人類が発明した悪魔のゲーム、ナンプレ

 ナンプレ。ナンバープレイス。数独。などで呼ばれる有名な数字のパズルゲームで、大抵の方はルールくらいは知っているのではないでしょうか?
 
 「縦列、横列、9×9の枠の中で、1から9までの数字を被らないように並べていく」というだけの単純なゲームなのですが、いざやってみると、意外と難しく、なんだか没頭して永遠にやれてしまうのです。クリアしたところで何にも得るものはないし、完全に自己満足でしかない時間があっという間に過ぎていきます。恐ろしいです。

 そもそも仕事中の待機時間に何もしないのが勿体ないので、最初は読書などをしていたのですが、油断していると眠気に襲われ、うつらうつらしてしまうため「いかんいかん!眠くならない暇つぶしは何かないか!」とあれこれ試しているうちにナンプレに辿り着き、これが見事に沼にハマってしまいまして。

 前から好きなゲームではあったのですが、以前までは、ルールに沿って自分なりに考えてみてはマスを埋めてみるものの、どこかしらで行き詰まり、二分の一の選択を仕方なく勘で埋め、少し進めると矛盾が出てきて「終わった!もうどこを直したらいいのか分かんない!やーめた!」と投げ出していました。

 ところが最近のアプリはだいぶ賢くなっているようで、行き詰まったときの為のヒント機能がついており、ボタンを押すとAIが「ここがこうだから、このマスはこれしかないですよね?あれ?気づきませんでした?」と解説付きで丁寧に教えてくれるではありませんか!(主観が混ざっているのでこんな言い方されてたかどうかは定かではない)

 となれば、遊べば遊ぶほど、学習出来て、ナンプレレベルが上がっていくので、分からなかった悔しさと、自分が強くなっていく満足感とが相まって、一問解ける度に「せっかくこの方法を覚えたのだから、忘れないうちにもう一問だけやろうかな?」と無限ループが始まってしまうわけです。

 遊んでいるアプリでは、問題のランクが「簡単」「普通」「難しい」「エキスパート」「エビル」と5段階あるのですが、最初は「難しい」がギリ越せるかもくらいだった私も、今では「エビル」に挑み、詰まりそうになっても「見逃さないぜ!隠れダブル!」「今だ!ポインティングペアっ!」「見えた!必殺Yウイング!」と数多ある技を使いこなし、それなりの難問も解けるようになってきました。ナンプレ楽しい。

 ・・・がしかし、ここにきて、どうやら新たな問題にぶつかってしまったようなのです。

 「ようし、今日も一問いっとくか!」と意気揚々とアプリを開き、問題を解き始めてみるのですが、何故だか今まで得られていた、数字を埋めていく快感、達成感があまり感じられなくなっているではありませんか。私は一旦問題を解く手を止め、なぜだろう?とじっくり考えてみました。


 久しぶりにナンプレでもやってみるか・とアプリをダウンロードしたのはたしか2週間ほど前・・・

 やっぱりこういうパズル系のゲームって面白いんだよなぁ。ちゃんと答えがあって、理論的に一歩一歩進んでいけば、正解に辿り着けるなんて、この混沌の世の中ではそうそうないものだからなぁ。

 辿り着いた喜びはあるものの、その先に残るものは何もなく、ただただ達成感の為に何かを頑張るなんて本当に久しぶりだ。

 何かに没頭出来るっていうのは、たとえ何の意味もないことでもそれはとても幸せなことなのかもしれないなぁ。

 そういえば前の職場のあの人も、もう70歳を過ぎてるっていうのに、ナンプレの本を用意して、休憩中に問題を解いていたっけ。

 電車通勤中に夢中になりすぎて、降りる駅を通り越し、やべぇ!遅刻する!と焦ったのも、今じゃあいい思い出だなぁ。

 探求心をくすぐる謎と、知的好奇心を満たしてくれる答え、たくさんの感動を与えてくれて本当にありがとう。

 あなたと一緒に過ごした時間は、この先もきっと忘れることはないでしょう。

 ・・・そうだよね。きっと答えは最初から分かっていたんだ。

 気づいていないふりをしていたけど、ちゃんと自分の気持ちと真っすぐに向き合おうと思う。

 ・・・・・・。

 遊びすぎてもう飽きたのかもしれない!!!!


 そうなのです。ナンプレに改めてハマり、およそ2週間。暇さえあれば問題を解いていたので、もしかしたら流石に飽きてしまったのかもしれないのです。

 もしもこの先も、ずっとナンプレを楽しめないのだとしたら、これから先の人生、一体何を楽しみに生きて行けば良いというのでしょうか?
 一度知ってしまった喜びを、もう二度と味わえないと分かっていながら、諦めきれずに「もしかしたら!」と挑み続け、「次こそは!」と期待しては裏切られ、を繰り返す日々が続くというのでしょうか?神様は残酷です。

 失意の最中、諦めきれずにナンプレをスマホアプリで遊んでいると、別のゲームの広告が飛び込んできました。

 『キラーナンプレ』

 「ケージ」という概念が加えられ、指定されたケージ内の合計数も考えなければならない、従来のナンプレにひねりを加えた新しいゲーム。

 おっもしろそう!!

 まだまだナンプレ生活、楽しませてもらえそうです。


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