債務残高増加と金利上昇で米国は銀行も家計も火の車

今年のFRBによる利上げによって、米国金融機関のカネ不足が顕著となってましたが、多くの米国銀行がFRBに泣きついて緊急融資枠の美名の下で借金を増やして自転車操業をやっている模様です。



資金手当てに窮した銀行等が、Bank term funding program(BTFP)を利用してFRBから巨額借入を増やさざるを得ないということでしょう。

利上げ後に保有米国債の時価損失額が膨らみ、資金不足に陥ってる為、満期の「額面」と同額(=債券の損失分は自動的に穴埋めされる額)の融資を受けられる制度は有り難い、ということかと。


資金需要の高まる年末時期に向けて、11~12月の資金不足がいかんともし難いということで、借入額を増やさないと無理なのでしょう?


銀行等の金融機関がFRBの借入額を増やしてきた話は、以前にも指摘した。

22年末時点には約168億ドルだった借入額が、半年後に2800億ドル超と大幅に増加していたわけです。

これにはBTFPの借入額が含まれているのかもしれませんが、11月以降のBTFP借入額の300億ドル程度の増加という表に見えてる額どころの話ではないのです。



大手銀行だけじゃなく、booking.comなどの不払い問題が騒ぎになっていた時期の話なのです。

その後、FRBが銀行への借入増額や米国大手金融機関とか謎の海外投資家or 外国中央銀行が資金供給を支援したのか、米国債の買い資金が復活し金利が下がったわけです。

それに平行してBTFPの借入残高も大幅に増加したようです。小賢しい資金繰りを裏でやったはずですね。



大手銀行の資金繰りの困窮だけでは済まず、地域銀行が現実に破綻した為に、FRBに泣きつく金融機関が殺到したのでしょうw
仕方なくFRBが資金手当てをできるよう、貸出を増やしたわけです。


(これが日本の場合だと、97年の拓銀破綻の際には、日銀に資金貸出を拒否させた連中(当時は大蔵支配下だったので、政治的理由でしょう)がいたのです。意図的に金融不安を煽り、銀行破綻に導いて金融支配をしようと目論んでいた連中がいたからです。)


米国の流動性が低下し、金融機関がカネ不足に陥ってると窺われるデータは他にもありました。


米国経済というのは、見かけ上の繁栄を装ってはいるが、実態としては「借金を増やし続ける」→「インフレ率が高騰する」ということで、過剰流動性を元に株高・不動産高といった資産価格上昇によって巨万の富を築くという戦法なのです。

しかし、その株価上昇は誘蛾灯のような効果を持つ為に、「マグニフィセント7」株のような巨大な時価総額をもたらすわけです。


こうした手法について、リーマンショック以前に指摘したことがある。


米国経済は、概ねこの想像したような経過を辿っているように思います。


行動様式としては、多重債務者の自転車操業のようですねww


家計債務もクレジットカード債務残高の増加として見てとれます。


これまでは、見合うコストを払わずに借金を増額してきたので、今は金利上昇やインフレ税でコストを払うターンになっていると思います。



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