゆっくりと倒れるロボット)
(ハンバート、その場所を後にする)

(舞台全体に光広がる)
(人々、集まってくる)(成人式)
(しだいに始まるくるくると回るダンス)
(光、舞台中央に集まる舞台中央に扉など)
(そこから登場する女の服を着た、ロリータ)
(白いドレス)
(拍手、拍手)(人々の顔はよく見えない)(花をわたす)
(段に上っていくロリータ)
(成人の場所にロボットの残骸)
(しゃがみ、花束を捧げる。素直にロボットの死を受け入れるしかないロリータ)
(父親、成人した娘の元へ上って行く)
(手を引こうとする)(一瞬拒むロリータ)
(助けを求め視線を泳がせる)(しかし、拍手の嵐)
(手を引かれ降りていくロリータ)(人々、花びらを成人した娘にかけて祝福をする)
(ロリータだけを追うスポットライト)(終始、おどおどした表情のロリータ)
(花びらのアーチをくぐり、舞台からいなくなる)
(一同、大拍手、これで、ロリータは大人になった)
(散りぢりになる街の人々)
(遅れてやってくる役人)
(舞台に散らばった花びらをみる)
(成人式が終った事を知る)
(成人の場所にロボットを発見、ガックリと膝をつく)
(曲、下がって行く)
役人:、、今日は何曜日だ、、
今日は何曜日だ、、
今日は、何曜日だ畜生!
(花びらを地面に叩きつける)
畜生!畜生!
ただ、眠りこけてたのか俺は!
!(銃)
、、まだ間に合うかもしれない。
(銃を握りしめ、走り出す役人)
(突然立ち止まる)(向こうから歩いてくるドレスの女に気付く)
(血まみれのドレスに身をつつんだ、ロリータ)

ロ:、、
役人:、、何があった
ロ:わからない
役人:、、わからない?
ロ:(うなづく)
役人:誰の血だ、、、
ロ:、、、。
役人:、、、。それは、誰の血だ。
ロ:え
役人:それは誰の血だ!ドロリス!

男:お役人さん!お役人さん!大変です!
ロ:、、、。
男:ちょっと、、!!うお!!どうした!?
ロ:、、わかんない
男:どうした?!はっ、まさか!
おまえまさかっ!
ハンバートのやろうを?!
ロ:ちがう!
男:なんてことしたんだ!
ロ:ちがう!ちがう!
男:いい奴だったのに。優しくて。おまえをとても可愛がってくれてたのに。
ロ:ちがう!キルティ!
役人:?キルティ
男:わかりませんよお役人さま。こんな所で育ったガキです。
どこまでずるがしこいかわかったもんじゃありません。
なんとなく感じるんですよ。こいつには性悪女の血が流れてる。
ロ:この前はかばってくれたのに!
役人:この前?
男:いやね、ハンバートの野郎があんまりこいつを口汚なくののしるんですよ。
たぶん、他の男がよりつくのが嫌だったんでしょうねぇ
まるで自分のもののように。しまいに手をあげてこいつをぶとうとするもんで
たまたま見ていた俺がとめたんです。
役人:、、。
男:まぁ、今さらなんですが。
あいつが死んでみて考えると、案外あの男の言う事もあたってかもしれませんねー。
実際こいつ、それ以来この俺にべったりで、こっちもちょっと参ってるんですわ
役人:(ロリータを見る))(小さく鉄を打つ音)
男:まー女ってのは恐いですわ
ロ:、、。
役人:ほんとか(小さく鉄を打つ音)
男:どんなにガキでも女は女ってねぇ
ロ:、、、でも
役人:でもってなんだ!(少し大きい鉄を打つ音)
(ズキン)(押さえる)
ロ:?!大丈夫?
役人:寄るな!
男:、、、、。
役人:救ってやろうとしたのに
助けてやろうとしたのに
この世界から連れ出してやろうとしたのに
(大きい鉄を打つ音)
ぐおっ!(激痛に足をつく)
ロ:ちょっと!(寄る)
役人:寄るな!(銃)僕は思い違いをしてたようだ
ロ:!!
男:それはさすがに物騒じゃねーですか?
役人:きさまらは人間以下だ。僕は第4種国家公務員だ。(少し大きい鉄を打つ音)
男:確かにこいつは人殺しかもしれませんがね?
役人:そうか。そうだった。おまえは殺人者だ。(少し大きい鉄を打つ音)ぼくの銃で生まれ変われ
男:なんかおかしいよ、お役人さん?
役人:だまれ。
男:なんかおかしいよ、お役人さん?
役人:だまれぇ!(立ち上がる)
ロ:ごめんなさい
役人:あやまるな
男:お役人さんっ
役人:あやまったら!
ロ:ごめんなさい!
役人:認めた事になるだろお!(大きい鉄を打つ音)
男:やめろおおお!!!
役人:(カチン)
ロ:!?
役人:、、え?
男:なーんちゃって。
役人:、、玉が、、
男:寝てる間に抜かしてもらった。
わかったかロリータ。おまえが頼れるのは世界でこの俺だけだ。(曲)
ロ:、、、。(じっと見る)
役人:だましたのか?!
男:いや?ぜーんぶ思ってた事だ。あ、そーいや、ハンバートの野郎は俺が殺した。言い間違いだ。
役人:てめえ!
男:さっきは気にもしてなかったろ?人殺しの罪よりも色目を使った罪の方が重いってくちぶりだった
誰が殺そうと関係ないんだろ?あんたも殺す気だったじゃないの。良かったじゃない。
ロリコン野郎。
役人:(ズキン)違う!
男:うずくか、古い古い昔のキズが。
役人:!!
男:なんで知ってんのかって?ばかなエンジニアに言ったのよ。
あのポンコツロボットが可愛いロリータを外の世界へ逃がそうとしてるってな。
採掘用ロボットなんて真っ赤なうそだ。
俺たちをこの世界に閉じ込めて、監視するためのロボットだ。おや、覚えてないかい
俺はハンバートにデータを全て集めさせた。古いのから新しいのから、全て
てめえが始めた事なんだよ!ほんとに忘れちまってんのか?
役人:(ズキン)(ガシっとつかむ)
男:忘れたふりしてんじゃねーのか?
気付かねーふりしてんじゃねーのか?!
ほんとにそのキズは手術のあとか?!
おまえくるってんだよ!
世界がくるってんだよ!
もとっからくるってんだよ!
おまえは異常だ。正常じゃない!認めろ!
おれたちと同じだ!おめえのおやじと同じだ!認めろ!
(男のセリフで崩れ落ちる)
早乙女:もういい!(曲切れ)
役人:?
早乙女:十分だ。
役人:、、、。
早乙女:君をこの世界に置き去りにした。
ロ:え?
早乙女:12年前、一人の赤ん坊を採掘用ロボットにわたした。
ロ:、、、。
早乙女:第4種から、第1種国家公務員に合格して中央に切りこむまで6年。
そこから地盤を固めて、コネを作り、借金背負って、裏金はたいて、どうにか厚生省に潜り込んだ。
私の意見が通るようになったのは最近だ。
ロ:、、、出られる?
早乙女:12年間、君をここから出す事だけを考えてた。
ロ:、、、ここから、、
(男、早乙女のそばに親しげに。)
男:良かったじゃねえかロリータ。そうと決まったら荷造りだ
早乙女:必要なら、あの壊れたロボットだって直そう。
男:聞いたかロリータ!
早乙女:このモデル地区もいずれ撤去する。
男:ここから出られるんだ!
早乙女:国はこの計画から手をひいた。街の人々には金と自由と記憶が。
男:大金持ちだ!
早乙女:この世界は終るんだ。(手を差し出す)
ロ:ほんと?!
(その手にとびつく)
?(冷たい)
おじさん!
(倒れる早乙女。背中にはナイフ)
男:う・そ・
ロ:!!!うわああああああああ!!
男:勝手に終らせんじゃないよ。
おまえらが作った?おごってんじゃねーよこのおやじ。
だれが作ったと思う?
役人:、、、、。
男:俺たちが、好きに作ったんだ!
誰がはじめたかなんてどーだっていい。
逃げ出す事ばかり考えやがって。この世界はすでにあるんだよ。
なぁロリータ。おまえはいいよ。この世界にピッタリだ。
ロリータ、この世界を楽しもうずぇ
ロ:、、、やだ、、やだ!
(ツルハシを取りにいく)
(舞台中央成人の場)
あたしは、、
、、あたしはだれのものでもない!
役人:ロリータ
男:そのとおりだロリータ。
何をやっても許してやる。
何を言って飲み込んでやる。
俺はおまえを否定したりしない。
こいつみたいに。
ただ、バカな真似はよせロリータ
役人:ロリータ
男:いい子だロリータ。
役人:、、思い出した
男:そのツルハシをよこせロリータ。
役人:、、はは。
男:返事をしろロリータ。
役人:思い出した(歩き出す)
男:登るぞロリータ。
役人:おやじの本だなにあった
男:ロリータ
役人:いつもはおだやかな大学教授が
男:落ち着くんだロリータ
役人:その小説を読んだだけで、(その辺の『クズ鉄』を拾う)
男:ロリータ
役人:力まかせに殴りつけたんだ。
男:ロリータ
役人:机の角にひどく打った。
男:言う事を聞けロリータ
役人:血が出て、12針も縫ったっけ。
男:ロリータ
役人:今でも疼く。(首に手)
男:?(振り返る)
役人:君を救えば、、、
男:(クズ鉄をもって、2人を見ている)
役人:、、僕も救われる。
男:おい
ロ:お願い。
(ロリータと役人見つめ合う)
ロ:殺して。
(曲、どこかから聞えてくる)
(「おたまじゃくしは蛙の子」)
(役人、ポリポリと首の後ろのキズをかく)
男:おったーまじゃっくしーはかっえるのこー!、、。
(ふりかぶる)
役人:おい!(曲上がる)
(舞台上、緑の発光体できらめきはじめる)
(そのまま、暗転)

客入れ最後の曲上がり、客電消える。暗転の中、聞えてくる曲。舞台に光り。舞台中央に子供。セリフ。

子供:昔は良かった。今はこんなだけど昔は良かった。
そんな話をうちの父さんやら母さんやらじいさんやらばあさんやらが遠い目をしながら言うならまだしも。
どいつもこいつもどこみてるんだかわからないようなドロンとした目でよだれを垂らしながらラリってる。
話題と言えば誰が誰に殺されただの、あいつは実はあの男とあの女の子供らしいだの。
ついでに今度はそいつと父親がデキただの。なんというかまぁ他愛の無い平凡な話しばかり。
誰も世間様がどうなってんだかなんて事は知らないし知ろうともしない。
そもそも知る術なんてひとつも無い。だってここは、そういう場所だから。

(セリフの中子供の後ろに出てくるその世界の人々)

子供:じゃ、どういう所なの?なんて疑問を持つ奴なんてめったにいない。
そんな質問にも大人たちは「こういう所だから」とはぐらかすわけでもなく言ってのける。
だから自然と、おれもそんな風に考えるようになった。

(鉄を打つ音。カキーン、カキーン、カキーン)
(背後の人々、鉄を打ち始める)

子供:ろくな大人はいない。なのにみんな仕事だけはあーやってせっせこせっせここなすのだ。
大人たちの口にする、ここで唯一まともな言葉は「ガキが大人の仕事に口を出すな」だ。
(鉄を打つ音。カキーン、カキーン、カキーン)
昼になると、男は地下にもぐって鉄を掘る。夕方になると、女も地下にもぐる。
夜になると男と女は一緒に地上へ戻ってくる。
それが、仕事だ。

(SE戦車の音。グオオオン、ガタガタガタ)
(政府の役人、出てくる、帳簿のような物)

子供:週に一度、役人が戦車に乗ってやってくる。そんで軍のトラックに鉄を載せて帰るのだ。
住民の帳簿をつけながら、ダンボールに入った食料と緑の缶を鉄と引き替えに置いてく。
あ、それと住民も足して、赤ん坊は連れてく。
死亡者が20名で男15女5だとしたら。その分を足す。
生まれた赤ん坊は全部中央へいったん持っていく。

(政府の役人、ダンボールを置き、缶を置く。住民、赤ん坊のような物を渡す。帰る)
(ダンボールの周りに群がる住民)

子供:住民はそんな事知ったこっちゃない。それよりも例の緑の缶が気になるみたいだ。
大人になるとその缶を開けて良い事になってる。
このあいだ、俺を育ててる片目のおっさんに中を見せろと頼んだら、思い切り殴られた。

(住民たちそれぞれの缶を持ち、散り散りになる。互いに後ろむきで缶を開けている)(曲)

子供:頭に来たから夜中にそいつの家に忍びこんで缶の中身を便所にぶちまけてやったら、
となりの人が盗んだと勘違いして怒鳴りこみ、口論になって銃で撃たれた。
ちょっと悪い事したけど、殴るから悪い。役人は、そのうち代わりが来ると言って帰った。
あ、そー言えば便所にぶちまけた時、緑の缶の中身を初めて見た。
きれいな発光体。ちっちゃく、『R』って書いてあった。

(曲上がり、人々立ち上がる。8人)
(缶の中から緑の発光体、無数に散らばる緑の光)
(舞台、照明提案。舞台の低いあたりに緑豆球とか仕込みたいです)
(舞台上を歩く人々、それを眺めている子供)
(次第に行進となる。一人づつはけていき、子供一人残る。)
(舞台提案、行進して楽しい舞台。アップダウンがある)
(曲さがりセリフ)

子供:来週の木曜日、誕生日が来る。俺も大人の仲間入りだ。
その丁度一周間前、役人と父親の代わりが来た。

(曲上がる。子供消える)(役人、父)

役人:(軍人ひげ)えーと。えーと。こっちが北で。こっちが11丁目。あれ?虹の広場は?テレビ
父:迷いました?
役人:いや、いやいや大丈夫。大丈夫である。えへん。
父:私みましょうか?
役人:いや、いやいや結構。結構である。えへん。
父:そうですか?
役人:うむ。任せておきなさいな。うふん。
父:うふん、、
役人:うふん。
父:初めてですか
役人:え?初めて?初めてじゃないよ。いや、じゃないであるよ。相当ヤリこんでるでごわす。プロだしょ。
父:どこの方なんでしょうか
役人:ば。ばかもの!中央政府から使わされた第4種国家公務員であるぞ?ひかえろ!
一般市民との会話すら制限されておるというのに、まして貴様らのような
父:あ、花ですよ花。
役人:はなし聞け!
父:私らとは会話しない方が。
役人:うるさい!話しかけるな!忙しんだこっちは!
え、えっと、こっちは、バスセンターだから、あれ?なんで琴似よ?
父:役人さん
役人:うるさい!え?あいの里?なまら迷ってる?
父:役人さん
役人:なんだ!え?ミスドなんてねーぞ
父:喉が乾いたんですが。
役人:我慢しろ
父:役人さんの戦車が故障して朝から歩きづくめです。
役人さんはご自分の水筒を持ってごぜえましょう?
だどもわてら百姓、搾取搾取も良いところ、残るは脂肪と肉ばかり、おてんと様でもわかるめぇ。
役人:いつから百姓になった!
「脂肪と肉」残るならオッケーだろ!「骨と皮」残せよ!
父:後生でごぜぇますだ後生でごぜぇますだ
役人:ええいはなせ!
父:後生でごぜぇますだますだ
役人:ますだますだうるさい!
父:後生でごぜぇますだおかだ
役人:死ねぇーーー!(もう銃)

通行人1:うわ、まじのど乾いた。あ、水筒
役人:え?
通行人1:ちょ、一口、一口
役人:なに?
通行人1:一口一口
役人:ぶ、無礼もの!
父:あ、ひとくちひとくち
通行人1:一口一口
役人:うるさい!
通行人2:寄付して?
役人:ええ?
通行人2:寄付して、寄付
役人:増えるな!
通行人1:一口
父:ひとくち
通行人2:寄付して
役人:うるさい!!(撃つ。パン)(火薬の奴が良いです)
通行人2:あ。(きゅう)
父:あわわわ
役人:なめるな。第4種国家公務員だぞ?わかったな?
通行人1:お、、、お、、俺じゃないよねぇ?!
役人:え?
通行人1:俺じゃないよねぇ?俺じゃないよねぇ?
役人:、、、おまえじゃないな。
通行人1:いえーーい!俺じゃなっいい!(帰ろう)
役人:(パン)
通行人1:あ(きゅう)
役人:むかつくんだよ!
ぜってー自分じゃねーのわかってるくせに「俺じゃないよねぇ俺じゃないよねぇ」って騒ぐだけ騒いで
父:「江田君のせいじゃないって」って聞いたとたん
役人:「いえーーい!俺じゃなっいい!」って遊びに行く小学生が!!(パン)
父:、、でも
役人:、、昔の自分思い出すようで!(パン)
通行人2:うわ、またやったー。(起きる)俺じゃないよねぇ?
役人:違う!
通行人2:いえい!俺じゃなっいい!!(ハケ)
役人:待て!(構え)連れてけっ
通行人2:(え?知らない知らない)
役人:知らん奴でも連れてけっ!ほら!
通行人2:(しぶしぶ)
役人:早く!
通行人2:(ちょいちょい、行けってさ)
通行人1:(え?まじで?へいへい。よっこらしょ)
役人:どーせ物語に関係ねぇんだろおめーら
通行人達:(にこっ)
役人:かわいくねぇ!早くいけ!まったく。ちゃんとやれよ畜生。
父:お役人さんお役人さん。
役人:なんだよ
父:ここじゃないですかね?
役人:あ?
父:鉄人街
役人:馬鹿やろう一歩も歩いてないだろが
父:もしそこにある看板に「ようこそ鉄人街へ」って書いてあったら「ばいん」ってやってくれます?
役人:なんだよそれ!あ?ばいん?いいよ別に。どこの看板よ?
父:ほら、さんっはい
役人父:「ようこそ鉄人街へ」
父:いえい
役人:ばいん。、、、くそ

(場転、鉄人街)

女:ふざけんな!ばかやろー!この祖チン!(何か物を投げる)

(鉄人街には、「クズ鉄?」のような物がゴロゴロ落ちております。見た目固い)

あーむかつく。1本で1本ってどゆことよ?1本で3本だろー?
「ごみゃん、昨日使いすぎたー」ばーか!やりすぎなんだよタコスケ!
2度と相手にしてやんねー!
子供:、、。(見てる)
女:何見てんだよガキ。
子供:見てねーよ。
女:見てんだろがよ。
子供:見てねーよ。
女:見てんだろがよ。
子供:ブース
女:あ。
子供:デーブ
女:あ。
子供:ちーび
女:てめえに言われたくねぇよ!(かかってく)
子供:うえーんさみしーよー
女:あ。
子供:うえーんさみーんだよー
女:どうしたの?
子供:おかあさんがねっひっく
女:、、おかあさんが?
子供:倒れそうになってねひっく
女:まぁ。
子供:ひっくひっくおぼうさんのね
女:え?
子供:頭で体を支えようとしたらツルーん
女:、、、。
子供:うわっ立ちくらみ。倒れる倒れるー。何かひっかかるものーー(女の胸へ)
女:、、、。
子供:するり。
女:(ピキン)
子供:あれ?おっかしいなー、ひっかっかりがない。
女:(ギロリ)
子供:わー(逃げる)
女:刃物をおよこし!だれぞ刃物をおよこし!

(と、そこへたまたま通りかかった男のツルハシをひったくりはける)

男:?、ええ?!
女(声):着やせするんじゃー!ぼんきゅっばーん!!着やせをするんじゃー!ぼんきゅっどどーん!
男:、、、へぇ。
(通りすぎようとする)
女2:お兄さん。
男:え?
女2:お兄さん今帰り?
男:あ、まぁ。
女2:よってく?
男:え?
女2:5本で。どう?
男:5本?
女2:じゃ4本。
男:4?
女2:4。
男:よん、、、。
女2:何、4本じゃ不服?
男:あのー。
女2:え?
男:何が?
女2:何がってあたしが。
男:あなたが?
女2:そう。あたしが。
男:何を?
女2:は?
男:何を4本?
女2:あんたバカ?脳味噌いかれてんの?
男:え?
女2:ははーん。
男:は?
女2:ははんははーん。
男:え?
女2:ぽぽーん
男:あれ?ぽ?あれ?
女2:あっちか。
男:あっち?
女2:あっちの方か。あれ系か。
男:あれ系?
女2:男でぇあって男でないポンポンポン、女と合ってヤル気がないポンポンポン
それが何かと聞かれたら、
男:はい?!
女2:おすぎーおすぎーおすぎーぴーこお
男:なんですかそれ?!
女2:心配すんなって!心配しちゃまーめ・
男:まめ?
女2:あんたラッキーだよー?ココの人口上限あるからさぁ、
なかなかそっち系って二人揃う事無いじゃんねー
男:何を言ってるんですか
女2:あせっちゃまーめ・今呼ぶからぁ・呼んであげうかだー・ミュージック!・(曲/色・ムーディ)
男:誰を?何これ?何この曲!
女2:キャメルちゃん?キャメルちゃん?(ミュージカルノリで)
男:キャメル?え?らくだ?
女2:キャメルちゃーーーーん!

(曲上がりキャメルダンス。キャメルダンサーズ2人+女2)
(キャメル登場)

男:おまえーーーー?!!
キャ:(無言のまま男の手を引っ張り連れて行こうとする)
男:何?何何何?やめてちょっと!
キャ:(やっぱ連れて行こうとする)
男:そういう趣味ないですから!
キャ:(なぐる)(SEボカリ)
男:うー(気絶)
キャ:(らち)(退場)(曲消え)

(照明、夕暮れ。SEカラス)

女2:男になってんさーい・あ、違うか。
今日は稼ぎ無しか?いやいや、まだまだ夕方、これから見つけりゃ、(一歩)

(照明、一気に夜になる。SEふくろう)

残念!一足遅かった。
もう夜だもんなー。
ま、まだ残ってるから、いっか。
(光り、女に集まる)
(ポケットから、緑の発光体を取り出し、ゆっくりと口の中に入れる)(ふりでもよい)
(それに合わせて光変化する)
(立ったまま、目をつぶる女。聞えてくる曲)
(女を中心に広がる世界。照明、じわじわと変化しながら広がって行く)
(舞台後方に人影、女2のこの場所に来る前の思い出)

人影:(手をふりなながら)さちこーーーー!!
女2:え?(目はまだつぶっている)、、、誰?私を呼ぶのは、誰?
人影:さちこーーーーーー!!(人影は見えない)
女2:、、この声、、、
人影:さちーーー!!
女2:、、この声!、、たしか、、たしか!
人影:さっちゃーーん!
女2:思い出せそう!この声は!この声はたしか!(曲切れ)
人影:あけみーーーー!
女2:え?
人影:まりこーーーー!
女2:え?
人影:ちよこーーー!じゅんこーーー!ひろみーーー!メルロースーーー!
女2:メルローす?!
人影:なんでもいーやーーー
女2:ちょっとおお!(曲再び)
人影:誰でもいーーやーーーー
女2:よくないから!ちょっとそこの遠くの人影!
人影:あははははは、あははははは
女2:笑ってないでちょっとおお!(曲上がっていく)(女2追っていく)
人影:(自作の歌でも歌いながらはけ)
女2:歌うなぁーー!

(曲下がり)

役人:えーと、おまえの家はぁ、ん?
父:どしたんです?
役人:あれ。
父:え?

女(声):(さっきの)ぼんきゅっぼーーん!待てガキーー!
子供:(逃げてくる)ガキじゃないねー!来週には誕生日だもんねー!
女:知ったこっちゃねーよ!まて!
子供:大人の仲間入りだもんねー!

男:やめて!やめて!(ズボン半脱ぎ)
キャ:やめられないとまらない
男:勘違い!勘違い!
キャ:カルビーの、かるびーノ。
男:壊れてる!壊れてるレコード

女2:どーんどっちょずろんっちゃっちゃ♪とか
役人父:え?
女2:ずーんろんぱびりんばん♪とか
役人父:ええ?
女2:歌わないでよ!おまちなさーい!

女:このガキャ!
子供:だからあ!
男:キャーーー(キスすんぜん)
ロボット:(ラップをしながら)ずんちずんずんち
役人:なんだ、、、
ロボット:(キャメルちゃんをなぐり)
警告!
キャ:?
ロボット:「片思い」(びしっ)
役人:、、、なんだココは、、、
子供:来週12歳になるんだって!(鼻高だか)
父:え
子供:もう大人だもんねぇぇぇ
役人父:!
ロボット:ハイっずんちずんずんっちずんちずんずんっち

(曲上がりの中、役人以外は、はちゃめちゃに動きまわる。)
(父、役人のそばを離れ周りを見に行く)
(役人に集まる光)
(呆然と周りを見ている役人。明らかな嫌悪感)
(自分の服を見る)(曲、突然消え、役人のみポツリを浮かぶ)
(客を見て、セリフ)

役人:本当は役人になんてなりたく無かった。
でも安全な生活、安定した将来を考えると、国家公務員になるしか道は無い。
第1種国家公務員になるためには、僕の頭脳は足りなかった。
第2種国家公務員になるには、体力が、第3種のためには精神力が足りなかった。
軍人には絶対になりたくなかったから、結局第4種を受けた。
適正検査と簡単な筆記問題をやって、案外あっさりと受かった。
僕はラッキーな方だ。この仕事だってきっと、、

(明転、子供と父が並んでいる)
父:♪あったーらしいパーパが来たっ
子供:パパだ・(合いの手)
父:きーぼーうのパーパーだ♪
子供:パパだ・(合いの手)
父:よーろこーびに胸をふーんふふ
子供:(殺意)考えとけよ!
父:、、、あーおぞーら、、ふんふんふー
子供:ぼこぼこにすんぞ?!
父:、、、まーりおーのこーえにーー
役人:なんで!、、なんでまりおの声が
父:プププププ
子供:せーの、
父子:やーっと突っ込んだっ☆(キメ)
役人:、、、、。どうやら、相性もバツグンのようだから。
父子:ププププップオウ
役人:、、、、。、、じゃあぼくは、いや、我が輩は、いくである。
父:お気をつけて
役人:と言いたい所だが。
子:へ?
役人:戦車が直るまではこの街に留まるので、何かあったら、ここの出張所まで来て。いや。来いよな。
父子:、、、へえーーーー(10へい)
役人:関心する事はひとつも言ってない!そんな使い方はおかしい!、、、わかったな。
父:がってん。
役人:え?
父子:がってんがってんがってんがってん
役人:似てるけど!

ロボ(声:どっちがパクったなんて、どーでもいいじゃないですかああ。
役人:え?
ロボ:ずんちずんずんっちずんちずんずんっち。ずん。
ずんちずんずんっちずんちずんずんっち。ずん。ずんずん。
役人:なんだこれ。
ロボ:今日は。
役人:しゃべったよ。
子供:採掘用ロボットです。
ロボ:今日は。採掘用ロボットです。
役人:うん聞いた。
父:え?
役人:来いとけよ!
子供:採掘用ロボット兼価版、ユニバーサルエディションです。
役人:なに?
ロボ:採掘用ロボット兼価版、ユニクロ大好きです。
役人:そんな事は聞いてない!なんなんだオマエは
ロボ:え?わたし?
役人:なんだおまえは。
ロボ:だからロボットっつってんじゃん。バカ?こいつ
役人:(銃)ぶち壊す。
父:え?
役人:聞けよ!人の話しをさぁ。輪に入ろうとしろよ!例え自分には関係のない話題でもさあ!
父:(首かしげ。わかんない)
役人:わかるだろ!
父:(涙)
役人:泣くな!
父:(笑う)
役人:笑うな!
ロボ:理解不能理解不能。
役人:突然機械みたくなるな!俺の突っ込みが理解不能みたいだろが!
子供:ストップ。
ロボ:ガチャ
役人:え?
子供:巻きもどし。
ロボ:キャルキャルキャルキャル
役人:何してる?
(SE『俺の突っ込みが理解不能みたいだろが!』)
役人:録音するな!恥ずかしい!
子供:再生。
ロボ:がちゃ
(SE『もっと突っ込み練習しないとって、、思うよマジで』)
役人:ハッ俺の心の声までも録音するとはきさまっってバカ!
いつの会話だこれ!なんだこれ!やめろ!聞いとけおまえはあ!(父にキック)
子供:(拍手)上手上手
ロボ:(拍手)面白い面白い
役人:拍手やめろ!(行こう)
子供ロボ:の割には。
役人:なんの?!なんの割には?!気になる!
父:色白でちび。
役人:きいてたのね~~~!きいてたのね~~~!
(子供、無言で再生ボタンを押す)
ロボ:きいてたのね~~
役人:やめろ!、、、ぼくはもう
ロボ:きいてたn
役人:やめろっ!、、、、、もう行く。これ以上は無理だ。(敬礼)
子供:おい役人
役人:おいってゆーな。敬意を払え。
ロボ:つっこみの方
役人:そんな方はいない。どんな敬意を払ったんだ貴様
父:うちのボケがいつもお世話になって(ロボ子供、礼)
役人:(無視)、、出張所はどこだ。
子供ロボ:こっち(と別々の方を差す)
役人:、、、おい。
父:はい
役人:おまえ父親だろ。
父:はい
役人:おまえ突っ込め
父:やです。
役人:即答か!
ロボ:きゅぽーんきゅぽーんきゅぽーん(動き回る)
役人:なんだ今度は。
子供:きたきたきたきた!
役人:だからなんだ!
ロボ:きゅぽーんきゅぽーんきゅぽーん(動き回る)
役人:ぶち壊すぞこのポンコツ!(銃)
ロボ:おやめになった方がよろしくてよ?
役人:ムカつくなこの野郎!
ロボ:ホログラム受信、現像ばびょん!
(偉い人ホログラム登場)(SEばびょん、色変わる)(曲)
偉い人:おやめになった方がよろしくてよ?
役人:なんだこれ?
父:ホログラムです。
ロボ:そのとおり。これは中央政府より送られたホログラム映像です。
役人:なぬ?
偉い人:そのとおり。これは中央政府より送られたホログラム映像です。
父:国内の採掘用ロボには政府の勅令命令の類いを受信する機能がついてごぜぇますだ
役人:だからなぜ百姓!
ロボ:お役目ご苦労。戦車の件は災難であった。
役人:はっ(敬礼)
偉い人:お役目ご苦労。戦車の件は災難であった。
役人:あ、はっ(敬礼)
ロボ:確認のため、公務員IDと所属、指名を述べよ。
役人:第4種国家公務員、ID11121、モデル地区管理部所属、浦辺ナボコフであります!
偉い人:確認のため、公務員IDと所属、指名を述べよ。
役人:え?あ、第4種国家公務員、ID11121、モデル地区管理部所属、浦辺ナボコフであります。
ロボ:疲れたか?
役人:はい。少々疲れ(ましたが)
偉い人:疲れたか?
役人:?少々疲れましたが
ロボ:ゆっくり休め
役人:あ、ありがたき(幸せ)(踊っていただけますかのポーズ)
偉い人:ゆっくり休め
役人:あ、ありがたき、、し、幸せ(踊っていただけますかのポーズ)
ロボ:むう。
偉い人:むう。
役人:やっぱちょっとすいません!(曲消え。明転)
ロボ:なんだ?
偉い人:なんだ?
役人:(ロボットをなぐる)
なんでおまえ先にしゃべってんだよ。普通逆だろ?あっちから電波来てんならおまえ後だろ?
ロボ:、、、、。(頭を押さえてうらめしげ)
役人:何その態度。考えろよちょっとはさぁ。あの人せっかく登場したのに可愛そうだろ。
あの人がホログラムである意味ねぇだろが。おまえ先にしゃべっちゃったら。
ロボ:痛いんですけど。
子供:あやまんな?!
役人:しらねぇよ
偉い人:痛いんですけど。
子供:あやまんな?!
役人:しらなかったす!自分しらなかったっす!すんませんしたぁ!
父:ちょっと失礼。(ロボットを見る)
あー、受信用コンジットとホロバリアベース音声機能がイカれて見事にゲッツチャカカーンしてますね
子供:おお!ザッツエンジニア!
役人:ゲッツチャカカーンの意味を教えろ。
父:ゲッツ、(くるり)チャカカーン(キメ)
4人:ゲッツ、(くるり)チャカカーン(キメ)?
父:はい。
役人:いいから直せ。
父:はい。子供。ラジオペンチとはんだごてある?
子供:おう!(すたたたた)(ぴた)父親!
父:なんだい子供!
子供:ゲッツ
父子:(くるり)チャカカーン(キメ)
役人:早く行け!
子供:げっつ!げっつ!(走りはけ)げっつ!(嬉しそう)
役人:へー、おまえエンジニアだったん?
父:さぁ。(直しながら)
役人:え?
父:覚えてませんけど。
役人:、、覚えてない?
父:はい。
男:(スボン下がり登場)あぶねー!!
たまたま少林寺ケンポウの基本技、柔法のうちの龍王拳
つまり北少林寺各派に伝えられる把式や拿法の中から抜き、はずし逃れる技のみ取り出し、
抜手法を中心に攻防の技術を組み合わせ再編したものを知ってたからすんでの所で逃れられた!
どおお!!なんでそったらことしってんだ俺ーー!!!!(ハケ)
役人:なんだ?
父:さあ。
子供:父親ー!
父:おう子供ー!
子供:こいつすっげえ居にくそう!
偉い人:、、、。、、、。(偉い人、ずっと居た)
役人:切れ!ホログラムを切ってさしあげろ!あの人偉いんだぞ!たぶんすごく!
父:はい。じゃ、オフ
ロボ:ホログラム通信機能オフ。
偉い人:、、、。、、、。(帰る)
(歩いてハケる)(見送る4人)
子供:あーあ。
ロボ:登場は良かったのに。
父:どーにかちゃんとハケようと必死だ。
役人:言うな。
子供:直る?父親。
父:わからない。この内臓コンジットから電圧が来てるかどーかによって損傷度合が大きく変わってくるから、
早くて1日、遅くて3日ってとこかな。でもまーホログラム機能以外は使えるから普段は支障ないよ。
って事も覚えて無いからわからない。
役人:バッチリじゃねーか。ほんとに覚えてないのかおまえ
父:それが全然。
役人:なんだよ。他にないのか本部と連絡取れるもんは。
ロボ:連絡?
役人:電話とか。
子供:デ・ン・ワ、、?
ロボ子供:そったらもん見た事ねぇ。
役人:なんでロボットが居て電話がねんだよ!
(SE『俺の突っ込みが理解不能みたいだろが!』)
関係ねぇえええええ!!!まともに話せる奴いねえのか!
父:え?
役人:聞けよおまえ!
男:相手の力を利用するそれが柔術だ!なんでそったら事知ってんだおれーーー!
役人:だいたい知ってんだろそんな事!
男:覚えてねーー!
役人:ズボンはけーーー!
ロボ:くるっぽうくるっぽう(以下続く)(走りまわる)
役人:なんだ今度は!
子供:あ、真夜中だ!(走りまわる)
女:この粗チン!
役人:えええ?!
ロボ:くるっぽうくるっぽう
子供:子供は寝ろーーー!!(走りまわる)
女:小指の先!
役人:何言ってんだ女!
女:それも5歳児の小指!
役人:なんてちっさいんだ!
子供:子供は寝ろーーー!!(走りまわる)
役人:訂正しろ!
女:あ!人違い!わるかったって!(怒)
役人:謝ってねーーー!!
女:おいこのチンカス野郎!
役人:このやろ!
女:(頭をガッと掴む)
子供ロボ:大人の時間やぞおおおおお!
(女、ぐいと引き寄せ、唇をうばわんとす。な形に)
(曲、カサブランカっぽい。いや、ランバダか)(照明、情熱的な)
役人:きゃーーーーー!!
(バラを加えた女2人、舞台に登場。)
(一人は父親を、一人は男を)
(3組、情熱のダンス)
(ロボと子供、それを見ながら一緒に遊んでる)(曲下がり)

ロボ:子供ももうすぐ誕生日ですな
子供:俺も大人ですな。
ロボ:そしたらお仕事ですな。
子供:俺も大人ですからな。
ロボ:お仕事がんばんさいな
子供:来週の木曜日、誕生日が来る。
ロボ:ここの決まり。父親に仕事を教えて貰う。(曲上がり子供に光)
(子供、かぶってた帽子を取る)
(帽子の中から現われる、女の髪)
(楽しそうにロボと子供、舞台中央をヒラヒラ。)
(キャメル登場。黒スーツにバラ。)
(くるくると回りながら役人をらち)
役人:あーーーれーーーー
(面白がってついてくロボと子供)
女:キャメルこらあああ!(またしても『鉄クズ?』を投げながら追う女)
(曲突然切れ)
女23:おらあ!
父男:ぎゃふん!
女23:どゆことよ?!
父男:ひいい!
女23:持ってねぇってどゆことよ?!
父男:持ってないと言うのは持っていないという意味で
女23:飛んでみろ。
父男:え?
女23:飛んでみろって。
父男:はい。ちゃりーんちゃりーんちゃりーん
女23:持ってんじゃねーか!
父男:でも、あのー。これだけ。
女23:あ?何これ。
父男:お金。
女23:(相手を起こし、ロープになげる)おら!
父男:どおお!(二人、ぶつかるかと思いきや、素敵な格好に)
女2:覚えときな。
女23:ここじゃねぇ、そんなもんなんの価値もないから。
父男:え?
女23:がーーーーっぺ。(退場)
(SEピーチクパーチクピーチクパーチク)(朝の光)
男:、、、。
父:、、、。
男:離れましょうか?
父:賛成です。(二人、素敵な格好をやめる)
(二人、身繕い)
男:さ、かかってきなさい。
父:え?
男:さ、思う存分かかってきなさい。
父:何言ってるんですかあなたは
男:何はともあれ、何はともあれかかってきなさい。
父:なんで言い直したんです
男:さ、かかってきんしゃい
父:しゃい?
男:そんな気分です。
父:あ、冗談ですかぁ、びっくりするじゃないですかあまりにもわかりにくくて
男:こないなら。
父:え?
男:こちらから行きますよ!(かかって行く)
父:ああ!週間少年ジャンプのノリでかかってきた!
男:あたあ!(曲ブルースリー)
父:あぶなあ!(避ける)
男:北少林寺各派に伝えられた剛法を主体とする徒手格闘の中から
上段攻防を主とする法形を集めて集成した仁王拳!
父:なぜブルースリー?
男:相手が右上段突をかけてきたとき、
これを右手の半月受で受けて、直ちに右足の蹴りで反撃する技すなわち!半月蹴!
父:やめてくださいよ!
男:さ。さっ。さっ(右上段突を要求)。
父:え?
男:さっ、ほら、さっ(曲消えて行く)ほらぁ(曲消えたじゃん)
父:ええ?
男:相手が右上段突きをかけてこないと、半月蹴できませんから。
父:少林寺拳法ですか?
男:ええ。
父:やってらっしゃるんですか?
男:いえ。
父:あ、やってらしたと。
男:いや、そんな記憶はない。
父:は?
男:なんですったら事知ってんだべ俺!(頭を抱える)
父:大丈夫ですかアナタ?!
男:わがらねぇえぐわがらねぇ!(転がる)
父:どこのなまりだそりゃ。ちょっとあなた落ち着いて。
男:落ち着けるもんかね!落ち着けるもんかね!(落ち着かない)
父:こんな時、
マイクロウェーブを放射出来るそこそこにリーズナブルな
携帯用リラクゼーションシステムがあればこの人を落ち着かせる事はたやすいのに
なんですったら事知ってんだべ俺!(頭を抱える)
父男:わがらねぇえぐわがらねぇ!(転がる)えぐ!えぐ!えぐえぐ!
ロボ:あ!新参者の2人が自分の記憶が無い事に気付いて苦悩してるよ!
子供:ほんとだ!新参者の2人が自分の記憶が無い事に気付いて苦悩してる!
父男:え?
ロボ子供:あははははは。あはははははは(くるくると退場)
父:記憶が、、
男:無い
父:一番古い記憶は、、
男:、、記憶は、
父:、、トラック
男:トラックだ!
父:トラックの荷台に
男:食料の入ったダンボールと緑の缶詰に囲まれて!
父:まるで荷物のように運ばれて来た!
父男:俺たちは。鉄人街へ運ばれた。まるで荷物のように。
ロボ:あ!新参者の2人が声を揃えてずいぶんと演劇的に倒置法を駆使しているよ!
子供:ほんとだ!新参者の2人が声を揃えてずいぶんと演劇的に倒置法を駆使している!
父男:うるさいぞ!
子供:父親父親っ
男:父親?
父:ええ。父親代わりだそうで。
ロボ:名前は?
父:名前?
ロボ:名前は覚えてるはずですよ。
父:私は、、、
子供:おう。
父:ハンバート、、ハンバート
男:え?
父:ハンバート・ハンバート
子供:ハンバート・ハンバート
男:2回?
父:ハンバート・ハンバートだ。
(いつの間にか曲)(光、ロボットに集まる)
ロボ:子供には12歳まで名前がない。
だから、12歳になる時の父親が、その子に名前を付ける。
(違う場所に役人)
役人:名前?
ロボ:彼が付けた名前は、
父:ドロリス、、
役人:え?
(光、父)
父:ドロリス・ヘイズ
役人:ドロリス?、、女の子だったのか
ロボ:ドロリス。ニックネームは、
役人:ニックネームは
(光、全体に広がる。不思議な色々な光)
子供:?
父:ロリータ。
(曲上がり、突然役人、頭に来て父に殴りかかる、殴られまくる父)
(名前が付いた事が嬉しくて、子供はスキップでくるくる)
(冷静なロボ、子供に手を差しだし。二人退場)
(はっとして止めにかかる男。二人、どうにか引き剥がされる。)
(役人、立ち上がり、銃を構える。SEカキーンカキーンカキーンカキーン以下続く)
(舞台奥に男の影。『仕事』を始める)
(父、男、その音に誘われるかのように、ふらりとその場を後にする)
(銃を構えたまま、残される、男)
(SEと曲クロスフェードし、SEのみとなる、それに合わせ、サスに男)
役人:銃?!(SE消え)
偉い人:使った事は?
役人:ありません!
偉い人:玉を込めて引き金を引く、それだけ。それだけで人が死んだり死ななかったり。
役人:ですが私は公務員です。軍人ではありません!
偉い人:第4種。
役人:え?
偉い人:第4種国家公務員。まさか、戸籍だの結婚届けだのを扱えるだなんて思ってないだろ?
1種、2種、3種のどれにもふさわしくない仕事を、我々第4種国家公務員が受け持つ。
役人:ですが、これは
偉い人:人間じゃない。
役人:え?
偉い人:君も行けばわかるよ。あれはもう人間じゃない。
役人:、、。
偉い人:エピキュリアンってのを知ってるか?
役人:いえ。
偉い人:ま、行けばわかるんだ。どの道。これにて引き継ぎ終了。
浦辺ナボコフ、本日より、モデル地区管理を命ずる。敬礼!
役人:(敬礼)第4種国家公務員、ID11121、浦辺ナボコフ!
慎んで、お受けいたします!
(再びSE)
、、、僕はラッキーな男だ。
今までだって。当たり触りなく、うまいぐわいに人生を切り抜けてきた、ラッキーな男だ。
だから、、、、、、。、、、、この、、耳触りな音はなんだ。
(SE上がり、暗転)
(暗の中、女場付き。緑の発光体を出す)
(光、女を照らす。緑の発光体を飲みこむ)

(SEカキーン、足音カツーンに変わる)
(ガコン)(舞台、牢屋。平田シャルロットの過去。女=松岡シャルロット)
看守:囚人番号9434、松岡シャルロット、出ろ。
女:(ガム)もう25年経った?
看守:ついて来い
女:やだ。
看守:(平手)
女:顔ぶたないで。あたし女優なんだかだ・
あれ?じょーだんよ、じょーだん。優しくつっこんでけれだよ・
看守:ついて来い(歩き出す)
女:あら男らしい。よく見ると女なのに・もしかして、おはぎ?
看守:おすぎ!
女:おすぎ!?
看守:違う!少しは黙れ!
女:おーこわ、おーこわ・なーにピリピリしちゃって・最近男とやってないの・
看守:少しはだまれ
女:(キレる)やってんのかやってねぇのか聞いてんだよ!!
看守:(殴りつけようとする)
女:(腕をとる)看守風情がいい気になっちゃって・あたしがココ出たらあんた覚悟した方いいよ?
あんたの顔絶対忘れないから・
看守:放せ。
女:「放してください」でしょー?
看守:は、放して、、くそっ
女:なーに?屈辱?そーだよねー、普通逆だもんねー・囚人に頭下げる看守なんてそーいないよねー・
監長:放してくださいこのとおりです(土下座)(明転)
女:居た!
看守:それも館長!!
女:しかも土下座。監長さんプライドとかは?
監長:その女看守を口説き落とす事に命かけてます。妻子ある身ながら。
看守:え?
監長:御願いします(土下座)この事をきっかけに恋心が芽生えるなら。
看守:芽生えません!
監長:御願いします(土下座)土下座一回につき一発やれる計算だとしたら。
看守:そんな計算ありません!
監長:なあ、みんな?
みんな:(ぞろぞろ)
看守女:え?え?
監長:御願いします(土下座)
みんな:御願いします(土下座)
監長:御願いします(土下座)
みんな:御願いします(土下座)
女:あんたら関係ないでしょ!違う役やりたいなら、衣装変えて出て来い!
監長:おれ血ぃでちゃったよぉ・
みんな:体はりすぎー・
監長:画鋲ささってたよぉ・
みんな:命かけすぎー・
監長:全然ぬけねぇー・
みんな:(各自外人爆笑)
看守女:黙れ~~~!!
女:帰って?
みんな:?
女:帰ってって。
監長:あの人もあーゆってる事だ、ひとつ私の顔に免じてひとつココはひとつ。
女:ひとつ多いよ
みんな:(雑談しながら帰る)
女:あ、静かに帰って?!うるさいから。
監長:じゃ、お芝居の続きしますか
看守:じゃ、(離れてた腕を差し出す)
女:え?そこから?
監長:やらしてください(土下座)
女:このスケベじじい!
監長:なぁみんなあ!
みんな:(だばーーーっといけるとこまで)
女:いやいやいやいや、いや、(手近な奴を殴る)(パン)
殴られ:いて。
女:もうめんどくさいから。めんどくさくさだから。
殴られ:くさくさ(めんどくさくさについて一言)
女:(殴る)
殴られ:いて
女:しゃべんないで。コメントとかいらないから。口開かないで。口臭いから。そんな意味でもくさくさ。
(殴る)だからしゃべんないで。みんなも。2度と出て来ないで?ごめんね。
みんな:(なんだよーとか)
女:静かに帰って?ちゃんとやりたい方だから。ごめんね。
じゃ、君から。行くよ?せーの、
監長:え?あの、どこですか?
女:わかんないの?続き?
監長:あ、え?あの
女:わかんないの?わかるよねぇ?
看守:わかります
監長:え?
女:じゃ、せーの、ハイ(パン)
監長:あ、すんません
女:ほら、ハイ(パン)
監長:何ページ、、
女:知らない、ハイ(パン)
看守:14、14っ
監長:よ?よん、、
女:すぐすぐすぐやる(パン)
監長:ほ、ほら言った通りじゃねえか雲ひとつねぇ青空だぜ。こりゃあいいモチがつけそうだ。
おいおまえ杵持って来い
看守:はいおまえさんっ
監長:♪俺がこねたらおまえがついてっ
看守:へいや!
監長:あいや!
看守:へいや!
監長:あいや!
女:違う!
監看:!!
女:そんなシーンない
監看:あ。
女:時間あげるから。ちゃんと確認して。準備出来たら言って?
監長:すいません。グス
女:あーのど乾いた。
下っ端:お茶どーぞ
女:あら、新しい子?
下っ端:はい
女:名前は?
下っ端:霧が峰冷え臓です。
女:覚えとくわ。
下っ端:光栄です!
女:熱い!ばしゃ!
下っ端:あつっあつっあつうい!しぶーい(ハケ)
女:まだなの?!
監長:やれます!
女:ほんとに?
監看:はい!
女:シーン31カット2『松岡シャルロットの過去』よーい、
監長:(女を殴る)(光戻り、曲)
看守:囚人番号9434松岡シャルロット懲役25年です。
監長:殺人。売春、覚醒剤、麻薬不法所持、暴行、恐喝。数えあげたら切りがない。
女:お肌には気ぃ使ってっからぁ、さっさと戻って寝たいんですけど。
看守:ここ出る頃にはもうしわくちゃ。
女:あんたよりまし。
看守:(殴る)ひどい顔にしたげよーか?
女:はっ(鼻で笑う音)
監長:出たい?
女:?
監長:出たいでしょ?そりゃ出たいよねぇ?
女:わかってんなら聞くんじゃねーよ
監長:出ていいよ。
女:、、え?
監長:釈放。
看守:(文書)囚人番号9434松岡シャルロットを本日づけで釈放。
16時PMより準備施設へ移送。ここにサインしろ。
女:ほんとに。
監長:これがうそを付いてる顔に見えるか?(監長看守、へんな顔)
女:見える!あんたらの暇つぶしにつきあうほど気長くないんだよ!
看守:条件がある。
女:え?
監長:よく読め。
女:、、、!、、、(わなわな)
監長:わかったようだな
女:(わなわな)「氏名と捺印、無い場合は拇印も可」
監看:そこじゃない!!!
女:「フリガナ」
監看:ちがうちがう!
女:!、、手術?、、手術施行の後、出所。
監長:どうする?
看守:どうする?
監看:どうする?
女:これって
監看:♪どおするどおするっどっおおする~君なら
女:考えさせろよ!(地面に座り、考える)
監看:。。
女:(サインをしようとする)
監長:あのな
女:え?
監長:ぐーーー。(光、突然変わる)
女:あれ?(光りが)
看守:あらやだ監長ったら話してる途中でねちゃっ(すやすや)(天使のように)
女:え?
監長:はっマイクロスリープをしてしまっ(ばたーん)
女:おう?!ちょっと!真面目にやんなさい!
監長:(寝言)男の人が車をバックさせる時のポーズ
女:は?
看守:(寝言)おいおまえさわんなやって感じのアレ
女:ちょっと!
監長:(寝言)デパートのエスカレーターがガラスで出来てりゃなー!
女:え?何?
看守:(寝言)パンチラ見てぇーーー!!
女:あんたも?!正気?!
役人:だいじょぶ?
女:ちょっと!
役人:俺行くよ?
女:狂ってんじゃないのあんたら?!
役人:おい!
女:(正気に戻る)、、あ。(明転)(女の家。売春宿)
役人:、、、だいじょぶかあんた
女:あ、まだいたんだ。
役人:もう行くよ。でもだいじょぶか?
女:いいから早く行けって。(緑の缶を探し始める)
役人:さっきの。
女:何。(探し続ける)
役人:緑の。光る、、。
女:が、何。
役人:ドラッグ?
女:あ、あんた持ってない?役人だもんねぇ!いっぱい持ってるんでしょ?
だって、あれ届けるのが仕事だもんねぇ?
役人:(ポッケ)これ?(缶)
女:それ!(ひったくる)
役人:!
女:開かないっ。くそっ。(地べたにガンガン叩きつけ始める)
役人:ドラッグ?
女:開かない!(ガン、ガン)なんか持ってない?開ける物!
役人:そんなもん、、(銃)、、これじゃな
女:貸して!(銃で殴りつける)くそっ
役人:あぶね!やめろ!
女:うるさい!忘れちゃう(ガシ)(ガシ)
役人:何言ってんだ?やめろ!危ない!
女:今見た事忘れちゃう!(ガシ)(ガシ)
役人:(とりあげる)正気じゃねーぞ?!(緑の缶も)
女:!!返せよ!
役人:こんなもんやってどーなる?
女:思い出せる気がすんだよ!
役人:え?
女:ココに来る前の事、思い出せる気がするんだよ!それちょうだい!ちょうだいよ!くれよ!
何度でもやらせてやるから!どんな事でもさせてやるから!
役人:だから俺は
女:このインポ野郎!
役人:、、。
女:忘れちゃう、、早く!
役人:何をそんなに思い出したいんだよ
女:わかんない!だけど!思いださなきゃ、、思いだなきゃって!
役人:俺は忘れたい事だらけだ。
女:、、、、あたしは、思い出したいの。、、だから、、
役人:(缶を開ける)(中味をバラバラバラバラ出す)
女:!(拾う)(拾う)(拾う)
監長:おったーまじゃーくしーはかーえるーのこー(以下続ける)
役人:(ズキン)(首の後ろが痛い)
看守:おったまじゃーくしーはかーえるーのこー(ばらばらにうたい続ける)
女:あの、ごめん、、ひどい事言って。インポって、言ってごめんね
役人:(首の後ろが痛い)(首の後ろを押さえる)(痛みが消える)(缶をぽいと与える)
女:!(再び拾い集める)(光、女に集中して行く)(曲インストゥルメンタルのおたまじゃくし)
役人:おったまじゃーくしーはかーえるーのこー(歌いながら売春宿を後にする)

*歌詞:おたまじゃくしは蛙の子、なまずの孫ではありません。
    それがなにより証拠には、やがて手が出る足が出る。

(監長、看守、歌いながら立ち上がり、女に目もくれずハケ。曲上がっていく)
(一人きりの女、拾いあつめ、缶に戻していく)
(最後の一粒を見つめる)
(こんな事が何になるんだろうと考える)
(だけどやっぱり、飲むしかない。飲むしかないと自分に言い聞かせる感じ)
(曲下がり、光舞台奥。別の売春宿の様子に移る)(出来ればベッド)
男:(パンツとシャツ)何この曲
女2:(肩出し)(まーとにかく事後)知らない?
男:ごんべさん?
女2:あー、どっちが替え歌なんだろね。
男:なんでこんな曲が聞えてくんの
女2:土曜の夜には、鉄人街に流れんの。そんでまー、一週間が終ったなーって。
男:なんか意味あんの?
女2:さあ、お偉いさんがおたまじゃくしの歌に決めた事だって前の役人が言ってたよ。
男:ヨドバシカメラにしか聞えねーな
女2:つけとくから。利子含めて5本ね。
男:ああ、緑の。
女2:試す?コレ(発光体)
男:過去に生きるのは好きじゃないね。
女2:こんな場所にどんな未来があんのさ(飲む)
男:あーあ、のんじまった。
女2:女には過去も必要なの。なんつて(寝る)
男:、、、、生きんなら、、、今だろ。今。
女2:かっこいいい。福山まさはるみたい。
男:、、あ
女2:え?
男:なんですったらこと覚えてんだべ。
女2:なまっちゃってる。
男:「エピキュリアン。快楽主義者。快楽こそ我が人生の目的。」
女2:ロッキーの彼女がどーしたって?
男:ラリる前に聞かせろ。
女2:なーにエイドリアン
男:女は全部この仕事か。
女2:ガキんちょ以外は。
男:何人いる
女2:?
男:ここに女は何人いる?
女2:え?
(別の場所。舞台前に子供とロボ、体育座り)
子供:俺、女だったのか。
ロボ:うん。
子供:子供だとばかり
ロボ:いや、それは合ってんだよ。
子供:おまえは?
ロボ:ん?
子供:男?女?
ロボ:ロボット
子供:あー。やるもんだ
ロボ:え?何が?
子供:仕事って何すんの?
ロボ:、、、、、えっとねー
子供:あ、流れ星
ロボ:あ、ほんとだ
子供:洗濯物入れなきゃ
ロボ:いや違う違う
子供:カレー火通しとかなきゃ
ロボ:違う違う
子供:どらえもんの25巻読んで号泣しなきゃ
ロボ:違う違う
子供:過呼吸の人がいたら袋かぶせて落ち着かせなきゃ
ロボ:うん、そうしたらいいと思うけど違うよ。
子供:なんだっけ?
ロボ:願い事。
子供:あー、そうそう。えーと。
ロボ:流れてる間でないと。
子供:そっかそっか。
ロボ:寝るべか。
子供:おう。
ロボ:次までに考えればいいべ?(ハケ)
子供:だな。(ちょっと歩いて、また立ち止まる)
(空を見る)(曲上がる)
(緑の豆球、光り出す)
(子供、願い事決定。嬉しそうにハケる)
(光、再び女の過去へ)

女:、、、、、、、、、、。(地べたに座りこみ)(サインする)
看守:(文書を取り上げ、確認)(曲、消える)
女:、、出れるの?、、ほんとに
看守:この書類があればね。(ヒラヒラ~)
女:?
看守:やぶっちゃおっかなー
女:!
看守:あ、焦ってる?やめて欲しい?
女:てめえ!
看守:殺人、売春、ヤク、、、。
懲役25年。所内の態度も最悪。規則違反は起こす。囚人シキっていい気になってる。
なんであんたみたいな殺人鬼の売春婦が社会に出てく事が許されなくちゃいけないわけ?(ちょっとピリピリ)
女:やめて!
看守:土下座しな?ま、土下座した所で、破らないとは限んないけど。
女:、、、、(土下座準備)
看守:どったの?ほらはやく。
女:覚えとくからね
看守:「やぶらないでください」は?
女:やぶらないで、、くだ、、
監長:いけない!(と、看守から文書を奪い、向こうへ)
看守:でも監長!こいつは自分の子供を
監長:(やぶる)
看女:ええええええええ???!!!!
監長:(やぶるやぶるやぶる)(ポッケにしまう)(新しい文書出す)(手品のように)
看守:何がしたいんだあんたあ!
監長:本物はこっちだ
女:どういう意味それ!
監長:わからん。
看守:なんすかそれ!監長お!
監長:これはお国の決定だ。
女看:え?
監長:その女は、選ばれたの。全国でも有数の犯罪者として。
看守:、、(くやしい)
女:よくわからんけど、出れるってことだろ?ざまあみろ!
あ・夜道気ーつけな?あんたの顔、ほんとに絶対忘れないから・
看守:、、ちくしょう!
女:はっはははは。ふあふあっふあっ。ほーっほっほっほっほ。あー、あー、あー。
看守:こんな女出してもいんですか!
監長:安心しろ。覚えてられないから。
女:?え。覚えて、、ない?
監長:手術ってのは、脳味噌の手術だ。
看守女:!!(曲)
(場転、2年前の記者会見。記者団フラッシュを焚いて登場)(看守、監長、記者団に参加)(腕章)
(渦中の人は白衣の教授、ナボコフの父、表川大五郎。ひげと眼鏡)(ダブルキャスト)
記1:今回の発表は日本国憲法第*条、「人権の尊重」に違反する事になりませんか!
表川:本日はみなさんに多数お集りいただきまして誠に感激の極みでございます。がちょん
記2:発表に至るまでの経緯にはもちろんモルモットにされた人間もいると考えてよろしいですか!
表川:私、表川大五郎と申します。以後、お見知りおきのほどを。げばげば
記3:具体的には脳味噌のどの部分にメスをいれる形になるんですか!
表川:大五郎といっても5番目というわけではございません。上に8人兄貴がおります。どびっくり
記4:人間は悪であると考えますか!それとも善であると考えますか!
表川:上から大一郎、小一郎、大二郎、小二郎。えーとどこまで言ったかな
記1:今回の研究費というのは厚生省の予算から出たわけですよねぇ!
表川:大三郎、小三郎、大四郎、こよんろう、そして私が大五郎。いえい
記2:この研究が根本的な問題解決に繋がると考えますか!
表川:♪むーかしーのとーもはーいーまーのー友ー
記3:表川教授っ
表川:♪おれとおまえとっ!
記者団:(ダンダン)(足踏みリズム)
表川:大五郎~~(記者団を割って出てくる)(演歌歌手のように)
記者団:らーら(パシャ)らーららー(パシャ)るーうるーうるー
表川:おれもおまえも!
記者団:(ダンダン)(足踏みリズム)
表川:ちみたつは、何が聞きたいのかね?!
記4:表川大五郎さん!
記1:人間の本質は、
記2:善ですか!
記3:それとも!
表川:(がばぁ!)(そのへんの女をがばっと引き寄せ)
記者団:!!
表川:悪に決まってんだろがぁ!(かっこよく言い放ち)
いやーーー!!!(記者団にダイブ)(曲上がる)
記者団:(どよめきながら胴上げ)(舞台前面に記者5、6)(曲下がり)
記者5:記者会見で突然狂った元東京大学医学部教授、表川大五郎に新たな疑惑が浮上しました。
記者6:表川大五郎は多くの孤児を養護施設から受け入れ、養子にしている事で有名でしたが、
成人して彼のもとから独立した養子たちの口から信じられない証言が明るみに出てきました。
記者5:これを受けて検察庁は一連のモルモット疑惑に加えて、
幼児虐待の疑いがあるとして調査を続けていく方針です。
記者6:また、表川大五郎被告は取り調べに際し
「自分はとてもラッキーな男だ」などとわけのわからない事を口走るため
弁護士団から、精神鑑定の必要性があるとの訴えが起こって、、
(曲上がる)(胴上げ終り)
(センターに歩いてくる表川、白衣とひげと眼鏡を取る。現在。鉄人街)
(浦辺ナボコフに光。浦辺ナボコフ、後頭部を触る)
(そこに古い傷がある事に気付く。古傷を触ったその手を恐る恐る見る)
(もちろん血は出ていない。鉄を打つ音、聞えてくる)
(いつの間にか、彼の後ろには鉄人街の男たちが鉄を打っている)
(不快。逃げたい。やめて欲しい。後頭部を押さえるナボコフ。その場にうずくまる)
(曲下がっていく)(ロボット登場、何か運んでいる様子)(鉄の音、残る)
(*出来れば、男、父、ロボ、の頭に鉱脈発掘用ライト付きメット)
ロボ:おったーまじゃーくしーは、?。おったーまじゃーくしーは、
男:カエル(仕事してる)(男の手に合わせてSE)
ロボ:あ、かーえるーの子ー
父:知っとけロボットー!
ロボ:じゃーのめミシンじゃあーりまーせんー
父:当り前だ、だって生きものだもの!ミシンは機械だもの!
ロボ:ヨードバーシカーメラーじゃあーりまーせんー
父:うーん。わかんないや。こういう場合なんてつっこもうか迷うや。
どう突っ込めばいんですかねぇお役人さん。おお!お役人さん!?
ロボ:どしたの?(うずくまる役人の所へ)おったーまじゃくしーは、あ(忘れた)えっと
役人:カエル
ロボ:あ、かえるーの子ー
父:もう忘れたのか!どうですかねー今のつっこみ。あ、大丈夫ですか?
役人:いや、大丈夫。ちょっと気分がな。
父:はぁ。なら、いんですけど。出張所、戻ってください。ご自分のお仕事とか
役人:ない。
父:変なお役人さんだ。突然人をボコボコにしていなくなったと思ったら、仕事場に来て謝り出すし。
役人:だからどーかしてたんだ。すまん。
父:たいした事ありませんし。おかしいですよ?お役人様が一般市民以下の私らに謝るなんて。
役人:まぁ、そーなんだが。
男:おいロボット。ここに女は何人いる?
ロボ:100人はいますかねー。
父:あ、珍しく答えた。
男:おまえ長いのか?
ロボ:長いね。
父:どのくらい?
ロボ:かなり。
父:かなり?
ロボ:まーねー。あーのど乾いた。今何時?
役人:わかんねーのかロボットのくせに。
ロボ:そろそろ来るはずなんだけどなー飲み物、あーのど乾いた!(イライラ)(父殴る)
父:うわ喉乾いてやつあたりされた。
ロボ:おっそい!(キレ)
男:あ、切れた。
ロボ:あったま来た。見てくる
役人:切れるロボット。
ロボ:まったくこれだから水商売の男ってのは!(ハケ)
役男父:え?水商売?
(水商売な音や曲や色)
役男父:ん?
水:いらっしゃいませ。なんになさいますか?
男:この人?水商売の男って
父:ほんとの水商売の人が来た
役人:なんなんだここは
水:なんになさいますか?
男:俺ビール!
水:かしこまりました
父:私ウーロンハイを。
水:かしこまりました
役人:じゃ、コーラ。
水:申し分けございません。当店ではちょっと。
役人:ないの?じゃ、ウーロン茶
水:申し分けございません。当店ではちょっと。
役人:こいつウーロンハイ頼んだじゃん!
水:当店ではちょっと。
役人:ちっ、、じゃオレンジ
水:当店ではちょっと。
役人:ジュンジャエール
水:当店ではちょっと。
役人:水!
水:当店では
役人:いいよもう、あるもの持ってこいよ!ノンアルコールで!
水:かしこまりました。オーダーお願いします。オールワンです。ビール、ウーハイ、ミー!(ハケ)
役人:なんつったああ!?
男:ミー
父:ミーですって。
役人:ミーってなんだ!?
男:ミックスジュース?
役人:えー?
父:ミリンダ?
役人:えー?
男父:キリンミポリン
役人:殺すぞおまえら。
水:おまたせいたしました。ビールのお客様(男手あげる。置く)ウーロンハイのお客様(父手をあげる。置く)
牛乳のお客様。
役人:ミルクかあああ!!略すなそんなもん!
水:牛乳の方おかわり自由となっております。
男父:おっ・(良かったですね)
役人:いらねぇよ!
水:ごゆっくりどうぞ。(ハケ)
役人:ちくしょー。嫌いなんだよ。飲み物のくせに栄養価の高いやつが。
父:ままま、じゃ、乾杯しますか
男:じゃ、新しい出会いに
役父:新しい出会いに。
(一気)
父男役:くあああ。
父:よっ!(拍手)
役人:(拍手)なんで乾杯のあと拍手すんだろ
男:(拍手)世界一無意味な拍手だな。
水:(トン)おまたせしました
役人:なんだこれ!
水:おかわりでございます。
役人:頼んでねぇよ!
水:当店では一気イコールおかわりとなっております。
役人:知らねーよそんなの!
水:ごゆっくりどうぞ(ハケ)
役人:いらねー。飲む?
父:いや、まだありますから
役人:おまえは?
男:よっぱらひゃってもう。ぐー。(寝た)
役人:早!
父:(にやにや)
役人:楽しんでねーか
父:いえ。
役人:いいよ、ゆっくり飲む。
男:そんなことだとこのシーンいつまでも終らないぞ。ムニャムニャ
父:なーんだ、寝言か。(水商売の人登場)
役人:どこが!わかったよ!むかつく店だ。加藤茶か俺は!いただきます!
水:!!(言った)(ダッシュ)
父:あれ?
役人:はいごちそうさま。見てください。ちょっと残してます。だから一気ではありません。
父:でも。(さっきあの男が走った事について)
役人:でもじゃねーよホラ。見ろ5ミリ分残ってる。な、だから、あれ?
(グラスに注がれる白い液体)何してんだおまえ!やめっやめろ!やめろ!(やめさす)
水:加藤茶ーイコールピッチャーとなっております。(紙パック)
役人:ピッチャーじゃねーだろ!何がちゃーだ!(後ろ手に)
男:ううーーんううーーん(寝相でグラスを渡す)
役人:ばか!何してる!(男、はがいじめ)
父:寝相が悪いんだ。
役人:違う!目あいてる!はなせ!よせ!よせーー!
水:(地べたに置き、とくとくとく、、とく)、、、表面張力。
父男:おおおお(拍手)
役人:ばかーーー!
水:また明日。(ハケ)
役人:くんな!も~~~。稽古含めて何杯飲んでると思ってんだ
父:背、伸びますよ
役人:うるせぇ!
父:さ、お仕事お仕事(ハケ)
男:のみすぎのみすぎ
役人:おめえのビール本物じゃねーだろーな
男:、、、さ、お仕事お仕事!(ハケ)
役人:おいいい!!
ロボ:ああああ!!何?!水商売の人は?!
役人:帰ったよ
ロボ:もー!あー何?飲んだの?うらやまし~~!!2・3杯は軽くのみて~~
役人:なんかムカつくな
ロボ:喉カラカラなのに~~
役人:これやるよ。
ロボ:あー、無理無理。ロボットだもん。
役人:ほんとかこの野郎。
ロボ:また壊れちゃうよ?
役人:あ、そーだ。おまえ直ったなら本部と連絡取れよ
ロボ:出来ない。
役人:え?
ロボ:もともと出来ない。受信しか出来ない。安心だフォンみたいなもん
役人:あんしんだふぉん?
ロボ:ピッチ。ドコモの。
役人:あ、あれか?電話番号3つしか登録できねえ奴?小学生が持つ。
ロボ:そう。あ、そう考えるとあたしよりましか。けど3件しかかけれない電話ってどーよ?
役人:だから安心だフォン知ってんのに電話を知らねぇのかって!
ロボ:理解不能理解不能じばくします。ばくはつします。
役人:わかったわかった。じゃほら、途中で故障した戦車は?連絡は?
ロボ:修理のためにトラックに乗せて引き返しました。
役人:ええ?!それ早くいってよ!なんだよ。
ロボ:たぶん来週また来るよ。
役人:それまでこんな所に居ろっての?本気で?
まじかー。、、、、見ろよこの地下鉱脈。鉄、鉄、鉄ばっか。
ロボ:鉄人街ですから。
役人:街だって何もない。売春宿、売春宿、売春宿。他にやることないのかよ。
ロボ:人間様のやる事は理解不能ですから。
役人:危なく昨日、犯されるとこだったぞ俺。
ロボ:ほう、珍しい。
役人:え?
ロボ:ここに来て女性と関係しない役人さんは初めて見ました。
役人:、、、。
ロボ:?どーかしたの?
役人:おまえロボットだもんな。
ロボ:そーだけど。
役人:言うなよ人に。
ロボ:うん。
役人:やっぱいいや
ロボ:なになにー?
役人:いい。なんでもない
ロボ:なになにー(のどフルフル)
役人:こええよ!
ロボ:、、女性関係のはなしですか?
役人:、、、興味ないんだよ俺。だからって男がいいわけじゃなくて。
今までも何度かやってみようとしたんだけどダメでな。
この年でまだ童貞だよ。笑えるだろ
ロボ:わはっはっはは
役人:笑うな!
ロボ:、、、、、。原因とか。わかってるんですか?
役人:わかってると思う。
ロボ:?
役人:でも、なんか霧がかかってるみたく。
ロボ:人間は都合の悪い事忘れるらしいですからな
役人:、、うん。
ロボ:頭痛も、それと関係ありますか?
役人:たぶん。、、なんか、ココに来てからひどい。
ロボ:気晴しが必要ですなー(子供、コソコソ登場、舞台上の鉄クズ投下準備)
役人:暇つぶしとな。
子供:倒れるぞお!
役人ロボ:え?うそ、まじ?(などなど)
子供:えい(投げる)
役人:何も倒れて来ねーじゃねーか!
ロボ:あ。そーだ。
子供:おう、ロボット!おれと遊べ。万引き?覗き?強盗?ばくち?
役人:全部犯罪だなおい。
子供:まだ終らにーのか仕事
ロボ:終らにー。忙しくてにー終らにー。
役人:おまえ一つも仕事してなくねぇ?
ロボ:おらぁ忙しいだに、このおっさんと遊んでやったらいいだに。
役人:あ?おっさんだと?
ロボ:暇だに暇だにうるさいだにだに
役人:だにだにいうな。
子供:仕方無いだになー。
役人:仕方無いとはなんだ!
ロボ:たぬきとはなんだ!
子供:たぬきとはなんだ!
役人:え?、、あ。どらえもん!?
ロボ:チョロローん(走る)
子供:チョロローん(走る)
役人:え?、、あ。たらちゃん!?
ロボ:チョンチョコチョン(小走り)
子供:チョンチョコチョン(小走り)
役人:あ、いくらちゃん!?
子供:イテテテテ(耳ひっぱられ)
役人:カツオ!
ロボ:カツオ
役人:波平!
子供:シャンシャンシャンシャンサンソンソンソンソンソン
役人:ジェイソン!
ロボ:NO!
役人:に殺される人
子供:********
役人:長谷川きょうこ!
子供:開国しなさ~い
役人:関根努のペリー!
子供:*******
役人:*******
子供:*******(曲聞えてくる、幸せそうな光差してくる)
役人:*******じゃ、なんだばかやろー
子供:たけし!
役人:コマネチ
子供:たけし
役人:しょーがねーなーおめーはよー
子供:たけし!
(二人ものまね大会を続ける)
(満足気に二人を眺めるロボ)(二人ハケる)
ロボ:さ、お仕事お仕事。、、、、、(子供の方を見る)
(蛙になるのか。悲しくはないんだけど。ロボットだから。)
(場転、ロボと子供の出会いの頃。優しい光)
役人2:お国からプレゼントだ。おまえに渡せってよ。
(布にくるまれた赤ん坊を乱暴に渡す)
ロボ:なんですかコレ?
役人2:赤ん坊だ。見た事ないのか?
ロボ:ありません。私、ここに着任したばかりで。
役人2:着任と来たもんだ。人間のガキだよ。
ロボ:人間の?
役人2:まー一応な。あんな女が人かどーかは別だ。
ロボ:どういう意味ですか?
役人2:母親よ。売春、シャブ中、アル中、しまいに殺人で刑務所。
誰のガキだかわからんがこいつをオリん中で生みやがった。
ロボ:母親。
役人2:ひでぇ奴だよその女。この街の奴らだって自分の腹いためたガキの別れと来りゃちっとは涙を流す。
ところがその女笑いながら言ったんだよ?「ゴミ箱にでも捨てよーかと思った」
ロボ:いらないなら、仕方無いですね。
役人2:はっ。さすがにお国のロボットだ。血も涙もねー。
ロボ:ありがとう。
役人2:ホメてねーよ。あーあ。国の実験もよくわからねえ。鉄人街でガキを育てようなんてよ。
ロボ:人間にしては小さいですね
役人2:これからおっきくなるんだよ。
ロボ:軽いし(ポーン)
役人2:あ!ばか!もっと丁寧に扱え!おめーらみたく鉄と合成樹脂で出来てんじゃねんだからな?
頭に手そえてよ。もっと優しくよ。そっと持て。抱えるんだよ。優しくよ。
ロボ:優しく。、、優しく。
役人2:おお、そーだ。優しくよ。
ロボ:やさしく。
役人2:そーそー。よしよしとか言ってよ
ロボ:よしよし。よしよし。よしよし。
役人2:蛙の子は、蛙になっちまうんかね。。
ロボ:燃料はここから?
役人2:ねんりょー?あーめしな?でもまだ歯ねえからよ。やわっこいもんにしろ。
ロボ:やわっこい
役人2:おまえ歯あるか?
ロボ:いちおう。
役人2:なんでついてんだそんなもん。ま、いーや。くいもんをよ、噛んでよ、食わせろ。
ロボ:ゆがみました。
役人2:あ?
ロボ:ゆがみました。栄養をとるあたり。
役人2:(覗き込む)ばーか、笑ってんだよ。
ロボ:何か出てきました。
役人2:よだれだよ
ロボ:手がしめってきました
役人2:あ、おしっこか?
ロボ:異臭をはなっています
役人2:うんこか!?
ロボ:小さいくせに忙しいですね。どーしましょう
役人2:ちょっと貸せ!一通り教えるから覚えろよ?くせぇ!やりやがったなこんちくしょう
ロボ:出さないようにするには?
役人2:あ?
ロボ:色々、余計なものを出さないようにするにはどうすればいいですか?
役人2:ばーか。いんだよ出した方が。
ロボ:臭いのに?
役人2:それがこいつの仕事なの。
ロボ:仕事。
役人2:だめだ!なまらウェッティだ!おい、なんかねえか?布とかよ!ああよしよしよしよし!(ハケ)
ロボ:、、、、、。
(ロボット、練習を始める)(ぎこちなく子供を抱える形を作って)
よしよし。よしよし。よしよし。よしよし。、、、、。
(やめる)(ブラリと脱力する)(あたしは、採掘用ロボットだ)
子供は、来週の木曜日に12歳になって、ロリータになって、大人になって、仕事を始める。
(ロボとは別の場所に子供と役人)
役人:おっそいーよーん
子供:おれも!えーと、おっそいよーん
役人:違う!おっそいよーん
子供:やるもんだ!おっそいよ~ん
役人:1ヵ月猛特訓したら出来るようになんぞっ
子供役人:(グッ)
子供:ああ、汗かいた
(ばふばふと涼みながら、上着を脱ぐ)
(役人、子供に異性を感じた自分に気付く)
(ロボ「おたまじゃくしの歌」歌いはじめる。)(曲、上がり始める)
(子供、ゆっくりと帽子をとる)
(役人、頭が痛くなってくる)
(♪そーれーがなーによーりしょーこーにはー、、、)
役人:ちがう!
(曲止まる)(役人一人だけの照明になる)
、、、、ぼくはちがう!
、、、、、、ぼくはあいつとは違う!!!
(ズキン)(激痛)(頭の後ろの古キズを押さえる)
(それでも耐え切れず、ひざをつく役人)
(場転。中学2年生の頃。本名、表川直人。ウワサ話が聞える)

ウ1:ニュース見た?表川のおやじ。死んだんでしょ?
(古キズの痛み、収まる)
ウ2:遺書残したってさ。やべーの。内容がヘンタイ。
ウ3:養子さー、軒並み証言してんじゃん。もう10人とかいんの。
ウ4:女しか養子にしてないんでしょ?こえー。
ウ5:そーいえばさ、目つきが異様だよね。あたしら見るときの。
ウ1:あいつは何?え?血繋がってんの?あいつだけ養子じゃないんだ?
ウ2:転校すんだってよ。長女のとこに。養子の長女
ウ3:あれ?結局ひとりっこじゃなかったっけ?
ウ4:ウワサなんだけど、あいつ引き取った養子がぁ、
ウ5:え?なになに?うん?あいつの?
ウ1:えー?!うわまじで?ドラマみてぇ
役人:関係ない!ぼくとあいつはなんの関係もない!あいつはあいつでぼくはぼくだ!
ただ血が繋がってるそれだけの事だ!あいつは異常でぼくは正常だ!
ぼくは正しい!ぼくは間違ってない!ぼくは、まともだ!
(小さく聞える、鉄を打つ音)(舞台奥に浮かぶ女の影)
女:じゃあなんで?
役人:え?
女:じゃあなんでできないの?
役人:それは
女:なんで抱けないの?
役人:それはっ!
女:それは?
役人:それはたぶん、、、!!!!!わかった!それはたぶんあいつのせいだ!
幼い頃、ぼくをモルモットに使ったんだ!記憶をあやふやにしたんだ!
首の後ろの古キズはその痕だ!12針縫った!君らにやったように!
それで、障害が起きた!それでぼくは出来なくなった!
それで説明がつく!ほらみろ!やっと説明がついた!
霧が晴れた!思い出した!頭も痛くならない!
ロボ:私の考察によれば。(小さく聞える、鉄を打つ音)
役人:え
ロボ:あなたは帽子を取るあの子に性的感情を抱いた。
心拍数が上がり微量発汗があり脳内にアドレナリンが分泌されました
役人:ロボットみたいな事を言うな!
ロボ:あなたはロリータに対して
役人:(ズキン)やめろ!(古キズを押さえる)
父:なんでですか?(小さく聞える、鉄を打つ音)
役人:その名前を出すな!
父:ロリータ?
役人:ドロリスでいいじゃないか!
父:だって、ドロリスの愛称はロリータに決まってるじゃないですか
役人:そんな事はどーでもいい!
父:おかしな人だなー
役人:おかしくない!
男:別にいいじゃないすか(小さく聞える、鉄を打つ音)
役人:よくない!
男:おかしくたって別にいいじゃないすか
役人:貴様らと一緒にするな!
貴様らはもう!人間なんかじゃない!
男:エピキュリアンって知ってます?
役人:消えろ!!
(小さく聞える、鉄を打つ音)(鉄を打つ音と共に、女、ロボ、父、男、見えなくなる)
役人:、、、疲れてる、、、疲れてるだけだ。
子供:大丈夫?(小さく聞える、鉄を打つ音)(子供、さっきと同じ位置にうかびあがる)
役人:え?
子供:大丈夫?
役人:あ、ロ、、ドロリス、、。、、ごめん、、ちょっと気分が、、
子供:焦らないでよ・(小さく聞える、鉄を打つ音)
役人:!!、、、え
子供:どーせ来週の木曜日になれば、あたしもおとな
役人:やめろおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!

(役人の叫びと同時に鉄を打つ音と暗転)
(SE音の余韻が消えてから、うっすら光)(厚生省会議室)
(あまり良くは見えない。)(少しの間その状態)
早乙女:あの、
(ピンスポ、声を発した男、早乙女を照らす)
(役人2=早乙女)
犯罪者の記憶を消して、モデル地区『鉄人街』で生活させるというのはわかりました。
もしまた犯罪が多発するとなれば、その人間は生まれついて犯罪者であると。
これが、表川先生のプロジェクトですよね。
浦辺:後天的に環境や生活が犯罪者や精神病者を育てるのはほぼ実証されている。
次に科学が挑まなくてはならないのはそこですよ早乙女さん
早乙女:生まれついての犯罪者が、存在するんでしょうか。
浦辺:そこですよ!!
早乙女:しかし、。いささか乱暴では
浦辺:はっきりさせときましょう。僕のおやじは犯罪者だ。しかも性犯罪。幼児虐待。
ご存じですよねぇ?
早乙女:、、ええ。
浦辺:ここで問題。僕は犯罪を犯すのでしょうか。
早乙女:え?
浦辺:犯すと思いますか?
早乙女:まさか、表川さんは今立派に
浦辺:あー皆さん、今は母方の姓を取りまして、浦辺です。ま、どーでもいんですが。で、どーですか?
早乙女:犯さないと思います
浦辺:嘘だ。
早乙女:ほんとです!ほんとにそう思います!だって浦辺さんは今立派に
浦辺:あーもーいい人だなー、早乙女さん。
でもねー、フォローはしすぎちゃいけないですよ?どんどん嘘くさーくなります。
早乙女:いや、嘘じゃない!
浦辺:いんです。あなただけを責めてるわけじゃない。マイクある?
あ、あー。えー。
本日は「R」計画を見直そうの集いに多数出席していただきましてありがとうございます。
私、浦辺ナボコフ、もとい、表川直人は、かの幼児虐待・性犯罪者、
東京大学医学部教授、表川大五郎の一人息子でございます。
そして皆さん知りたそうだから白状しますと。ここにお集りの皆様のご推測どおり
僕は間違いなくおやじとおやじが一番初めに拾ってきた養女の子供です。
でもって、僕の首の後ろにはおやじから受けた虐待の後がある!
そしてそして姉や妹たちへの虐待の様子もこの目で見ています!
つまり、先天的にも後天的にも、おやじの気質を受け継いでいる可能性は?
早乙女:た、、高いです。
浦辺:はい!もっかい早乙女さんにクエスチョン。
僕は犯罪を犯すのでしょうか。
早乙女:、、犯す、、かもしれません。
浦辺:『、、おかしゅ。かも、しゅれましぇん』はい良く出来ましたー・
そうそう、正直に行きましょう。
思った事は素直にねーー・思ったでしょ?ね?思ってた?
早乙女:、はい。
浦辺:え?
早乙女:お、思ってました
浦辺:めえわくなんだよそれがああ!!!!
(客席)でも僕は生まれてこの方ひとつの犯罪も犯した事がない。
あんたらだってやっている、ギリチャリやら万引きやら、信号無視だってやってない。
なんでだと思う?
早乙女:え
浦辺:証明したいんですよ。この僕の潔白さを。蛙の子は蛙?ちがうね。
僕みたいな最悪のケースでも、とんびが鷹を生むって事もあるんだよ。
でもどんなに清く正しく生きても、誰も信じない。だから僕は「R」計画を発動させました。
早乙女:だから私がいいたいのは。
浦辺:ホログラムください。どーぞー
(女、男、父、さっきの位置)
平成ロリータ登場人物たちです。拍手ー。
早乙女:ロリータ?
浦辺:おやじにピッタリでしょ。
これ主人公。ハンバートハンバート。これ未亡人のシャルロット。この娘に主人公が手を出すと。
でも、この男キルティとロリータはすでに出来ていたって話し。
そして禁断の木の実、ドロリス・ヘイズこと、ロリータ(ロリータ浮かぶ)
早乙女:!(立ち上がる)
浦辺:なんでこの小説が出版された1955年、ロリコンなんて言葉が生まれる程、衝撃を与えたか。
早乙女:私が言っているのは、そんな事じゃない!
浦辺:物語の筋はどうだっていい。小説は小説。フィクションだから。虚構。全部嘘。
しかしその物語の異常性によって、読者の興味は最終的にどこに注がれるか。
わかります?
早乙女:、、、。
浦辺:ウラジミール・ナボコフ
早乙女:え?
浦辺:とどのつまり、こんな異常な物語を生んだ作家は、果たして、本当に異常なのか?
って事に興味が集中する。でぇ・、、、平成ロリータのシナリオライターはもちろん。
(さっきの暗転前の役人の位置へ、足される)(そこに入る浦辺)
浦辺、ナボコフ。
(曲)(光、上がって行く。浦辺と早乙女以外の登場人物たち、物語の冒頭と同じように行進を始める)
早乙女:!!!!
浦辺:フェアに行こう。ぼくも手術をしよう。囚人たちと同じように記憶を消そう。
早乙女:狂ってる
浦辺:ぼくはあいつと違うんだ
(じょじょにあがる浦辺の手)
早乙女:おやじと同じだっ、、くるってる!
浦辺:それでも僕は、過ちを犯さない
早乙女:あの子だって潔白だ!何も知らないんだぞ!
浦辺:僕が
早乙女:あの子は囚人じゃない!
浦辺:僕が助ける!
早乙女:!
浦辺:僕が守る!!
早乙女:、、同じ事だ
浦辺:彼女を救えば!
早乙女:同じ事だナボコフ!
浦辺:僕も救われる!(首を、力まかせに、つかむ)(曲、上がって行く)
早乙女:!
(浦辺=役人)
(曲上がりの中、激痛で倒れ込む役人)
(かけよるロリータ)(行進する人々)
(早乙女、厚生省会議室をあとにする)
(成人の場所にロボット)
(舞台中央に小高い場所、ここで成人式が行われる)
(曲さがり)

ロボ:お役人はそのまま気を失い、死んだように眠り続けた。それが日曜日。
月曜日、街の男たちの目つきが変わった。
今まで見た事の無い男までロリータの家のまわりをうろつき始めた。
ロリータの看病にも関わらず、お役人は目を覚まさなかった。
火曜日、父親がわりのハンバートに異変があった。
回りをうろつく男たちにつばをはきかけ、ロリータが色目を使っているとののしった。
ロリータは生まれて初めて泣きはらした目で朝を迎えた。
お役人は朦朧とした意識の中でロリータの名を呼んだ。
水曜日、父親がロリータを殴りつけようとした所をキルティが制した。
キルティの提案により、いったん父親を別の家に泊まらせる
女たちがロリータの晴れ着を完成させた。(人々、舞台から消える)
お役人は目覚めない。
最後の夜、ロリータは流れ星を見た。
ロリータは、願い事なんてないと笑った。
ロボットは、一晩中願い事をした。

(後ろにツルハシを持った人間の影)

「明日になる前にこの採掘用ロボットを壊してください」

(曲、少しづつ上がる。ツルハシ、少しづつ上がって行く)
(鉄を打つ音、カシーーーーーーーン)
(落雷が落ちたような光)
(ツルハシを持った人物は、父ハンバート・ハンバート)
(ロボット、壊される)
(ゆっくりと倒れるロボット)
(ハンバート、その場所を後にする)

(舞台全体に光広がる)
(人々、集まってくる)(成人式)
(しだいに始まるくるくると回るダンス)
(光、舞台中央に集まる舞台中央に扉など)
(そこから登場する女の服を着た、ロリータ)
(白いドレス)
(拍手、拍手)(人々の顔はよく見えない)(花をわたす)
(段に上っていくロリータ)
(成人の場所にロボットの残骸)
(しゃがみ、花束を捧げる。素直にロボットの死を受け入れるしかないロリータ)
(父親、成人した娘の元へ上って行く)
(手を引こうとする)(一瞬拒むロリータ)
(助けを求め視線を泳がせる)(しかし、拍手の嵐)
(手を引かれ降りていくロリータ)(人々、花びらを成人した娘にかけて祝福をする)
(ロリータだけを追うスポットライト)(終始、おどおどした表情のロリータ)
(花びらのアーチをくぐり、舞台からいなくなる)
(一同、大拍手、これで、ロリータは大人になった)
(散りぢりになる街の人々)
(遅れてやってくる役人)
(舞台に散らばった花びらをみる)
(成人式が終った事を知る)
(成人の場所にロボットを発見、ガックリと膝をつく)
(曲、下がって行く)
役人:、、今日は何曜日だ、、
今日は何曜日だ、、
今日は、何曜日だ畜生!
(花びらを地面に叩きつける)
畜生!畜生!
ただ、眠りこけてたのか俺は!
!(銃)
、、まだ間に合うかもしれない。
(銃を握りしめ、走り出す役人)
(突然立ち止まる)(向こうから歩いてくるドレスの女に気付く)
(血まみれのドレスに身をつつんだ、ロリータ)

ロ:、、
役人:、、何があった
ロ:わからない
役人:、、わからない?
ロ:(うなづく)
役人:誰の血だ、、、
ロ:、、、。
役人:、、、。それは、誰の血だ。
ロ:え
役人:それは誰の血だ!ドロリス!

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たくさん台本を書いてきましたが、そろそろ色々と人生のあれこれに、それこれされていくのを感じています。サポートいただけると作家としての延命措置となる可能性もございます。 ご奇特な方がいらっしゃいましたら、よろしくお願いいたします。