and I love car

 千葉雅也氏が、『友人と電話していて、モチベーションが上がらないみたいな話をしていたので、車買ったら?と言った』というツイートをしていた。車の試乗レビューをしてるYoutubeは好きでよく見るけど、いまいち文句なしにほしいみたいな車が見つからない。車は、大学生の時、免許をとった後にバイトでためたお金で激安の中古車を買ったきり、今は所有していない。
 初めて買った車は、三菱の2ドアクーペでミラージュ・アスティという車だった。ネットでみつけて少し遠くの中古車店にわざわざ買いに行ったら、店のおじさんに気に入られて、ただでも安い車をさらに値引いてくれた。すこしだけ紫がかったシルバーの変わった色で、リアは三菱ランサーっぽいデザイン。最近知ったが、ミラージュ・アスティの4WDはスノーラリーで優勝常連の車だったようだ。1トンを切るような車重でエンジンは非力だったけど、手足のように操れる感覚があった。6連だったかのCDチェンジャーがトランクに付いていて、それにThe RaptureとかThe MusicとかLCD Soundsystemのアルバムを入れて聴いていた。
 廃車にするときは、急に想像していたより悲しい気持ちになってびっくりしたのを憶えている。車というのは工業製品なのに、特別な物で乗っていると心が通うし、手放す時はものすごく哀愁がただよう。これは愛車を手放したことがある人ならわかるのではないだろうか。他にそういう製品はあるだろうか?ギターは近いかもしれないが、基本的に気に入ったギターは手放すことがない。車は基本的にはかならず寿命があり、別れがある。自作パソコンにも寿命があるが、捨てるときには新しいパソコンに夢中になっていて、悲しさはない。オーディオ・アンプなんかは近いかもしれないが、これも壊れでもしないと中々手放さない。車は特別なプロダクトなのだ。
 電気自動車が総合的に本当に地球環境にいいのか疑わしいところもあるが、いずれにせよ欧米中はEV中心になるので、つまり世界は電気自動車だらけになるだろう。しかし、電気自動車にガソリン・エンジン車のような愛着を持てるかは疑問が残る。エンジンの音が聞こえないというのはすなわちディスコミュニケーション状態ではないだろうか。純粋なガソリン・エンジン車はどんどん手に入らなくなっていくだろうから、そろそろ車を買っておいたほうがよいのかもしれない。それでYoutubeでいろんな試乗レビューを見るけども、どの車がよいのかわからない。
 そもそも自分がどういう車を好きなのかはっきりと把握できていないところがある。ミラージュ・アスティの影響かあまり車重が重い大きい車よりはコンパクトで軽快な走りの車が好みな気はする。でも家族3人が快適に乗れて、もしもの時の衝突安全性能も高いほうがよい。基本週末しか乗らないだろうし、奥さんは運転できないので、車は贅沢品だ。首都圏では徒歩圏内にだいたいなんでもあるので、生活に必須ではない。カーシェアにも入っている。新車であることにこだわりはなく、安くていい車が手に入るなら中古車でよい。むしろ最近は新車は納車まで何ヶ月もかかるので、待たされるのは嫌だ。
 ゴルフ7.5あたりは中古で安いしデザインも悪くなくて、よいかなと思う。けれど中古の外車は修理や部品交換料金が大変という話も聞くのでちょっと不安である。MAZDA3はオーディオの音が良いらしいし、内装もかっこよく走りも悪くなさそうだ。デザインはちょっとかっこよすぎて、もう少し無骨でもいいかなと思う。ジムニーシエラの5ドアがでたら、デザインは好きだけど4ATだし悪路もキャンプの時くらいしか行かないのに欠点にがまんできるだろうか。スイスポは後席が狭そうなのと、どうせ飛ばさないのに運転が楽しいのか疑問である。フィットは快適そうだけど、顔が好きじゃない。最終的には試乗するしかないんだろうが、めんどくさがって、またYoutubeでレビューを見るのである。

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