scan snap 1500の溶解したシリコンローラーを分解して修理した話と分解せずに修理した話
みなさんは炊き上がった米を炊飯器に放置した経験はありますか?
絶対そんな事しないなぁ、有り得ないよねと思っていた時が私にもありました。
えぇあるんです。
ついうっかりということが。
そしてある日気がつくのです。あれ?冷凍庫に米が保存されてない。
おかしいな、数日前にわたし3合炊いたのに。
炊飯器はそこにあります。
でも蓋を開いて確認する勇気が無い。
というか、ある、
そこに、
数日前に炊いた米が。
異臭はしていない。でも今は夏。
米……どこまでいってしまったんだろう……
溶けてる?何か別の生命を生み出している?
怖くて開けられない……開けられない故にどんどん嫌な想像をしてしまいます。
そんな恐怖の炊飯器のようになってしまったのが、今回の記事の主役スキャナー スキャンスナップ1500。
(富士通と思っていました…リコーでした)
pfu.ricoh.com/scansnap/archive/s1500-a/
購入時はイロイロな本、書類、雑誌をスキャンして、ipad miniにデータを入れて持ち歩いて読んでいました。
しばらくしたら、読み込み作業に飽きてしまい
スキャナーを放置すること10数年。
風呂敷に包まれ部屋の片隅にそっと置かれたスキャンスナップ。
書籍類が貯まってきたので、一部をまたデータ化したいなぁと思ってはいるけれど、どうしても触れない。
きっと大変な事になっているだろうな、もったいないから捨てたくないし、新しいスキャナーを買うのもなぁ、出来れば使いたいし、でも多分使えないだろうなぁ、と思い悩み、躊躇しているうちに本格的に恐怖の炊飯器クラスに成長しました。
スキャンスナップが炊飯器?なに言ってるんだこいつと思いますよね。
はい。
使用していないスキャナーがどうなるかというと
こちらのサイトをどうぞ。
そう溶けるのです。
用紙を排出するためのシリコンローラーが。
経年劣化です。わかっています。
メーカー修理は受付してもらえません。
販売は2012年に終了しています。
純正交換部品の在庫ももう無いでしょう。
捨てるのはやっぱりもったいないし……
勇気を持って開けてみた
放置していたスキャンスナップは果たしてどうなっているのか
オープン!!
排出ローラー液化!!!してました。
白かったものが茶色になっている!
はい。わかっていました。
ワンチャン、使えるのではないかと起動してみました。
ギリギリ形を保っていたシリコンローラーが熱で溶けてさらに酷いことになりました。
無理だ!
ここで思い立ちましたね。
むしろすっきりしたのかもしれない。
どうせ処分することになるのなら
自分で修理してみよう!
交換できるらしいというのは風の噂で聞いてた!
排出ローラーを修理するために必要な物
プラスドライバー
マイナスドライバー(こじ開け用)
ローラー代替品 内径6㎜外径12㎜のシリコンチューブ
あれば無水エタノール。無くてもOK
そして最後に絶対必要なのが『勇気』
amazonで交換用のシリコンを販売していますが、口コミを確認するときつすぎて軸に入らないという意見があったので、今回はタイガースポリマーのシリコンチューブを購入しました。
こちらのサイトの手順を参考にしながら分解していきます。
基本的にははめ込み式です。
左右のパーツはマイナスドライバーを差し込めそうな、隙間があるのでそこにねじ込んで、てこの原理で持ち上げると外れます。
あとはネジをぽいぽいっと外していき、基板とケーブルを外して、引っこ抜ぬく。
ここまでやっちゃったらもう後に引けない。
もういいんじゃない…もう処分しちゃおうよ、無理だよって囁く心の声を無視して作業続行。
下部ローラーの交換は、なんとか上記サイト参考に出来ました。
軸にへばりついた茶色いシリコンを、ペンチでつまんでこそぎとり、無水エタノールで綺麗に拭き取ります。
25㎜にカットしたチューブを差し込み、ずれないようにビーズアクセサリー手芸用の丸カンを嵌めて固定して、軸を元に戻す。
問題は上部の排出ローラー
場所的に上部の用紙送りセンサーと直結しているような気もするし、外そうと思ったら歯車を全部外さないといけない。
かなり繊細な作業が要求される。
ここまでにネジ1個紛失、固定爪を2カ所破損の雑な手先の持ち主のわたしにできるわけがない。
分解はできるかもしれないけど、まず間違い無く元に戻せない。
そんな確信がわたしにはある。
無理だと諦めかけたところ
ふわっと閃く。
わざわざ軸を本体から取り出して交換しなくても、ローラー簡単に交換できるよね?
駄目元の上部ローラー交換方法
本体分解とか歯車外すとか、そんな面倒なことはしません。
元に戻したばかりだし、再分解の気力が沸かないのです。
下部ローラーと同じように、ベットリと変色した上部シリコンローラー2カ所を、このままの状態でピンセット、ペンチを用いて引っ張り出して剥がします。
軸の裏側は取りにくいですが、頑張りましょう。
電源入れて、適当に動かすと軸が回転して、取り切れなかった部分が表に出てきます。これを何度も繰り返しながら、できる限りシリコンを除去。
つぎに、交換用のシリコンチューブに縦に切り込みを入れます。
切り離したシリコンチューブを軸に押しつけて、巻き付けます。
以上です。
切り離しているので、ローラーには隙間が1㎜くらいできているけど、用紙を排出すれば問題なし。
早速動かしてみた。
スキャンできました。
センサーは問題無く作動し、用紙を一枚ずつ排出します。
なんとかなるもんだ。
いやぁネットって本当にありがたい。
先達の分解修理記録があるから私も続くことができる。
『難関の上部のローラーは分解せずに交換できる』
わたしのこの記録も次の誰かに繋げられますように!
あっ本家本元の恐怖の炊飯器はどうしても開けることが出来ず、友人にお願いして洗って貰いました。
人には向き不向きがあるのです。
スキャナーは直せても、炊飯器は無理なのよ…
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