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酵素の働き


 酵素とはタンパク質の一種ですが、特定の分子に出会うと、その分子をちょん切ってバラバラにしてしまう働きがあります。
 これは、その分子の構造と酵素の構造がピタリとハマってしまう事で、分子の繋がりの特定の部分がちぎれてしまうために起こります。
 ですから、何でも分解できるのではなく、一種類の酵素が分解できる分子は一種類だけなのです。

 しかし、一つの分子を分解できる酵素は一種類ではなく、複数あります。
 でん粉を分解して、ブドウ糖にしてしまう酵素はアミラーゼといいます、昔はジアスターゼと言われていましたので、年輩の方はこちらの方が親しみがあるかもしれません。
 このアミラーゼにも種類があります、α-アミラーゼ、α-グルコシダーゼ、グルコアミラーゼです。

 これらの酵素には、2つの役割があります、例えば α-アミラーゼは『エンド型』と言われる酵素です。
 『エンド型』は、長いでん粉の分子のあちこちをバラバラにしてしまう酵素で、別名『液化酵素』と言われています、でん粉の大きな分子をを大雑把にバラバラにしてしまう酵素ですね。
 バラバラに断片化されたでん粉は、デキストリンと呼ばれます。
 よく食品の成分表に書いているやつです。

 さて、その断片化されたでん粉の端に取り付き、順番にぶどう糖のレベルまでバラバラにしてしまう酵素が『エキソ型』と言われている酵素で、 α-グルコシダーゼ、グルコアミラーゼなどがそれです。

 麹菌は菌糸からこれらの酵素を出して米を分解しながら米の中に入り込んでいきながら成長していきます。
 ちなみに麹菌は、この他にもプロテアーゼというタンパク質を分解する酵素もだします。
 お酒のアミノ酸はこのプロテアーゼの働きで分解されたタンパク質なのです。

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