子供を生む出芽酵母

 酵母菌といっても、自然界にはものすごくたくさんの種類が存在しています。
 この無数の酵母菌を大雑把に2つのグループに分類すると、分裂酵母と出芽酵母になります。
 そして日本酒やワインや麦酒などに使われているのは、出芽酵母と呼ばれるタイプの酵母群です。

 普通、単細胞生物の細胞分裂というと、一つの細胞が真っ二つに分かれて分裂するイメージですよね、これは分裂酵母です。
 人間など多細胞生物の細胞もそのように分裂していますが、出芽酵母は、どちらかというと、出産するイメージです。

 丸い酵母の一部がぷっくりと盛り上がってきて、やがてそれが大きくなり、風船を膨らますように、子供の酵母が膨れてきて、最後はプツンと接合部分が切れて別れます。

 ですから、酵母菌の表面には、この跡「出芽跡」と呼ばれる丸い跡が残っています。

 この跡が多いほど、たくさんの子供を産んだ年輩の酵母という事ができますね。

 ところで、聞いたところによると、アフリカ大陸でネイティブの人たちが伝統的に作っているお酒は、この出芽酵母タイプではなく、分裂酵母が使われているそうです。

  出芽酵母ほどのアルコール生産能力はないそうですが、まったく違う風味がでるのではないかと、興味がわきますね。

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