見出し画像

ドリームオーダー研究メモ #1 『ミートor強振 期待値比較』

皆さんこんにちは!浜風ゲーマーズのまじっくきゃっとです。
このnoteでは、プロ野球カードゲーム DREAM ORDER (#ドリオ)に関する考察記事やデッキレシピ等をお届けします。

また、本記事の内容はYouTubeでも公開しております。

補足説明も加えつつ喋っておりますので、ご視聴戴ければ幸いです!


はじめに

今回の考察のテーマは「打者目線はミート・強振のどちらを選ぶべきなのか」。恐らく、ドリームオーダーをプレイすると真っ先に気になるポイントだと思います。

かくいう私も、ティーチングツアー1回目に参加した際、強振でサイコロを振ってやたらアウトになったなぁ、という記憶があり、2回目に参加した際はミートでコツコツランナーを貯め、得点圏にランナーが溜まってから強振することで大量点を獲得することができました。
本記事では、これらの感覚が正しいのかを確認すべく、実際に諸々の確率を調べてみたいと思います。
プレイングの参考になる話が多く出てきますので、参考にしていただければ幸いです!

なお、今回はスターターデッキに含まれているチームカード(12球団どれも数値類は同じ)を分析します。

PSD02 千葉ロッテマリーンズのチームカード

今後のパック展開によっては、このチームカードにも違うバージョンが出てくるかもしれません。当然、チームカードの数値が変われば各種確率や期待値も変わってくることをご了承ください。

ちなみに、他社製ですが「モバプロ2 レジェンド」という野球ゲームでは、過去の特定年・特定球団の打順を基にした「オーダーカード」が出ており、ドリームオーダーでも「1999マシンガン打線(出場可能カード:<ベイスターズ>の選手カード)」のように、何かしらテーマを持ったチームカードが出てくるかもしれません。

ルールの説明

さて、各種考察を行う前に、まだこのゲームのルールを知らない方も多いと思いますので、ざっくり勝負の流れと、今後の考察の前提となる部分を説明させてください。詳しいルールや実際のプレイの様子は、YouTubeの方で対戦動画を上げていますので、そちらをご覧ください!

さて、このゲームの1打席の流れをざっくりまとめると、

① 守備側がサポートカードを1-2枚出す
② 攻撃側がサポートカードを1-2枚出す
③ 攻撃側がミート・強振のどちらで打つかを宣言する
④ AP・DPの数値を比べる
⑤ APがDPと同じ、或いは上回った場合、サイコロを振る
⑥ サイコロの出目と、③の宣言にあわせて打撃結果が決まる

という流れになります。

④の部分について補足すると、サポートカードにはミートか強振どちらかのAP/DPを増やす効果が記載されています(一部例外あり)。

PSD02 藤原選手。右下記載の通り、ミートAP+3、強振DP+3の効果を持つ

仮に投手側がミートのDPを増やすカードを出したとしても、相手が強振で振って来た場合は効果を発揮しません。ここで、「読みあい・駆け引き」要素が発生します。

また、⑤にてDPがAPを上回った場合、その時点で打者はアウトになります。つまり、このゲームにおいてはサイコロを振る前にアウトになるパターンと、サイコロを振った結果アウトになるパターンがあるわけです。

さて、以上を踏まえて、今回は強振とミートどちらが…と行きたいところですが、④のAPDP勝負まで含めて有利不利を計算すると非常に難解になるため、今回は⑤以降の部分に絞って考察を行います。

つまり、今から考察する内容は「スターターデッキ収録のチームカードにて、APDP勝負で毎回絶対に勝てるとした場合、ミート打ちと強振打ちはどっちが良いのだろう?」という話になります。

さて、以上を踏まえて実際に考えてみましょう。

サイコロの出目の和の分布

さて、まずは「サイコロを2個振った時、それぞれの出目はどれくらいの確率で出るの?」という部分から見ていきます。

ⓒ浜風ゲーミング

サイコロを2個振るので、出目の和の最小は2になります。見栄え都合だと思うのですが、1~12の目でチームカードを作るのはどうなんだろう、という気も…。

ちなみに、「6面のサイコロを2つ振る代わりに正12面体のサイコロを振る」のはNGです。正12面体のサイコロは、1~12の出目がそれぞれ8.3%づつ出るようになっており、6面のサイコロを2個振った際の確率分布とは異なるからです。もしかしたらこの先、対戦の際に「6面サイコロないので、代わりに12面サイコロでいいですか?」って聞かれることがあるかもしれませんが、それは罠ですので気を付けましょう。実際はサポートアプリでダイスを振るらしいので、大丈夫だとは思いますが。

考察① 打席あたり期待塁打

前の項目で出した出目の和と確率に、ミート・強振それぞれの打撃結果をかけてみます。

ⓒ浜風ゲーミング

例えば、ミートの5はヒット(1塁打)ですので、ミートで振った場合、11.1%の確率で1塁打が生まれることになります。また、強振の12は本塁打ですので、強振で振った場合、2.8%の確率で4塁打が生まれることになります。

こういった、各打ち方において特定の出目が出る確率と、出た際の塁打数値を「期待塁打」と定義し、この値を足し上げる事で、「打席あたり期待塁打(SEPA)」を算出することができます。要は、1打席でミート/強振で打った場合、大体何塁打期待できますよ、という事です。

さて、SEPAをミート強振で比較すると、強振の方が値が大きいことが分かります。1打席において期待できる塁打値は強振の方が高い。だからこそ、強振で振るべき…

とはなりません。

考察② 試合内期待塁打

フリーバッティングと違い、試合における野球の打席は有限です。特にこのゲームは3イニング制のため、9アウト取られたら試合が終わります。そして、先ほど出したSEPAの値は、あくまで「1打席の中で期待できる塁打」であり、試合全体を見たものではありません。

例えば、「ミートなら100%1塁打」「強振なら50%の確率でアウトだが50%の確率で4塁打」という状況の場合、SEPAはミートだと1(100%)×1(塁打)=1、強振だと0.5(50%)×0(塁打)+0.5(50%)×4(塁打)=2と、強振の方が高い数値となります。

しかし現実に、野球で「100%シングルヒットを打つ打線」と「50%の確率でHRを打つが50%の確率で凡退する打線」で比較した場合、明らかに前者の方が点を取ります。前者は1アウトも取れず100連打できますが、後者は平均6人くらい打ったところで3アウトチェンジになるからです。

というわけで、ミート強振の比較においては、「ミートor強振で打ち続けた場合、1アウト取られるまでに何回打席に立てるか」という要素を加味して分析する必要があるのです。

(再掲) ⓒ浜風ゲーミング

この値は、先ほどの出目別塁打において「0」となっている部分の確率の総和で求められます。ミートなら出目が2~4の際にアウトになるため、アウト率は16.7%。対して強振の場合は2~6の41.7%の確率でアウトになるわけです。

ⓒ浜風ゲーミング

ミートの場合、1/6の確率でアウトになるわけですから、1アウトになるまで平均6打席打てると考えられます。同様に、強振の場合は15/36の確率でアウトになるわけですから、1アウトになるまで平均2.4打席打てると考えられます。そして、1打席毎にSEPAで算出した塁打数が期待できるわけですから、1アウトになるまでの打席数にSEPAの値をかける事で、「1アウト取られるまでに期待できる合計の塁打数」(SE1/Slugging Expectancy during 1 out)が求まり、これを9倍すると「1試合内で期待できる合計の塁打数」(SE9/Slugging Expectancy during 9 outs)が求まるわけです。

そして、このSE9が「スターターデッキ収録のチームカードにて、APDP勝負で毎回絶対に勝てるとした場合、ミート打ちと強振打ちでそれぞれ1試合合計何塁打打つことができるか」を指す値になります。ミートだとSE9は49.5ですから、1試合で49.5塁打合計で打てる。他方、強振ではSE9が25.2ですので、25.2塁打しか打てないことが分かります。

勿論、塁打数を得点に換算するには、アウトのタイミングやHRのタイミングなども含めて考慮が必要ですので、塁打数が高い=点が入りやすい、という訳ではありません。ヒット10本で1~2点しか入らない残塁打線もこの世にはあります(自分の贔屓球団を思い浮かべた方も多いでしょう)。ただ、塁打期待値が1試合で2倍ほどの差がついていることを考えると、ミート打ちの方が有利であると考えて良いのではないでしょうか。

「はじめに」で記載した実体験の通り、このゲームは9アウトで試合が終わり、しかもサイコロ振る前にアウトになるケースもあるので、サイコロ振ってアウトになる事の試合に対する影響度が高く、それが強振不利の一因となっているのだと思われます。

その他に考慮すべき条件

さて、この結論だけが独り歩きしてもよくないと思いますので、改めて、今回の考察では考慮していないポイントや、ミート強振比較の際に考慮すべき条件に付いても触れておきます。

ⓒ浜風ゲーミング

上に記載のAPDP勝負の話は、例えば「サポートカード1枚における強振/ミートのAPDP平均を出し、AP平均-DP平均の値が強振>ミートであるなら、強振の方が打者にとって有利になる可能性がある」というような考え方ができます。
また、デッキ構築の際の傾向から、「環境に強振DPサポの枚数が少ないデッキタイプが多く、その分強振打ちが勝ちやすくなる」といったゲーム事情が発生する可能性もあります。このあたりの考察については、スターターとブースター第1弾の一部カードしか公開されていない現状で考察する価値は低いため、サービス開始後に改めて考察出来ればと思います。

下に記載のダイス効果カードについては、例えば下記のようなカードが当てはまります。

PSD02 中村選手

実は出目操作系のカードはこのゲームにおいて非常に強く、詳しくは次回の考察記事で紹介する予定ですが、今回は「強振+1」の効果だけ実際に分析してみます。

「出目+1」効果の強さ

先ほどと同じ手順で分析を行います。

ⓒ浜風ゲーミング
ⓒ浜風ゲーミング

今回は「強振+1」が働いているため、出目の和が6であってもヒット扱いとなるわけです。よって、SEPAも約1.17→約1.64へと上昇します。また、アウト確率も同様に41.7%→27.8%と大幅に下がるため、SE9の値は53.1まで上昇。ミート打ちのSE9を上回りました。

つまり、何もない状態ならミート打ちの方が期待値が高いが、強振+1の出目がついているなら、ミート打ちよりも強振した方が期待値が高い、と考えることができるわけです。
(何度も繰り返しの強調になりますが、塁打期待値と得点の関係を考えるには他にも要素があります、あくまで1つの参考程度に思ってください)

ちなみに、スターターの小島投手が持っている「打撃判定中出目-1」効果が絡んだりするとどうなるか、という話など、出目操作系効果の話は奥が深いので、このあたりは今後の考察をお待ちいただけますと幸いです。

おわりに

というわけで、今回はミート強振それぞれの期待値について考察しました。発売前から期待度が高く、またサイコロという運(に見せかけた確率に基づく戦略、と見せかけて結局運)要素も絡んだ面白いゲーム性のTCGだな、と思っています。今回考察した諸々の分析とかを忘れて、ただただ好きな選手と共にサイコロを投げるだけでも楽しいゲームですので、是非皆さんも一緒にドリームオーダーをやりましょう!

このnoteが良いと思った方がいらっしゃいましたら、リポストと拡散、note/X/YouTubeのフォローをよろしくお願いします!

■YouTubeチャンネル

サポートいただけますと活動の励みになります!