銭湯のサウナについて

週に1-2度、銭湯のサウナをするようになった。

サウナは近頃とみに話題である。私はサウナについてはトレンドのフォロワーという側面が強い。

最初は、温冷交代浴(ヨッピー)というかたちで銭湯に興味を深めた。熱い風呂と水風呂を交互に入るものである。手っ取り早く市内の銭湯を探し、入ってみた。「んん〜? こうかな〜?」と思う感触はあったが、強い驚きのようではなかった。今からしてみると、ピンときていなかった。ピンときていないから、評価軸も定まらなかった。

その後しばらくは仕事が立て込んだりしてしばらく行かなかったが、その頃にタナカカツキ『サ道』(漫画版)を目にした。結果的にいうとこれでハマった。

私が言いたいのは、おのれのととのいを発見するまではstay hungry stay foolishだということだ。多分温冷交代浴で十分な人というのもいる。温冷交代浴という形でヒートする方に湯船を使うのではなく、サウナでやる方が自分にとって適していた、ということなのではないかと思う。

ととのいの鮮烈な体験を一度知ることで、鮮烈ではないととのいを掬い上げることもできるようになる。変な不満のようなものもなくなる。『サ道』でも書かれているが、ととのいがなければだめ、というのは本末顛倒で、ある意味で広い風呂に使ってゆっくりすることで相当程度満たされる幸福感ということがある。

しかし一方でサウナでととのいたい、あの鮮烈な多幸感を、と求めていくのもわかるところはあり、そういう中でまたサウナを銭湯に巡る旅が、幕を開ける。

いろいろなことがあるが、サウナは「熱い」「冷たい」「リラックス」が大事だ。やはりサウナ室は熱い方がいいし、水風呂は冷たい方がいいし、ととのいスペースと呼ばれるベンチとか背もたれ付きの椅子があると望ましい。

しかし、なかなか煮え切らないサウナ室というのがしばしばあるし、単に水風呂に氷が出てきたら良いかというとそういうこともない。背もたれつき椅子が水風呂の前にある銭湯は京都では私はまだ1軒しか出会えていない。でもそこはちょっと自分の生活圏からは離れてしまっているのが残念である。

仕方ないので、生活圏でのベストを探すことになる。まずサウナ室について、ミストサウナ・スチームサウナとドライサウナがあるが、これはどちらがいいというよりも、どちらも銭湯によってしつらえが随分違う。古めかしいミストサウナでも覿面に効くところもあれば(さいわい通勤路にあるのでここを私は勝手にホームとしている)、同じような古めかしいミストサウナでもイマイチ決まらない所もあるのだ。もちろんドライサウナも色々だ。

サウナの危険性はいろいろあると思うが基本的には体に負担がかかるわけなのでそうした問題を抱える患者は医師の指導を仰ぐにしくはない。脱水は不可避であるから水分補給は十分する。

そして、もう一つ、働き盛りの男性の30歳プラスマイナス10歳ぐらいの年齢で問題になるだろうことは精子が減少する危険性があるということである。この、精子減少に寄与しうるリスクは複合的で、目を瞑りたくなる、できれば否定したい、と思うかもしれないが、直視するのが賢明だと思う。実際に精子が少なくなるかどうかではなく、それが妻に対する誠意であると考えておくほうが良い。古人曰く「奉って、納める、と書いて、奉納の精神じゃないか」と。

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