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暇だから何かしたい(小平市ふれあい下水道館)1/2

暇で仕方がないこと

日曜の朝。気付いたことがある。それは、最近めっちゃ暇なこと。
サラリーマンである僕は月曜日から金曜日までを労働に捧げる。そうすると必然的に土曜は無理に働いた身体を癒さなければならず、ベットというオアシスで過ごすこととなる。そして訪れる日曜日。何をしていいかわからない。あいにく僕には休日に時間を忘れて楽しむような趣味を持っていない。ゲームもすぐ飽きるし、楽器は難しいし、スポーツは仲間が必要である。このようにイケてるサラリーマンの三大イケてる趣味を諦めた僕にとって休日に何かすることは極めて難関ミッションである。だがしかし、さすがに何もしないのは良くない。不意に「週末何してたの?」と同僚から聞かれたら「何にもしなかった」とは言えない。プライドが許さない。まるで僕が暇人みたいに見えるじゃないか。そうして僕は何かしようと考えた。

好きな言葉は入場無料

どうせ一人で行くなら普段いかないようなところがいい。「珍スポットなんていいんじゃないか?」。そう思った僕は珍スポットを探しを始めた。検索すればそれは多くの珍スポットが表示されてくる。なので上のほうに表示されたところに行くことにした。それは「小平市ふれあい下水道館」。東京都の小平市が管理している施設だ。なんでも日本で唯一、自由に下水道管に入って体験、見学ができるというのだ。しかも入場無料である。行政が運営する施設は入場無料の場所が多いので、どケチの僕としては大変助かる。

知らない駅で降りること

早速、下水道館へ向かう。「下水道管」と「下水道館」って掛かってるかも?とくだらないことを考えながら西武線鷹の台駅に降り立った。初めて降りる駅だったが、近くには公園があり、社会人チームと思われる集団がサッカーをしていたり、親子連れやランニングをしている人も多く、周辺住民の憩いの場となっているようだった。ワールドカップの影響でサッカーに興味を持ち始めた僕はしばらくその様子を見つめていたが、その間にすれ違う人々が苦笑いをしながら僕を見ていた。最初は鳥の糞がついているのかと思った。だがそのようのものは見当たらない。結局真相はわからないままだが、自分で推測するにサッカーチームから仲間外れにされた奴と思われたのではなかろうか。確かに、当時の服装は動きやすいジャージ素材のパンツに大きめのダウン。せっかく準備してきたのに試合に入れてもらえなかったのか、そもそもランニングをしていたら偶然自分のチームが試合しているのを見かけてしまったのか。どういうシチュエーションを想像したかははっきりとしないが、仲間外れ感満載の恰好である。しかし、僕はサッカーをしに来たのではない。下水道を見に来たのだ。無駄な想像力はご遠慮願いたい。

小平市 ふれあい下水道館へ

お目当ての下水道館は駅から5分ほど歩くとつく。府中街道という大きな道路沿いに建っており、レンガ造りがなんとなくおしゃれな気がする。外の入り口付近に小さな池や掘進機があり、そこの説明書き面白く、一つ一つ読んでいくと知的好奇心がくすぐられてくる。特に湿地帯の説明が印象深く、「私たちの先祖は玉川上水から飲み水を得ていました」と始まりの一節で、なんだか引き込まれてしまう。確かに昔は小平市を含む多摩地区は何もない場所だったと聞いたことがある。しかし、そんな場所にも少なからず人は住んでいたわけで、そういった人たちが水をどこで得るかといえばやはり、多摩川である。そういった先祖代々お世話になっている多摩川に対して感謝の気持ちがひしひしと伝わってくる。特に次の「現在の私たちが汚した水は多摩川が受け入れてくれています」という一節から、きっとこれを書いた人は僕も含めて多摩川を汚している人類代表として毎晩多摩川に向かって謝罪しているのだろうと考えてしまう。当たり前の存在だった川がとても尊い存在に感じてきた。早速中へ入っていく。

湿地帯の説明書き


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