価値の分類

交換可能な価値

交換が直接の目的ではないが、交換の目安とするために、”可視化”と称して数値で表示される価値

自身を律するための価値

価値が交換可能になるまでには、幾度もの解釈を経る。

例えば、給料が月20万円なら、衣食住に15万円で、2万円が遊興娯楽、3万円が貯金。

何故そのように計算するか?は、住む場所、着るもの、食べるものに対するその人の好みが反映されるし、貯金に至っては、将来像も反映される。

別の視点から、例えば、とある地域を対象にした食料調達、販売事業を企画するとして、必要な資本を集めるためには、事業自体の損益見通しの他、対象地域に暮らす人々のニーズ、既存施設・サービスとの比較、さらには、副次的効果(利用者増を見込んだ人口増、健康促進、雇用創出等々)を数値化し、評価可能な形を整える。

特に、人々のニーズについては、世代ごとに異なる生活充足のための物資・サービス、所得などいわゆるライフスタイルに関わるため、どの程度まで調査するか?にもよるが、個人個人の、また場合によっては特定グループ(主婦層、家族構成が似通っている人々など)の、好みやビジョンが、数値化に至るまでに様々解釈されていく。

数値化は多くの場合金銭が単位とされる。

結局ほぼ全員が媒介として使用できるコンセプトというものはなかなか存在しないのだから、お金の価値で表示するのが最も実際的。

実際、人が生活すれば、様々なものが交換されていくわけで、その媒介としてお金が使われているのだし、規模の大小や、事業内容の具体性(どれだけ多くの人々が頻繁に必要とするか?など)の違いはあれ、どんな事業も、予算規模とか、期待される効果とかが、金銭価格で表示されておれば、精度はまちまちでも何らかのイメージぐらいは湧く。

価値の交換というのは、つまり、現代では、内容が様々であることはさておき、金銭に直した価値についてのかなり雑駁としたイメージを介して行われていく。

そこで、メタファー

「時間の切迫性 vs. ゆとり」

を導入して解釈の課程を分析しやすくしてみる。

切迫の方は現ナマ

ゆとりは物語り

大体の傾向として、現ナマにゆとりがある人が、物語りも高速にこなし、結果、意に沿った形で物事を動かしやすい。

調べてみる価値が高そうなのは、現ナマのゆとりが同等である人々の間の物語りの違い?つまり、まあまあ切迫しているはずなのに、どうやって物語りでゆとりを削り出せているのか?ただ夢想するのではなく、現ナマが尽き果てて路頭に迷わないような方法。いろいろ物語って余裕を見せつつも実はきちんと金銭的な計算もしっかりとしているような。

調べるために、ベーシンックインカムをパイロット的に実施して、人々の行動を観察してみる?

仮説:金銭価格になおした価値のイメージが自身の生活の必要性や理想に照らして現実的(必要額、理想所得、”切迫 vs. ゆとり”の見積もり(時間のイメージで))また、自身のそれ(物語り)に対して、他者のイメージはどう??これらが現実的であるということは、つまり、必要以上の富の蓄積に走りにくい、ということでは???

ともかく第一原則は身の安全

とはいえ、自身に身の安全上のゆとりがどれだけあるのか?判別するのが難しいわけだから、その判別方法を明確にできないか?

例えば、多くの人々が時間的には、将来を見通して、金額見積もりを行う。但し、”将来”とはいっても、向こう1週間とか、1年とか、10年とか、30年とか、期間は様々。切迫した現ナマ問題ほど、期間は短くなる。

現ナマ問題とは、例えば、実際に生命保険に加入している人や、住宅ローンを組んでいる人のそれは、まさに現実であり、期間は20年、30年先とはいえ、相当縛りがきつい(20年先、30年先の将来を見通せているかどうかに関わらず、金額は計算通りでほぼ動かない)。但し、保険やローンを組んでいるということは、その時点で比較的物質的安全が高い次元で維持されている可能性が高く、物語りのやり方ひとつで、ゆとりをうまく削り出せている可能性も高い。

「ゆとり」の将来見通し(物語り)は、実際のところ金額では見積もったりしていない事柄。何となく大学は行くだろう(行けるかな?)とか、もっと漠然とした不安期待とか、それにどう対処していけるだろうか?というようなこと。これも実際の物質的安全確保の度合いにより、貧しいものほどとにかく細々と定義するまでもなく、不安は大きくて、期待は低くなるはずなので、あまり多様な物語りはできない可能性が高い。

以上から

金額で具体的に算出される将来予測 と 普通金額では語らない将来見通し

に分析の着眼点を集約できるのでは?

ベーシンックインカムを得られる場合、人々の将来見通しは、やや長めの期間にわたって思い描くことが可能となるはず。そうすることによって、とあるグループの人々を対象に、(1)金額による将来見通しと金額では表せない将来見通しを回答してもらい、さらに、(2)似たような境遇にいると思われる他者なら、どういう将来見通しができあがってくるか?についても想像して書いてもらう。出揃ったら、(3)自他がどれぐらい似通っているか?思っていたより違っているか?を評価してもらう。(4)それらを全部まとめて、レポートする。

(ということは、自他評価の正確性の検証??)

ベーシンックインカムを含めることの利点は、シンプリフィケーション(現状の現ナマの過不足も巻き込んだ形になると、ストーリーが複雑になるか、もしくは、将来見通しなどというものが形にならない)。現に最低所得は保証されているのだから、それを得るために必要な諸作業についてほとんど考える必要がない。したがって、より純粋に、「現に達成されていない将来」にフォーカスして様々検討できるはず。

(ちょっとベーシックインカム・パイロットやってる人、やろうとしている人と話してみるか。。。)

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