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70kgの私は、私のままでモデルになれた。

太い太もも。
大きいおしり。

全部嫌いだった。

体重計の数字は70kg。

私は、私が大嫌いだった。

太っていること。
自分に自信がないこと。

心の中はドロっとしていて、体が不満で満ちていた。


「変わりたい」
と泣いたその日、とある憧れの女性が
「変われるよ」と言った。

私はダイエットを始めた。

毎日自炊をした。
運動もした。
メイクも勉強した。
ファッションも勉強した。

でも体重は全然落ちなかった。

そんな時、「プラスサイズモデル」という仕事があるということを知った。

ぽっちゃりサイズのモデルのことらしい。

胸がザワザワした。

やってみたい。

Twitterに「モデルになりたい」と書いてみた。
これだけで勇気がいった。

私がモデルになりたいなんて言ったらみんなが笑うかな、とも思った。

勇気のない私が、精一杯の勇気をだしてオーディションに応募した。

顔出しを全くしていない食べ物だらけのInstagram。

「Instagramも審査対象なら」と思い、初めて自分の写真をアップした。
投稿ボタンを押す手は震えていたと思う。

返事がきた。
びっくりした。
私はモデル事務所に所属できた。
70kgのまま、モデル事務所に所属できるなんて夢みたいだと思った。

モデルになりたい。とTwitterに書いた3ヶ月後にはモデルになっていた。
実際にお仕事もさせてもらった。

綺麗になろう。
仕事のために体幹を鍛えよう。
ストレッチをしよう。

モデルの仕事は私の生きがいになった。

2年経ち、
私は憧れのカメラマンさんに撮影してもらう機会に出逢えた。

カメラマンの花盛友里さんは普通の女の子のヌードを先着順で撮り続けている。女の子はみんなかわいい。それを教えてくれた。

花盛さんの写真集の帯に書かれている言葉。

「すべてがコンプレックスだった。
だから悩んでた。
たれてるお尻も、小さな胸も、太い太ももも。でも、自分の体が前よりも少し好きになった。」

この帯の言葉を読んだ時、わたしの言葉そのままだ!と思った。


私の体型は変わっていない。70kgのまま。
でも、変わろうとした気持ち、努力したこと、そういったことの一つ一つのおかげで、私は私を愛せるようになっていった。

デニムのブランドのモデルをした。

太い脚。昔は脚を出したくなくて、デニムが履けなかった。履くのが怖かった。

そんな私がSOMETHINGのモデルをした。
TOKYO SOME GIRLSというコンセプトで女の子が5人モデルを務めた。
そのうちの一人に抜擢された。


発売された日、ショップに行った。
POPが並んでいる。
POPをじっと見つめている人がいる。

SOMETHINGのInstagramを見てデニムが欲しくなって買いに行ったよ、と友達に言われる。

嬉しかった。

原宿の大きな街頭スクリーンに私が映し出される。

70kgの私が。

大嫌いだった私が、そこにいる。

もう泣かなくていい。
私は70kgのまま、私を愛せているから。


70kgの私は、
私のままでモデルになれた。


はまゆっこ

読んでくれて嬉しいな。ありがとう!