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ネイティブ・ジャパニーズからの贈り物

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ネイティブ・ジャパニーズ探究家 亀山理子が東北の小さな浜からお届けするLIFEマガジンです。土地に根ざし、自然とともに暮らすネイティブ・ジャパニーズから教わった知恵や学び。自身の…
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#未来

未来の生き方は限界集落に聞け

 宮城県石巻市の牡鹿半島に位置する蛤浜。私はここで夫と暮らしながら「浜の暮らしのはまぐり堂」というカフェを営んでいる。  蛤浜は住民わずか3世帯7人の小さな集落だ。住民構成は70代前後のご夫婦が2組、その下に夫を含めた40代が2人、そして30代半ばの私である。蛤浜を含むこの牡鹿半島部の浜々は3.11で大きな被害を受けた地域でもあり、震災後の人口流出は著しく、近隣の浜々でも高齢化は進む一方だ。    だが美しい海と山とに囲まれたこの浜に生きる人々と関わりを深める中で、私は「果

#7 希望をつなぐ(後編)

 #6で書いたような話し合いと準備を経て、いよいよ2021年11月、はまぐり堂にて、浜のお母さんたちと若者たちが交流する初めての体験ツアーが開催されました。  朝、浜に集合したツアー参加者の皆さんは、はまぐり堂オーナーの亀山と一緒にカゴ漁の体験からスタート。 私としょうこさんのスタッフ2名はお米を炊いたり味噌汁や魚のフライ、野菜のお惣菜を用意したりして、お昼ごはんの支度をします。  お昼近くになると、今回協力してくださる2人の浜出身のお母さんたちも到着。それぞれが作ってき

#5 希望をつなぐ (前編)

 前回#3、#4でご紹介した、サステナブルデザイン工房さん主催の「石巻のもう一つの宝を見つける」をテーマとした地域の学習会。  私たちが初めて参加させていただいたその翌月の会では、ゲスト講師の結城登美雄先生から参加者の皆さんへ向けて、次のような提案をいただきました。 「これからの地域づくりを考えたときに、食べものをベースに置きながら、次の世代がやっていける、そんな方向も見据えて、みなさんが積み上げてきた経験と知恵と…いろんなものをぜひ、アドバイス、リレーさせていただければと