【財務分析】Sansan好調キープの1Q決算
Sansanの1Q決算
失敗しない事業計画のツボとコツを教える社外企画室長、濱口誠一です(中小企業診断士)
さて、本日は「早く言ってよ~」のCMで有名な名刺アプリのSansanです。
1Qの実績をリバース財務ツリーで見てみます。
売上は+5.6億の増収ながら、営業利益は▲0.6億の減益。理由は、広告宣伝費や人件費等への先行投資等による販管費の+5.6億増加が大きな要因です。
Saasビジネスはなかなか黒字化しないのですが、安定して黒字化できるようになってきており、収益モデルが確立している、といってもいいでしょう
売上分析
売上高、特にSansan事業の売上を分解してみます。
契約件数、契約単価ともに上昇しています。特に契約単価の上昇は利益の向上に最も貢献するので、収益力が高まっているといえるでしょう。内訳は、
・客数:+0.5%向上
・客単価:+24.3%向上
客単価が上がって収益性が上がってはいますが、今後の成長に向けて、という観点で行くと、客単価の上昇には限界があるはずで、客数の増加があまりないことが気になります。解約率は1%以内とかなりいいのですが、逆に新規件数が伸びていない点があり今後のSansan事業の伸びには課題あり、といえるでしょう。
IRでも「イベントテック」という新しい試みを中心に取り扱っており、ポートフォリオの拡大が成長に決め手、と考えていいでしょう
内部のKPIは?
おそらく会社内部では、さらにKPIが細かく分解されて管理されているでしょう。
新規件数→顧客の規模別×業種別→個人目標
というようにKPIが細かく細分化され、
会社の目標=個人の目標
となっていると思われます。皆さんも、ぜひ、自社の
決算書→KPI→個人目標
と自身の目標がどう決算につながっているか見ると、自社の収益モデルと自分の貢献ポイントが見えるようになります。
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