見出し画像

お金は手元に置いておこう!修繕積立金の値上げで思ったこと

先日、マンション管理組合の総会があり、修繕積立金の値上げについて意見交換会がありました。

修繕積立金について簡単に説明すると、マンションは経年劣化していくものなので定期的に改修工事を行います。また、10年など節目の年にマンション全体を点検する大規模修繕工事を行ったりします。

そのときに、巨額なお金が必要になるため、修繕積立金という名目で居住者から毎月徴収して積み立てています。

修繕費はマンションが古くなるほど高くなる傾向があるため、修繕積立金は途中で値上げしていくことが一般的になっています。(修繕積立金についての説明は本題ではないのでこれ以上は説明しませんが、定期的に値上げしていくものと認識していただければOKです)

意見交換会での議題

修繕積立金の値上げについて意見交換会では下記の議論を行いました。

「10年目の大規模修繕でかかる費用を計算したところ、今の積立金額では不足するため値上げが必要です。」

このとき3つの案が提示されました(金額は実際とは変えています)。どの案も値上げ時期が異なるだけで10年目までに支払う総額は同じです。

・案1:7年目から2000円値上げ

・案2:8年目から3000円値上げ

・案3:9年目から6000円値上げ

この3案が提示された場合、あなたはどの案に賛同しますか?

このとき、意見交換会では「案1」を選択する意見が多かったです。

ただ、私がこの中から選ぶのであれば断然「案3」です。

案3を選ぶ理由

案3を選ぶ理由は明確です。

一言でいうと、案1を選んでもメリットが1つもないからです。

(私の想像ですが)案1を選んでいる人は、早い段階から値上げすることで8年目以降の案2や9年目以降の案3と比べて単月の支出が安く押さえられるという理由だと思います。

ただ、それって先に払っているだけで何も得していません。先に払うことで総額が割引されるならわかりますが、今回はどの案も総額は同じです。

また、マンションの場合は何らかの理由でマンションを売却する可能性もあります。その場合も先に払っていたものが返ってくるわけではないので先に払った分だけ損します。

でも手放さず10年目まで払ったら同じじゃないか?となりそうですが、それもNOです。

自分の手元に置いている場合、そのお金の使いみちは自由です。例えば手元にある期間に資産運用して少しでも増やすことも可能になります。

極端な話、支払う側の損得だけで考えると払わなければいけないギリギリまで自分で持っておいて、それまで資産運用するなど有意義に使う方が良いです。

積み立てる理由

支払う側の視点で考えると積み立てる理由はないのですが、徴収する側の視点で見ると積立は必要です。

積み立てず一括で徴収しようとすると、1回の支払いが大きくなります。支払いを滞納する人が出た場合などイレギュラーが発生したときに一括徴収だと補填しなければいけない額が大きくなってしまいます。

そういったイレギュラーに柔軟に対応できるように徴収する側は早期に値上げしてより早い段階で積立金を徴収しておいたほうが良いです。

マンションの住人は管理組合も輪番制でやっていることが多く、居住者としての側面と管理者としての側面の両方を持っています。

ここまで書いたとおり、どちらの視点に立つかで選ぶべき案が変わります。両方の側面を持っているからこそ、ちょうどよい落とし所を探る必要があります。

まとめ

今回は修繕積立金を例に出しましたが、お金の支払いに関しては基本的に同じ考え方で良いと思います。

今回の例のような場合に無意識に案1を選んでしまうようなことがないようにしましょう。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?