無視したいんだ
浜村凡平です。
少し前から夜になると家の近くから虫の鳴き声がするようになりました。
私は虫に全く興味が無いのでセミかなにかだと思っていました。
音が日に日に大きくなってきて睡眠の導入に邪魔になるくらいの音量になってきました。
その頃には虫無知(むちむちのイントネーションで読んでね。)の私も、これ多分セミじゃないなと気付きました。
音の出所を探ろうと玄関にある通気孔に耳を寄せると「···あれ?音が小さくなってる気がする。···まさか···中にいるのか?」
おいおいおいおい。
ちなみに私は虫に全く興味はありませんが、大の苦手というわけでもありません。
虫を見つけた時のリアクションは、
「ギャーーーー!!!」
ではなく、
「おぉーーん···。もうーー···。」
といった感じになります。
しかし睡眠の邪魔をされるのは嫌だ。申し訳ないけど退治させてもらいます。入ってくるから···。入ってこないでよ···。
色々な物をどかして探してみるも見つからない。
まぁいいやとその日は音色とともに就寝しました。どこか行ってくれと願いながら。
次の日の夜でした。
(また鳴いてるなぁー。どっか行ってくんねえかなー。)
尿意を催したので風呂トイレ一緒のユニットバス(ユニットバスが風呂トイレ一緒って意味じゃないらしいけどここではこれでいかせてよ。いいじゃないの。)のドアを開けました。
······!?
音がでかい!!!
······。
ドアを閉めました。
ドアを開けました。
···でかくなってる!!!
ここだ!!!
私の家の風呂は後からつけたのか下に隙間があります。
しゃがんで隙間の方に近づくと音が大きくなりました。
この下だ!!!
······。
覗いて見ても姿は見えません。試しに風呂を蹴ってみると音が止まりました。
ここだ。確実にここにいる。
どうすればいいんだ······。
とりあえず尿を放出してそこを出ました。
作戦①
水かけ作戦
シャワーから水を出して風呂の色々な角度からかけて溺れさせて退治する作戦。その虫が溺れるのかはわからない。
水をかけると鳴き声は止みました。
1分くらいでまた鳴き出しました。
作戦失敗
作戦②
熱湯作戦
鍋で熱湯を沸かしてそれを風呂の色々な角度からかけて退治する作戦。その虫が熱さに弱いのかはわからない。
熱湯をかけるも鍋が小さく量が少なすぎて鳴き止む事すらありませんでした。攻撃が届いていませんでした。
作戦失敗
作戦③
お湯作戦
給湯器における最高温度70℃のお湯を風呂の色々な角度からかけて退治する作戦。その虫が熱さに弱いのかはわからない。
お湯をかけると鳴き声は止みました。念には念を。しばらくかけました。
5分くらいの静寂。戦いは終わった。そう思って他の事を始めるとまた鳴き出しました。
作戦失敗
作戦④
殺虫剤作戦
埃をかぶっていた噴射型の殺虫剤を3年ぶりくらいに出してきて隙間から噴射する作戦。その虫が殺虫剤に弱いのかはわからない。ただ殺す虫と書いて殺虫なのでおそらく弱いのでしょう。
噴射した瞬間、側溝に小さい四角めの虫が転がってきました。その時にはもう動いていませんでした。
(···君か。申し訳ないけど私も風呂場を守りたいんだ。すまない。)
作戦成功
その後、鳴き声や一瞬だけ見たその最期の姿を参考に調べた所、正体がわかりました。
その名も、
「コオロギ」
というらしい。
コオロギの鳴き声!36歳で初めて知ったーーー!思ってたやつと違ったーーー!色々種類があるんだ!!!そりゃそうか!
三日くらい経った日の夜。また鳴き声が聞こえてきました。
まだ外からの音量です。
頼む。
頼むから。
入ってこないでくれ。
♪銭がなけりゃ~君~銭がなけりゃ~