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ワンルームマンション投資は危険?元投資物件の営業がお答えします


◆自己紹介

・会社について
静岡県浜松市にて不動産業を営んでいる会社です。
最近は主に首都圏での仲介業をおこなっています。
元々は建設業者として1982年に創業し、不動産業としての免許取得後はどちらの事業も並行して行っております。
ホームページ https://hamasa-corporate.studio.site/

・担当者について
3代目継承予定者です。
略歴:電鉄系の不動産会社(売買仲介メイン・賃貸仲介、管理対応)→不動産テックの会社を複数社経験(①BtoB SaaS・中古マンションの提案アプリ、②ローンテック、③電子契約)
マンション、戸建、土地、投資物件と色々な物件の仲介経験を基に、皆様に寄り添ってその人にとって正しい物件選びのサポートをさせていただいています。

はじめに

こんにちは!
株式会社浜佐工務店の佐藤達弥(さとうたつや)と申します。

今回はよく聞く【ワンルームマンション】についてフラットな立場で記事を投稿させていただきます。
※ここでは投資物件としての分譲ワンルームマンションを取り扱います。
ワンルームマンション購入の誘導もしませんし、特定の会社を批判するものではありませんのでご了承ください。

ワンルームマンションを検討の方や、怖いイメージを持たれている方、色々なご意見はあるかと存じますが、ワンルーム物件の販売実績もある私が実際に感じたこと、考えを共有いたしますのでご覧いただければ幸いです。

ワンルームマンションは悪か

まず、【ワンルームマンション】というワードを聞いてみなさんどういうイメージでしょうか?
Googleのサジェストではこんな感じみたいですね。

Google検索より

非常に印象が悪いですね笑

原因は下記のような事だと思います
・営業の電話がしつこい
・実際に失敗した人の事例などネガティブな記事やSNS投稿やインフルエンサーの発信が多い
・投資物件で起こった事件(いわゆる、かぼちゃの馬車事件等)

あくまで投資なので、リスクを加味して自らの意思でおこなうべきものです。

それなのに、どこから入手したのかわからないリストから、手当たり次第の営業電話がかかってきて、嫌な思いをした方も多いのではないでしょうか?

私個人は同業ですって言うので、すぐ相手方も引いてくれるのですが…
(同業者に勧められないのならやましい事があるのでは?と思ってしまいますが)

最近では節税や、保険や個人年金などと不動産投資では無いような誘い文句で話し始めるので、これが却って悪い印象を与えてるような気がします。

実際はどうなのか、と言われると別にワンルームマンション自体が悪ではないけれども、販売手法やその後の契約体系に悪は存在すると思います。


ワンルームマンション投資とは

そもそも、ワンルームマンション投資とは何かという事から説明をさせていただきます。

簡単に言うと分譲マンションの1室(もしくは複数室)を購入してその部屋を賃貸して家賃収入を得る事です。

ここで、いわゆるサラリーマン大家さんは金融機関から融資を受けて物件を購入する事になります。
個人の信用能力を確認してこの人だったら貸しても大丈夫という金融機関が判断して融資を受ける事になります。
また、物件に関しても抵当権をつけるので、金融機関が資産価値や賃料等の適正など担保として適切かどうかの確認をする事になります。

購入後はローンが開始しますが、その大半を家賃で支払うため実際の支出はそこまで大きくはなりません。
例えば【都内新築ワンルーム 利回り4% 物件価格3,000万円 家賃10万円】であれば、ローン金額、管理費・修繕積立金、管理委託手数料など11万くらいの出費で大体毎月1万円くらいのキャッシュアウトで物件が購入できます。
積立の投資とそう変わらないイメージですね。

↑見ると大丈夫そうな気がしますよね。
ある程度のリスクは当然負うものとして、投資としては問題になりづらいはずなのです。

リスクとしては
・物件価格の下落
・賃料の下落
・空室
・金利上昇
・流動性
こういったものが挙げられます。

これらを加味して投資判断をして、適切なら投資対象としても良いのです。

問題点≒リスク

結局何が問題になるか、というと投資商品としてリスクに見合ってない場合が問題となります。リスクについて個々に説明をさせていただきます。

物件価格の下落

不動産価格について、基本的には経年で減価していくものです。
ただし、今はインフレの影響や不動産市況の盛り上がりなどで、需要の高いエリアの金額が特に高騰してきています。
今後どうなるのか、これは確実なことは言えないのですが、需要の高いエリアについては今後も上がっていくことが予想されます。
建築費の高騰や物価高の影響はしばらく続きそうなため、特に再開発を控えているエリアなどでは新築物件の価格をベンチマークにして中古物件も上がっていくのではないかという見立てが強いです。

これは投資物件も居住用物件についても同じですね。
ここで大事なのは物件価格の下落リスクが低いエリアを選ぶことですね。
当然、人口が減っているエリアやアクセスが悪く、盛り上がりに欠けるエリアであればリスクは高くなっていきます。

賃料の下落

賃料は上記の物件価格とほぼほぼ連動していますので、大事なポイントは同じです。
賃料が下落してしまう場合、ローン金額等は結局変わらないのに収入が減り、手出しの金額が増えてしまい、積立投資のように一定の金額の支出のつもりで保有していたのに出費が増えてしまうことになりかねません。

空室

当然ながら空室期間は全く賃料が入りません。
入居中は支出を家賃収入で相殺できるのですが、空室期間は支出のみとなってしまいます。
例で挙げた3,000万円の物件であれば11万円くらいの出費が空室期間にはかかってきます。
また、空室になった際は再度募集にかかる費用やリフォーム(原状回復)費用がかかってきます。
空室期間が短く済む需要の高いエリアでかつ、これは賃借人によりますが、なるべく長く住んでくれる方が良いですね。

金利上昇

2024年現在、マイナス金利解除で金利上昇の動きが進んでいます。
投資用のローンも銀行が設定する短期プライムレートに連動しているため、金融機関の判断になりますが、上昇の予想がされていますので、キャッシュフローの変化に耐えうる資金計画である必要があります。

流動性

これが今回の記事の本題になります。
ワンルームマンションを金融商品としてきちんと見る上で、出口戦略を立てられるかどうか、これが怪しい物件が多いです。

不動産業者提携ローン

基本的に金融機関はデベロッパーや中古で保有している不動産業者と提携をしています。
そのため、融資においては個人が保有している時よりもかなり通りやすい状態になっています。

例えば、あなたが今法人から購入する場合には【物件価格満額】あるいは【物件価格満額+購入にかかる諸費用】組める物件であったとしても、何らかの事情があり、すぐに同額で売却をしようとした時、次の買い手は物件価格の1割〜を現金の手出しが必要な物件になる可能性があります。
つまり、このケースだと買い手のハードルが上がるのでその時点で流動性が落ちる≒価格が落ちやすくなる、ということになります。

金融機関による融資可能期間の判断

一般的に、投資用の分譲ワンルームマンションは金融機関による融資を受けて買うものです。
そして、多くの金融機関は耐用年数に応じて融資期間を定めています。

例えば築60年まで融資可能期間を見てくれる金融機関があったとします。
築20年の物件をあなたが【今】購入するにあたっては40年残っているので、MAXの35年ローンが組めるのですが、10年後に売却しようとした時には融資可能は30年しかないのです。
買い手からするとキャッシュフローを35年で見れる物件と30年でしか見れない物件があれば、当然長く見れる方を優先します。
また、短いのであれば、安くないと割に合わないですよね。

新築物件と比べてキャッシュフローが良いから、自分の予算に合ってるからという目線で中古物件を買ってしまうと、次の売却の目線が大きくずれてしまう事になりかねません。

サブリース

これは語る内容が多く、思うところは多々あるのですが、悪質なケースは一旦除いて、通常のサブリースの場合のお話をします。

サブリースとは、転貸のことになります。
自分が保有する物件を主に不動産業者に貸してそこから賃料を得て、それを不動産業者が第三者へ又貸しをする形になります。
自分は不動産業者との賃貸借契約を締結するので、その先の第三者の契約は基本的には関係のない形になります。

メリットとしては多くのサブリースは不動産業者との賃貸借契約が有効なので、たとえ物件が空室になった場合でも賃料がずっと入り続けます。
また、基本的に第三者とのやり取りは不動産業者がすることになるので、設備の交換等がなければ、管理の手間はほぼ無いと言えます。

デメリットとしては主なところで言うと
・不動産業者から得られる賃料は第三者が支払っている賃料の90%程度になること(ケースバイケースです)
・不動産業者との賃貸借契約は解除できないこと
他にもあるのですが、流動性の観点からこちらの説明をします。
金融機関はエリアごとに適切な収支のバランスを見て融資条件を決めていきます。
ここで、サブリースの場合には収支が不動産業者から得られる賃料をベースに考えられます。
そのため、立地等の条件がほぼ同じで、実際の賃借人が払う賃料が同じであったとしても、サブリース物件の場合には融資条件が悪くなるということも往々にしてあります。
だったらサブリース業者を解約して、実際の賃借人との直接契約に切り替えれば良いと思われるかもしれませんが、これはできないのです。
借地借家法上、賃借人(今回のケースでは不動産業者)の立場が強く、不法行為をしているなどの正当な事由がない限り、解約はほぼできません。

流動性について まとめ

流動性のリスクについては上記の通りです。
想定したキャッシュフローで出口戦略をきちんと立てられるかどうか、これが資産価値につながってくるのでしっかりと押さえていきたいですね。
そのためには適切な金額で適切な条件で売却ができる物件選びが大事になっってきますので、回答をさせていただきますので下記サイトのフォームより是非ご相談ください。
特定の物件をお勧めしたりすることは一切ないのでご安心ください笑

結論

私は別に分譲ワンルームマンションをメインで取り扱う業者ではないので忖度なしでワンルームマンション投資について結論をお伝えします。

あなたと物件による

すごく投げやりな回答になってしまったかもしれませんが、一概に言えないというのが本音です。

今回はリスク等にフォーカスをして説明したので、どこかでメリット面も投稿できればと思います。
個人的には投資のポートフォリオの一つとして投資用不動産を保有することは良いと考えておりますし、それがワンルームマンションであることが正解のこともあります。
ただ、悪い不動産業者(私の目線では)も多くいることも事実なので、気になっていることやご質問など、まずはご相談いただければ幸いです。

是非下記HPのお問い合わせフォームや、X(Twitter)のDMなどからお問い合わせをいただければと存じます。

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今後とも何卒よろしくお願いします。