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終身雇用を疑っていなかった私が転職を選択をしたことで選択肢が広がった話

私は新卒でシステムエンジニアとして社会人生活を始め、今年でエンジニア歴17年になりました。
17年の中で転職を3回行い、今はスタートアップで日々開発を行っています。

新卒で就職した当初は終身雇用が普通だと思っており、高い志を持っているわけでもなく、職業として選択したシステムエンジニアに対しても特に思い入れもなく、仕事はお金をもらうためにやるくらいにしか思っていませんでした。
そんな私でしたが、今ではシステムエンジニアとして日々楽しく仕事できているだけではなく、仕事以外の時間でも関連書籍やネット記事を読んで最新の動向をキャッチアップしたり、趣味でシステム開発したりするくらいシステムエンジニアを気に入っています。

このように心境が変化したのは偶然の選択を含む様々な選択の積み重ねの結果だと感じていますが、思い返すと一番大きな選択は1回目の転職だったと思います。
この記事では、終身雇用を疑っていなかった私が転職を選択をしたことで、その後の選択肢が広がった話を書こうと思います。


大学

大学受験のとき、私は情報工学科がある大学を選択して受験しました。
情報工学科を選んだ理由は「これからはソフトウェアエンジニアだ!」などという先見の明があったわけでもなく、近所の電気屋に展示されているPCでやるソリティアやマインスイーパーが面白かったのでPCと関係しそうな学科を探したところ、たまたま情報工学科が目についただけでした。

大学ではプログラミングや情報工学を学びました。
このときも「プログラミングにハマって日夜プログラミングし続けてました!」や「OSS活動に目覚めました!!」や「システム開発企業でアルバイトしてバリバリ開発してました!!!」のようなソフトウェアエンジニアの目覚めみたいなものはなく、淡々と必要な単位を取得して大学を卒業しました。

就職活動の時期がきて、情報工学科の卒業生は9割はシステムエンジニア(SE)になるという統計を知りSEになることを選択しました。
大学院に行くという選択肢もありましたが、大学4年でやった卒業研究に興味が持てずこれ以上研究したくないと思ったことと、早くお金を稼ぎたかったので就職することを選択しました。
ちなみに、就職して2年後、大学院卒の友人たちが有名企業に就職するのを知ったときは失敗した…と後悔しましたw

就職活動

就職活動ではSEになるべくSI企業をピックアップして会社説明会や面接を受けました。
この時は特定の企業に縛られず様々なジャンルの開発をしたいと思ったので、独立系SIと呼ばれる企業を中心に探し、内定をもらった中堅企業に就職しました。

前述した通り、就職した当初は終身雇用が普通だと思っており、この会社で定年まで働くんだろうなと思っていました。

新人研修

当時、文系SEという言葉が流行っており、プログラミング未経験の同期もたくさんいました。
大学では熱心に勉強していたわけではなかったけど情報工学科を普通に卒業できる程度には勉強していたので、同期の中ではプログラムができる方でした。
周りよりできるというのは結構嬉しいもので、SEとしてのモチベーションが少し上がった瞬間だったと思います。

新人研修が終わり配属のとき、当時はiモードなどガラケーが最盛期で、配属先もガラケーを扱っている組み込み系の部署が一番人気でした。
このとき、特にガラケーには興味はなかったので、一番人気の組み込み系ではなく、Webを扱う部署を選択して、そこの配属になりました。
当時はWebに思い入れなどがあったわけではないですが、現在のWebの発展を考えると、ここでWebを選択したのはかなり良い選択だったと思います。

配属後はWebアプリケーションを開発する様々なプロジェクトを経験することができました。
就職活動でなんとなく選択した独立系SIでしたが、そのおかげで様々なプロジェクトに関わることができ、幅広くスキルを得たり様々な現場を知ることができました。

プロジェクトマネージャー

入社から5年ほど経ちリーダーとしてプロジェクトにアサインされることが増えてきました。
当時のSEは数年開発を経験したのち、プロジェクトマネージャーという開発の見積もりやスケジュール管理、委託先の管理など管理タスク中心の役割になることがよくある出世パターンでした。
よくあるパターンだと当時も思っていたので、特に疑問もなくこの変化を受け入れていました。

事業会社への出向

その後もいくつかの現場を経験した後、とある事業会社に1人で出向しました。
この現場では久しぶりに1人のソフトウェアエンジニアとして開発することを求められました。
事業会社は今までのどのプロジェクトとも全然違いました。
ビジネスサイドのメンバーと密に連携して、開発する優先度も事業の状況により適時入れ替わる。運用しているシステムでエラーが発生したら今やっている開発を止めて最優先で調査する。
何よりも、事業会社の社員の方の自分がやったるぞ!!という熱意を身近で感じて圧倒されました。
今まで、業務委託として出向して、当事者から一歩引いたところで開発していた自分としては、みんなが自分ごととして仕事をしている姿に衝撃を受けました。

転職活動

事業会社に出向して1年ほど経過したとき、出向がもうすぐ終わることが告げられました。
1年間だけでしたが、終身雇用を疑いもせず、仕事はお金を稼ぐためにやっているだけと思っていた私を変えるには十分な期間でした。
このとき私の心は事業会社に魅了されていました。
社会人になって8年目、転職活動を始めました。

初めての転職活動、何もわからなかったのでエージェント経由でいくつかの企業を受けました。
当時、グリーやDeNA、サイバーエージェントなどベンチャー企業がメチャクチャ勢いがある時期だったので有名どころを軸に受けました。

結果、惨敗でした。
今まで、出向先で使うから〜や給料上がるから〜という理由で受動的にしか勉強してこなかった私には、事業会社のエンジニアは手の届かない存在に思えました。
ただ、最後に出向した事業会社で覚えたPythonや億を超える大量データを転がした経験を武器になんとか1つの事業会社で内定をもらうことができました。

2社目

プロダクトはRubyで作られていましたが、当時の私はRuby未経験でした。
そんな私でも「Python知ってればRubyも書ける書ける〜」と採用してくれたことをとても感謝しています。

その後、順調にキャッチアップしつつ、小さなチームのリーダーになり、いくつかのチームを束ねたチームリーダーになり、マネージャーへと昇格しました。
この時期に事業会社のエンジニアとして働くことや継続してプロダクト開発する心得など今後のキャリアを築く上で重要なスキルを身につけることができ、自分の選択肢が大きく広がったと感じます。

3年ほど働き、マネージャー職が強くなってきたころ、エンジニアとしての自分の開発力をもっと試したいと考えるようになってきました。
このときには30歳をすぎてエンジニア歴は10年を超えていましたが、ここにきてやっとソフトウェアエンジニアに対する興味が芽生えてきたのだと思います。

2度目の転職

2度目の転職を決意しました。今回はgreenを使って転職活動を行いました。
Webから手軽に面談申し込みできるなど転職活動も楽になったなと思いました。
2社目の経験でソフトウェアエンジニアとしての自信はついてきていたものの、開発言語未経験でも受け入れてくれた現場だったこともあり敷かれたレールの上で開発できているだけなのでは?と自分のスキルにはまだ疑心暗鬼でした。

1回目の転職活動で落ちまくりトラウマになっていたので、ばりばり開発しているエンジニアに面接で詰められたらどうしようと思いながら今回も面接を受けていました。
ただ、1回目の転職活動とは打って変わり、受けた企業の選考は順調に進みました。
2社目での経験で、自分が思っている以上にソフトウェアエンジニアとしてのスキルが身についたのだと実感しました。
内定をいただいた企業のうち、事業が面白そうなスタートアップを選び転職しました。

3社目

3社目、スタートアップでの仕事が始まりました。
思った通り裁量が大きく、幅広く開発することができました。
社内のエンジニアが少なかったこともあり、自分で技術の動向などをキャッチアップしていく必要があるので、キャッチアップ力がかなり高まり、得意な領域以外にも開発基盤の知識やインフラの知識など幅広く身につけることができました。
Qiitaなどで頻繁に外部発信するようになったのもこの頃でした。
これらの経験を経て、自分の選択肢がさらに広がったと感じました。

3度目の転職

スタートアップで働き出して2年ほど経った頃、自分の次のキャリアを見つめ直しました。
裁量も大きく自由に開発できる環境は快適ではあったのですが、独力でキャッチアップするだけではソフトウェアエンジニアとしての成長に限界があると感じはじめていました。
「エンジニアとしての成長が止まっている」とか就職当初の自分では考えられないようなことを考えているな〜と感じつつ、次の観点で転職活動を始めました。

  • エンジニアが一定数所属しており、お互いに高め合える環境

  • 明確に組織拡大している企業

  • 開発現場が整いすぎていない企業

このころは様々な転職媒体があったので、LinkedIn / Findy / Wantedlyの3媒体とリファラルで転職活動を行いました。
リファラルを優先したかったものの、自分の希望と合わないところがあり断念、転職媒体でメッセージをきていたところを中心にカジュアル面談をしつつ選考に進みました。

4社目

転職活動の結果、希望に一番合致する現職に転職しました。
現職で働き出して約1年、エンジニア歴は17年になりますが、開発生産性を意識した開発スタイルやイベントへの積極的な参加や登壇など、新しい経験ができており、日々成長できていると感じています!

まとめ

最初は偶然選択したものが多いですが、全ての選択があったからこそ今に繋がっていると思うと感慨深いです。
今では20代の同僚と話しながら、自分が20代の時には考えられないようなことを考えてすげーなといつも驚かされています。

10代、20代で達観している方もいれば、私のように30代で方向転換する人もいます。
これまでの経験から1つ強く思うことは「人は所属している環境で変わる!」です。

1社目が出向することが多い会社だったからこそ、様々な環境に飛び込むことができ、様々な考え方を吸収することができたのだと感じています。
仮に同じ環境で働き続ける仕事だったら、就職当初の考えから変わらず、1回目の転職もなく、今でも終身雇用のレールに乗っていたと思います。
そして、転職して新しい環境に飛び込むことでさらにドラスティックに変化することができ、自分の取れる選択肢がどんどん広がっていったのだと感じています。

選択に遅いことはありません。
これからもたくさんの経験をして、選択肢を広げ、様々な選択を繰り返して自分の最善の場所を見つけ続けていきたいと思います。

最後にこの記事にピッタリの私のお気に入りの本を紹介します。

3社目に所属しているときに読んだのですが、見渡せる範囲で最も険しいことにチャレンジして、そのチャレンジの結果さらに新しいルートが見えてくる。
選択できるルートが増えたらさらにその中で最も険しいことにチャレンジする。

この選択し続けるという考え方にとても共感したのを覚えています。
また、最初から全てのルートが見えているわけではなく、見渡せる範囲で挑戦していくことでどんどん選択肢が増えていくという考え方もとても良いと思いました。

個人的にとても共感できる内容だったので興味ある方はぜひ読んでみてください。
以下、この本を読んだ私の感想ツイートです。


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