ハミルCLASS

話・絵・映画・本・DRAMA

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最近の記事

馬花 111 因果応報 2年3組

「おい、ハミル」 「ナオト」 「飯、買ってきたぞ」 「サンキュー」 「う、うめえ」 「人間の大好物だ」 「これはなんだ」 「ポテトだ」 「芋か?」 「そうだ、ジャガイモから作るんだ」 「塩がきいてるな」 「塩はわかるのか」 「人間の残りモノはこの味が多い」 「そうかもな」 「むしゃむしゃ」 「塩は海から取れる」 「海、そうなのか」 「ああ」 ごちそうさま 「もう食べたのか!まだ2分もたってないぞ」 「腹へったー」 「恐ろしい奴だな」 「他にないのか」 「少し待って

    • 馬花 110 ハミルEN 1年1組

      血縁ではなく、金で家族を築く 俺たちは 私たちのハミルENは血ではなく金を選んだんだ あいつは 俺の恋人はある男から、告白のラヴレターを受け取った あいつは迷った 俺は彼女があの男の元へ行っても構わない ただ 彼女の腹には俺の赤ん坊がいた それだけだ 人生の始まりには 我が子の産声だけは 俺が聞いてやるべきだと思った もういいぜ 行けよ 何処でも 結婚を無くす 邪魔だからだ 結婚しない生き方を選ぶ 違う 婚姻制度自体を消すんだ 俺たちハミルENは 金で家族を築い

      • 馬花 109 瑠璃 20年2組

        「うう、ああ」 「ユー君、ちょっと待って、そのまま!」 「ん」 いつものユーメの部屋のベッド 「やっぱり、すごい!」 「お前ハカルの好きだな、時間計ったり、長さ測ったり」 「15.7cm。すごいすごい!調べたら日本人の平均は13cmくらいって書いてあったよ」 「そうなのか」 「やっぱりユー君のは大きいと思ってたんだ」 「まあな」 「自覚あるの?」 「当たり前だろ。20年男やってんだぞ」 「そうなんだ。デカッ」 「それより、ちょっと、続き」 「うん」 180秒 「はあ、

        • 馬花 108 四角形 4年1組

          「ロン!国士無双!!」 女2男2 H高校を卒業した4人の四角形は今も崩れない あの頃、私達は・・・・ 高校2年の新クラスで、ナオハはミョンを警戒した ミョンのヤンチャで乱暴な性格は、ナオハから見ると脅威でしかなかった 声が大きく、ふざけてばかりいる 男子相手に冗談をかまして、ギャーハッハ!と高笑いをする あまり目立ちたくない、低空飛行でいいから平穏無事に高校生活を過ごすんだ あの子の暴風に巻き込まれたら、私の高校生活は荒れ狂い、墜落してしまうかもしれない ミョンとは接

        馬花 111 因果応報 2年3組

          馬花 107 名古屋の夜 夜年1組

          名古屋の夜が更けていく 今夜も男と女は酒を飲み、 愛や恋や偽りを語り合う キャバH ホストH H BAR 「私は日本一のキャバ長になるのが夢なんです」 「う、うん」 「キャバHから認められキャバmを任せてもらうんです。そしていずれ本家のキャバHの幹部になりたいんです」 「う、うん」 キャバ嬢メルメが夢を客に語る ハミルカンパニーの若手社員シュンだ 「今日も親分と一緒なんですね、シュンさん」 「い、いや。親分じゃなくて、上司ね!僕たちは普通の会社員だから」 「出世され

          馬花 107 名古屋の夜 夜年1組

          馬花 106 用品に添えられたラヴレター 29年1組

          女用品置きの脇にラヴレターを添えたのです 手紙を必ず見つけられてはいけなかったからです 同棲中の彼に、あの人から受け取った手紙を絶対に隠さなければいけなかったのです しかし、 私は幾ばくかの混迷の果てに、女用品の隣に寝かせた手紙を、男用品の上に置いたのです 告白しました 彼にあの人から想いを寄せられていることを 白状いたしました 彼は怒りませんでした 私はそんな気がしていました それは彼の気質も一つの理由ですし 私たちの居場所にも大きな関わりがあります ハミルENの屋

          馬花 106 用品に添えられたラヴレター 29年1組

          馬花105 アイドル 32年1組

          秋葉原に着いた 聖地秋葉原に来たよ 今日は推しのアイドル CHAILOのライブだ CDは2枚買った 新曲「スカートめくり」 僕の推しはブラウだ 1枚はCHAILOの曲を聴いたりジャケットや歌詞カードで彼女達を見つめたり、通常利用だ もう一枚は・ 君との訣れが訪れた時に、割るためのCDだ そうやって僕は僕の偶像と決着をつける 別れのケジメとして君のCDを破壊して、ブラウへの想いや憧れや恋心を粉砕する そうやって、僕は未練を破片にして処理する この秋葉原の地で隆盛を極め

          馬花105 アイドル 32年1組

          馬花 104 螺旋の先 20年1組

          「イケル、お願い」 「うん」 「あ」 「えっ、もう」 「ごめんごめん」 「うん」 「イケルさ」 「うん」 「お前浮気してるだろ」 「はっ何言ってるの」 「お前上手くなってる」 「はあー」 「どこの男に仕込まれた」 「はいはい」 「答えろ!」 「何、馬花なこと言ってるのよ!」 「お前のあの転がしは今までなかった。どこかの男に仕込まれたんだろ!」 「ふざけないでよ!そんなわけないでしょ」 「気持ちよすぎだ」 「いいじゃない」 「心配になるだろ、前回ない技繰り出されたら」 「技

          馬花 104 螺旋の先 20年1組

          馬花 103 2年2組

          「ここがハミルの家か」 「そうだ」 「変わった色だな」 「空の家だ」 「青」 「外敵から気付かれないように」 「空色に合わせたのか」 「そうだ、上がってくれ」 「あゝ、すまない」 「畳か」 「そうだ、和室が好きなんだ」 「落ち着くな」 「お茶飲むか」 「あるのか、もらおう」 「待て」 「ああ」 ほうじ茶を淹れるハミル 畳で胡座を組むナオト 「茶だ」 「ありがとう」 「ふう」 「食いもんはどうしてる」 「この時期はブナの実だな、あとは団栗だったり胡桃も食べる。葡萄や梨も生

          馬花 103 2年2組

          馬花 102 女と酒、煙草 45年1組

          振られた夜 いや、女の男に不貞を諭された夜 振られることすらできなかった いい中年の俺が20代の女を20代の男から奪い去ろうとした 略奪の中途で男にバレて不義を咎められた 彼女を想うばかりの熱情で、我を忘れていた 現れたのが同性だったから俺の恋慕は一旦胸の奥に追いやるしかなくて、場面は緊迫に変わっていた 一回り以上の年下の彼に、俺の恋路を引き戻すよう説得されちまった 傷ついたとか情け無さとか そんなのはどうでもよくて 何より、恥ずかしかった いい歳して若い女と男の間に割

          馬花 102 女と酒、煙草 45年1組

          馬花 101 STORY.2

          STORY.2 ① 深い深い森の中で 汚れた看板に筆を走らせる男がいる 一心不乱に文字や絵を書いている 左手に持つ白髪の筆が破茶滅茶に躍る 「ふう」 看板作業が終わり傍らの小テーブルに置いたブラックコーヒーで一息吐こうと手を伸ばす ん?何か物体が当たった 左手に持つ白髪の筆より柔らかい毛並みのような感触だった ナオトは振返った 一匹の熊がコーヒーを飲んでいる 「熊!」 「おい、ミルクないのか」 「に、逃げろ!」 逃走姿勢に入り、始めの右足が滑る 「落ち着け!ナオト

          馬花 101 STORY.2

          馬花 100 エメラルドの山

          馬花 STORY 2 汚れた熊の右花と左心 深い深い森の中で 汚れた看板に

          馬花 100 エメラルドの山

          馬花 99 瞼のアトリエ

          アネハは準備した 恋するあの人を奪う 好きだという気持ちは既に伝えたし、 花束をしっかりと購入して交際を申し込む 12本の赤い薔薇を赤子を抱くように抱えた 彼氏に殴られたって 最低だ 不貞だと 不潔だって 言われたって 自分に嘘をつく なんてしたくない 先日の映画館も彼女はきっと 喜んでくれた筈だ 積年の想いを、今 いつもの公園で夕方に待ち合わせしている 大袈裟だって笑われるかもしれない 俺は40代も半ばだし、 スーツを着込んで ・ 現れたのは 彼女ではなかった

          馬花 99 瞼のアトリエ

          わ ~messages~ ② イケル

          宮前区の自宅 バスに乗った 運転手が終点の溝の口をアナウンスして 停車したバスから降りた ユーメの住まいに向かう 田園都市線ではなくて南武線の武蔵溝ノ口へと歩く 私の実家は少し不便で溝の口駅と宮前平駅または向ヶ丘遊園駅に行くことが可能だけど、どの駅も歩くと30〜40分くらいかかる 一番勝手が良いのは溝の口だから、利用頻度は最も高い 小田急線の方が都合が良い時は、向ヶ丘遊園か登戸を利用する 溝の口に来ると、ハタチになった私は立ち飲み屋街の情緒に惹かれる しかし一人で行く勇

          わ ~messages~ ② イケル

          わ ~messages~ ①ユーメ

          メッセージアプリを閉じた ゆりかもめがユーメを運ぶ お台場にいた 小中高とサッカーで心身を鍛えてきたユーメはフットサルチームに所属していた 練習を終えて帰宅の路を辿っていた ゆりかもめから新橋で降車する 東海道線で横浜まで行って、京浜東北線で関内で下車する そこから10分弱歩いたところにユーメが暮らすアパートがある 軽い振動を右の太腿が受信して、メッセージアプリを開く 「チッ、なんだよ」 (わかったよ、おやすみ) そのままニュースアプリを立ち上げて、スポーツ関連の

          わ ~messages~ ①ユーメ

          馬花 98 MOTHER

          おじゃまします 面目躍如、誇らしげな表情でウサポが子供たちを引き入れた 娘がいる この両腕の届く位置にいるのは、 赤子の時、 3ヶ月で手放してしまった 10年の月日が経っていた あのヒトリボッチの男に娘を託した 私が執りなした決定なのに なのに アイツを恨んでしまった 私はいつも、うまくいかない ミコルENからは ミコルの他に 4天王からイシス 20団員の1人プルマ そして ミコルの左腕ロオド 右腕にはHANAがいるが ツッパリスタイルで子供たちが怖がるといけない

          馬花 98 MOTHER