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プレオポリス24.6.2

 船橋子ども劇場の高校生の、あっこと言う人がノルウェーの生まれで、「帰りたい」と言うので、大学卒業後、ノルウェーに帰ってしまった。
 日本人の両親の間に生まれたのだが、心はノルウェー人。
 久保田利伸のファンで、彼がテレビの企画でノルウェーまで歌いに来たときは「ゲータリングでお仕事して、その時たくさん話が出来た」と喜んでいた。
 ゲータリングとはゲートと言う意味の仕事だろうか。よくは話は分からない。
 ノルウェー人と結婚して、二人の男児を出産したら、「凄いんだよ、ノルウェーではマイナス十度までは乳児は日光浴をさせましょうだって。考えられる?」と言うことだった。
 日本だったら、凍死してしまうんじゃないかと言うようなところである。

 プレオポリスをどこに置くか、であるが、ドイツあたりか、もう少し北欧のほうでもいいのだろうか。
 少し、寒い所である。
 そんなところで、アニーは青いワンピース一枚で、「ダストチルドレン」と呼ばれる子供たちの中に隠されて幼少期を過ごした。
 ダストチルドレンとは、いわゆる浮浪児である。栄養が行きわたらないため、脳の発達に異常が喫して、どこか奇妙な子供たちである。
 しかし、昼間は遊び、夜は眠る。ただそれだけの原始的な生活。人間本来の生き方とはこのようなものではないか。
 規律も束縛もない。自由を享受する、その中でアニーは生きてきた。

 アニーとは偽名である。本名はニーナ・コラクソン。父親はドリック・コラクソン。つまり、ジェイドリック・バルカーである。
 戦争の中で、母親のベレトリアと兄のアスパは殺され、父親は意識不明の重体。オーレール街のギルト街長に、このダストチルドレンの中へニーナは隠された。
 そしてのちにハマーンファイラーが結成され、ニーナは連れ戻され、「アニーナ・シェリップス」と名乗ることになる。

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