桂子のひとりごと

波打ち際をずっとひとりで歩いた。
ホッとするのは何故なんだろう。
誰もいないところで、いつまでも存在していたい。

本屋に立ち寄って、のぞきこんだふりをして。
本当は考えることがオーバーヒートで。
店の中の風が止まっていることだけが、あたしの救いだった。

いつだって、みんながあたしに命令する。
どうしてそんなに命令するのかなって思ったら、
好きだから、だって。
ただそれだけの理由で、あたしはこんな風にされていく。

ひまわりの花を見上げたら、夏の朝が涼しかった。
あの頃、まだ自然に笑うことができた。
みずみずしさっていうのは、懐かしい感覚だ。

星空を見上げたら、人工衛星が動いている。
仰ぎつつ、あたしは歩き続けた。
ランドセルを背負った背中が、いつでも頼もしかった。

何にもしないのに、分かったことを言うんだ。
言うことは言うんだけど、ひどく無責任なんだ。
すっごく適当でいい加減。
どうでもいいって言葉が大好きで、何もかもがどうでもよくて。
心の軽ささえも、そんなこといちいち考えてはいないよって。

出来る限りのことはやった。
だからあたしにはやめる権利がある。
何もしていない人が、あんなことをする奴はバカだという。
あたしはバカじゃない。

初めから何もせず逃げたら、そっちがバカ。
ケチはついた人生だけど、
意味のない、無駄な時間だとは思わない。
何もしないで、何も知らない人に、どうして評論できるかな。

努力っていうのはね、ムダに力を使うことじゃない。
必要なことは、必要なだけやっておく。それは何にせよある。
当たり前のことで、努力は決してエライことでもない。

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