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【声色ききみみずきん】#20 堂本光一さん、堂本剛さんの声は、外見からは想像つかない、深さと強さと繊細さがある

ジャニーズ事務所のKinki Kids・堂本剛さんの声を「慈愛と孤独」と表現された方がいる。
興味を持って、おふたりの声にききみみを立ててみた。

●二人共、関西出身。
●同じ苗字だけど、兄弟ではない。

という、かなりざっくりした知識しか持ち合わせていなかったけれど、
いやぁ~、驚いた!

聴いて良かった~♪ またまた魅力的な声に出会えた!

二人共、1979年生まれ。なんと今年(2019年)で40歳。
デビューが1993年ですから、結成26年。中学生の頃から活動していたのね。

堂本剛さんは、明るい関西系のノリの楽しい人という印象だったのだけれど、動画で観察すると、口を開かないまま、トツトツとしゃべっている。
心を開くのが苦手なのだろう。声も前に出さず、かなり内省的。子どもの頃から芸能界で活躍すると、素の部分は、テンションが低めになるのかもしれない。孤独な雰囲気もある。

そこで、歌声を聴いてみた。
もう~~、ビックリ!

その繊細さ、その美しさ、センスの良さ、音楽性の高さ。素のおしゃべりの部分よりも、歌声の中に、剛さんの本質を感じる。

ちょっと調べてみると、以前は過呼吸や、パニック障害に苦しんでいたのだとか。10代の頃の記憶は、ほとんどないのだそうだ。眠る時間もないぐらいに、忙しかったのだろうから。

苦しかった。 死にたかったけど、死ねなかった

まさか、ジャニーズの現役アイドルが、こんな発言をしているとは思わなかった。相当、追い込まれていたのだろう。最も辛い時期に、番組で知り合った大先輩のミュージシャン吉田拓郎さんなどからギターを教わり、音楽を奏でることで、救われたのだそうだ。

私は以前、うつ病の患者さんたちは、症状が少し軽くなると、「歌う」「踊る」「楽器を弾く」のどれかに挑戦したくなる、と聴いたことがある。動き、音、響きなどが人間の心を開くためには必要なのだと、私たちは、本能で知っているのだそうだ。

彼を孤独な暗闇から救ったのは、音楽という「」だったのだろう。古い楽曲ですが、吉田拓郎さんの「人生を語らず」を堂本剛さんがカバーをしている。これ、良い。とっても良い。

辛い時期を超えた人だけが持ち得る、声の響き。どん底を経験したアーティストの作品は、しなやかな強さと、深みを感じる。彼を救った音楽は、とてつもなく繊細な響きを持ち、同じように孤独で苦しむ若者の心に一条の光を投げかけているようだ。

彼の存在を「慈愛」と表現された意味が、私にもしっかりと伝わってきた。

◆◆◆

剛さんの相方、堂本光一さん。

外見は、剛さんにくらべて女性的なので、勝手に、女性性が強く繊細な人なのだと思い込んでいた。女性性が強いのは、むしろ剛さんの方かもしれない。

光一さんの声は、一見柔らかい中音域の声のように感じますが、かなり芯の強い声。

誰かと、声の雰囲気が似ている…

そこで思い浮かんだのが、同じ事務所の大先輩・東山紀之さん。声の雰囲気が似ている。リーダーシップがとれる人の声なのだと思う。ざっくりしているけれど、厳しさもあり、抜けもあり、同性からも好かれる声だ。

帝国劇場の最年少座長に抜擢され、主演のミュージカルは、現在も続けられている。上演回数が、1000回を超えているのだそうだ。これは、並大抵のプレッシャーじゃないだろうな。座長として他の出演者やスタッフを統率して行かなければならないし、病気や怪我で、舞台に穴をあけるわけにもいかない。強じんな肉体と精神がなければ、とても続けられない。

大きな事務所に所属しているからといって、全て他人任せにしているだけでは、ここまでの力は育たない。相当な努力や苦労を重ねている人だと思う。

彼がここまで育ったのは、場が与えられたということもひとつの要因だけれど、相方の剛さんの苦しみの側にいた、ということも大きいのだと思う。自分がしっかりしなくちゃ、という自覚が芽生えるだろうし。

繊細な人の相方は、かなりザックリした感覚の人が多いのだけれど、バランスをとらないと、一緒にいることが難しくなるからなのだろう。

光一さんも繊細な人だけれど、ベクトルが剛さんとは別方向なので、一緒に活動が出来るのかもしれない。内包する世界観も、まったく違うし。

それでも一緒に活動が出来るのは、子どもの頃から苦労を分かち合い、積み重ねてきた時間の重みがあることと、相手は本物のアーティストであるという、お互いを尊重する気持があるからなのだと思う。

心地良い距離を保ちながら寄り添っている感じが見え隠れしていて、とてもステキなふたりだ。

それと、一緒にいる時は、ふたりともすごく力が抜けている。ふたりとも、声がボソボソして、あまり前に出ていない。きっと相方が側にいることで、空っぽになって、安心しているのだと思う。お二人の声は、長年連れ添った夫婦みたいに感じる。

近いうちに、剛さんのライブや、光一さんの舞台を観に行ってみようかな。
キャー!って叫んでみたい。

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