【財務分析】無印良品大幅減益!?少し細かく調べてみた
無印良品大幅減益!?
失敗しない事業計画のツボとコツを教える社外経営企画室長、濱口誠一(中小企業診断士です)。今回は無印良品の決算書について。
ざっと決算短信を見ると、衝撃的な数値が並んでます。
売上高:1739億(前期:4387億)
営業利益:363.8億(前期:363.7億)
しかし、決算短信をよく見ると、この理由がわかります。
今期)2020年8月期
前期)2020年2月期
決算期が変更されているのです。つまり、前期は1年分、今期は半年分だからある意味「下がって当たり前」ですね。
同じ期間で比べてみた
では、期間を合わせるとどうなのでしょうか?
販管費、特に店舗再編によると思われる賃料や人件費減少等で▲69億の減少となってますが、それ以上に粗利が低下しています。主な要因は売上高▲370億の減収で、国内・海外ともに減少してますが、海外の減少幅が大きいですね。つまり、減収減益であることは間違いないです。コロナ影響の大きさがわかると同時に、この環境下で増収増益のニトリのすごさが改めて際立ちます。
当期利益を見てみる
当期利益も見てみます。
営業利益:8.72億
経常利益:5.63億
当期損失:▲169億
経常利益から大幅に悪化するのは、主に減損の影響です。減損とは、資産の収益力がないとみなしたときに、資産に「資産=収益源、としての価値がない」とみなして資産を減額することです(PL上は特別損失として計上)。今回は減損含めて186億の特別損失を計上しており、大幅に悪化です。
とはいえ、株価はポジティブに反応してます。決算発表前に1800円だった株価が発表後は2000円以上に上がっています。これは、「悪材料出尽くし」というロジックです。つまり、「一時的に巨額の損失を出す⇒ここからは回復するのみ」と考えているから、と推測できます。実際、今期は過去最高益を目指す計画となってます。
無印が悪材料出尽くしで復活するのか、それともコロナの影響を受け続け減収基調が続くのか、次の決算が待たれます。
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