社会人になって思うこと
ふと思い立って、ちょうど今から4年前に行った、ベトナムでのインターンの証言集を買った。
その中で「証言」をしている46人の中に、4年前の私がいる。
「他人の思う自分ではなく、自分の思う自分で」
インターンで一緒になったチームメイトが私に言ってくれた、この言葉。
今でも私の行動の指針になっている。
社会人になってもうすぐ1年が経つ。
仕事では、これは得意だなって思うこともあれば、これは苦手だからやりたくないなって思うこともあった。
得意なことは楽しく取り組み、苦手なこともまずは挑戦してみた。
やらなきゃ絶対にできるようにはならないって知ってたから。
本当は、人前で話すことが大の苦手だった。
でも仕事が修学旅行の添乗員だから、人前で話すことなんてたくさんある。
出発式から始まり、バスの中、観光しながら、ホテルに着いたあと、人前で話すシチュエーションは無限にあった。
最初の頃は、こんなの本当に1人でできるようになるんだろうか…と不安だった。
修学旅行の企画を採用してもらうのだって、プレゼンをしなければならない。
先生方の前で、パワーポイントでプレゼンをした。
トラブルでパワーポイントが使えなかったこともあった。
終わった…と思ったけど、なんとかなった。
そのプレゼンをした学校は、なんと採用されることになった。
1人で修学旅行の添乗にも行けるようになった。
人前で話すのは好きじゃないままだけど、挑戦すれば苦手なこともできるようになることを知った。
大学生のころの私は、社会人になるのが怖かった。
働いている大人たちが楽しそうに見えなかったから。
なんだか、目的がないままに働かなきゃいけないから働いているように見えたから。
だから、どうしたら自分はやりがいを持って働けるようになるか考えた。
私が働く目的、なんのために働くのかを一生懸命考えた。
普通に働いたらダメだと思っていた。
地元が好きだった。
高校時代をすごした、この町が好きだった。
理由は色々こじつけてたけど、結局この高い山に囲まれた、食べ物のおいしいこの地が、ただただ好きだった。
「この地元のことを好きな人を増やしたい」
これこそが、私がここで働く目的だとそう決めた。
これは今も変わっていない。
社会人になって、初めてこの地域の人たちと一緒に働いた。
この地域で子供を育て、働いている人たち。
みんな、プロフェッショナルだった。
家では、私の両親と同じように普通のお父さんお母さんだけど、仕事に来ればプロだった。
けっしていつもいつもすごいことができる訳ではなく、当たり前のことを毎日当たり前にこなすことの難しさ。
たくさんの人が当たり前のことを毎日積み重ねているおかげで、世界は回っていることを知った。
私はなんて傲慢だったんだろうって思った。
この地域のことが好きなのに、この地域を支えている人たちのことをちゃんと見ていなかったなんて。
うわべだけの楽しさと、キラキラしているようなことに憧れて、自分が何者かになれたと錯覚していた。
けっしていじめられたりした訳じゃない。
ただ、私も同じくらい、当たり前のことを当たり前にがんばれる人になりたいと思った。
仕事なんて一生懸命やるから楽しくなるんだよ
って言葉は今でも胸に残っている。
こんな大人になりたいんだ、私は。
こんな大人に会いたかったんだ。
どこにいたってやっていける、そんな強さを持った人に。
人はいつだって人に期待をしてしまう。
「他人の思う自分ではなく、自分の思う自分で」
この言葉を貫き通せない時だってあることを知った。
それでも、自分の人生を生きるのは結局最後は自分だから。
私は私の思う自分をどこまでも追いかけたいと思うんだ。
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