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「オープニングイベント」に参加しました。

 蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブが歌う「Dream Believers」がめちゃくちゃ良い曲だ。この曲絶対アウトロのキメで銀テープが降ってくるから、それを浴びながら「ラララ……」を歌いたい……!!!
 妄想捗るオタクにとって、オープニングライブイベント「Bloom the Dream」に行く理由はこれだけで充分だった。結論を先に言うとアウトロではなく大サビで銀テは降ってきたのだが、抽選申し込み期間ギリギリで応募し、幸運にもそのチケットを手にすることが出来た。よって人生初めての横浜へ足を運んだのであった。

 

 不安だった台風の影響もライブ前日までだったということで、台風一過の青空が初神奈川、初横浜の私を迎え入れてくれた。近くの階段を降り、広がる海からクルっと回れば会場入り口。そのそばでは物販に並ぶ長蛇の同志たちが私を迎え入れてくれた。並んでいる皆さん、水分補給を忘れずにね。あと何でまだ始まったばっかのシリーズなのにそんなにたくさんのグッズを持っているの?

 グッズ欲しさに一度は並んだものの、元々ライブ前に予定があったため途中で断念。予定を終え宿で荷物を置き、また会場へ向かうことに。夜公演。存分に楽しんでいくぞ。

 一階の18列目に座り、その時を待つ。すると隣の方から声をかけられた。

「Liella!のブレードですかそれ?」

 確かにこれは正真正銘Liella! 1stライブのブレードである。物販でペンライトが買えないことが予想されたので、代わりとして蓮ノ空がシリーズ曲をカバーしたことを無理くり理由にして、各シリーズのブレードを持っていこうとしたのだが家に忘れてしまい、唯一持って来ていたのがよりにもよって5色しかないLiella!の1stブレードのそれである。
 なんで蓮ノ空のイベントなのにそっち持ってきてるんですか的なブレード警察の方かと一瞬緊張が走ったが、物腰柔らかそうな彼の雰囲気に、そんなことはなさそうだと安堵しながら「そうなんです」と答えた。たった一言そう言うだけなのになんでこんなに考えてしまうのだろう。どんだけヒトにビビっているんだ。
 「良いですよね~Liella!」と返す彼の手にもブレードが握られている。見たところAqours 5thライブのブレードのようである。

 「Aqoursお好きなんですか?」と聞くと「実はコレ中古で買ったものでして……」と答えてくれた。何か申し訳なさそうに答えているのを感じ取るに、蓮ノ空のイベントなのにすみません的なニュアンスを感じた。いや私ブレード警察ではありませんよ。現に私も別グループのブレードですし、5色ですし。他のメンバーカラーを補うために百均のサイリウム所有の初期アバター仕様ですし。

 なんか良い人そうだなと思い、会話を続けていくうちに分かってきたことは、「今日が初めての現地参加であること」、「ニジガクからラブライブ!を知ったこと」、「今回の蓮ノ空が『活動初期から追いかけているラブライブ!シリーズ』であり、シリーズを途中からではなく最初から追いかけてみたいと思って、今回のライブは会場まで足を運んで現地で参加してみたということ」であった。

 「めちゃくちゃ分かるわ~。穂乃果役の新田恵海さんは『ラブライブ!は出会ったその瞬間が始まり』と仰っているが、やっぱり好きになればなるほど最初から出会いたかった……!と思ってしまうもの。途中からμ'sにハマった私にとってはAqoursが最初から追いかけられているシリーズであって、リアルタイムで触れられていることがやっぱり嬉しいし、楽しい。あなたにとってはそれが蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブであって、追いかけたい!と思ってここに来た今日のこのOPイベント。必ずやかけがえのない大切な一日になると思いますよ!!!!」
 と早口で言いたくなる暑苦しさを嚙み殺して、彼の話を聞いていたのであった。

 またここまで聞いてみて、先ほどの中古のAqoursブレードにも合点がいった。彼なりに郷に入っては郷に従えの精神で、買ってみたのであろう。そう思うとブレードの柄部分はAqoursで、光る筒部分は藤島慈のイラストが施されているアンバランス加減も彼の親しみやすさを表わしているようであった。Aqoursブレードはホワイトもあるからね。こっちは5色ブレードのほか百均仕様だからね。こっちの方が断然郷に従ってないからね。百均のホワイトのサイリウム、全然光らないからね。濁ったカルピスみたいな色してたからね。ごめんね。

 そんなことをしている内に会場が暗くなる。会場の熱気は暗闇に集約し、歓声となって弾けていく。いそいそと立ち上がっていく我々に「あ、立つんですね」と彼も立ち上がる。蓮の花は今ここで咲き始めるのだ。

 それから隣で聞こえてくるのは「うわぁああああああああああ!」と「やったあああああああああああああ!」の雨嵐。うん。そうなのよ。驚きと喜びしか出てこないのよな。仕込みじゃない本気のテレビショッピングの客ぐらいこの二つの感情が自分自身を覆いつくしていくのよ。そんで一曲終わるたびに「感動」が打席に立ち始めるのよフルスイングで。アウトカウントなし、2時間攻撃しっぱなしのビッグイニングなのよ。

 ライブ途中、彼は後ろを振り返る。最初は関係者席探してるのかなと思っていたら「すげぇ……」の声ですぐに「あの頃」を思い出した。いくつものペンライトやブレードで作られた光の海を見て感動していたのだ。そうそう。すごく綺麗なんだよ。その光の数だけ、みんな自分と同じものを好きなんだなと分かって嬉しくなるんだよな。誰だよ、後ろ振り返っただけで関係者席探しているなと思ったやつは。多分そいつ物販でグッズ買えなくて百均で買ったタオルでMix shake!!待機しているんだろうな。

 Mix shake!!もかなり盛り上がったが、盛り上がりで特記したいのがみらくらぱーく!の「ハクチューアラモード」。参加したのが夜公演なので、コールの場所が分かっているオタクも居たとはいえその日初披露の曲とは思えないほどコールが揃い、異常な盛り上がりを見せていた。2番途中からの数字カウントはさすがにズルい。そりゃ盛り上がるって。
 とはいえ、ライブ後にこの曲の試聴動画を聴いてみると、裏拍の目立つお洒落な曲なのが分かった。冷静に聴くと「ド!ド!ド!」よりはおとなしい曲であるはずなのに同曲並みの熱気を感じられたのは、みらくらぱーく!の新曲という期待値とライブで初披露というお膳立てが組み合わさったこの日だけの最大瞬間風速だったのではないだろうか。ともかく異常で異様な盛り上がりであった。
 あまりにも会場の熱がすごいのでここだけ普通にライブの感想文として添えていきたい。いやあれおかしかったって。みんな中毒者だったよ。ヤ〇チューアラモードだったよ(誉め言葉)

 ライブも佳境に入り、新情報が披露される。嬉しいお知らせをその場で聞けて、喜びを爆発し、キャストの皆さんに声援や拍手で直接想いを伝えられるのも現地参戦ならではである。案の定この日トップクラスの「やったあああああああああああ!!!!」をお隣からいただきました。
 ライブ終了後、隣りにいたオタクからほぼ「連番者」となった彼に改めて挨拶し別れた。互いに「今日は本当にありがとうございました!」と言い合えるのはとても嬉しい。1stライブでまた彼と会えたらいいな。






 ライブに参加して、隣の席になった方と一言二言話す機会は何度かあったけど、終わりにtwitterを交換するほど仲良くなったことは初めてであったので、良い出会いになったし、ちょっとした記念としてこうして久しぶりにキーボードを叩いている。
 帰ってきた今、あの時お話しさせてもらった時の感情を思い出すと「嬉しい」という気持ちが強かったと思う。好きなものを共有出来ることはやっぱり嬉しい。ライブを観に足を運んでいるということは、先述のサイリウムの光の海のような自分と同じ物が好きということではあるのだが、それをお話しして、「実感」出来ることが嬉しい。「あぁ、この人ラブライブ!好きなんだなぁ」「ライブ楽しみなんだなぁ」と分かることが嬉しい。それも今日会ったばかりの方と、少しの会話で急速に分かり合えるあの「速度」が嬉しい。
 そして、彼がライブ初参戦だったこともありライブ中の反応から、観る前よりももっとそれを好きになっていく、温度が上昇していく様を隣りから感じられたのも凄く嬉しかった。このイベントをきっかけにまさに花が咲いているようであった。こんなこと、少し前の会話を控えないといけなかった状況から考えるとなかなかのめぐり逢いだ。
 このタイミングで、この席で、この方だったから起きたこと。ただの偶然の重なりを自分なりに切り取ってみると、好きなものを好きでい続けてよかったなと思う瞬間はもっとたくさんあるのかもしれない。
 そう思いながら今日もオタクライフを細々とやっていこう。
 
 
 


 


 
 

 


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