見出し画像

【声のお悩み相談室6】話していると息苦しくなる

Q-6
話していると途中で息苦しくなります。
息継ぎ、どこですれば良いの?
なんて、つい迷ってしまいます。(52歳・ゆきんこさん・女性)
 

A-6
息苦しさは、胸から下を使うと改善しますよ。

話している時に、息、止まっていませんか?
緊張が強くても、考える事に集中していても息は止まりがち。

声を出すときには、息を吐きながらというのが原則です。
ところが、さまざまな理由から、息を止めたままで話している人がとても多くなっています。

ある生徒さんは、
「自分の息が匂うような気がするから、人に息をかけるのは失礼だと思って、息を止めて話していた
と気づきました。

また別の生徒さんは、
「私の話なんて、喜んで聴いてもらえるはずがない」
と感じて、話すときは、つい緊張し、息を呑んで話していると気づきました。

「境界を、侵すのも侵されるのも嫌で、自分をかためて、自分を守らなくちゃ」
という気持ちになって息を殺していた人もいるようですよ。
これは、かなりしんどい状態ですね。

また、単純に身体を使うことが少なくなって、胸の上部だけで浅い呼吸を繰り返している人もいます。
デスクワークの人に多いかな。

いずれにしても、そこに自由な呼吸の流れはありませんよね。
しっかり息が吐けないでいると、肺にいつも空気が残っています。
すると、新しい空気が入る余地がない。

つまり、息を吸おうと思っても、入る余地がないから吸えない。
倉庫が満杯なのに、新しい荷物をどんどん入れようとするようなもの。
息苦しくなるのは、吸えないのではなくて、話すときに、息が充分に吐けていないのが原因だと思われます。

「まずは、吐く」
が大事ですよね。
さぁ、息を吐きながら話してみましょう。

ん? 難しいですか?
そうなんです。
息を吐きながら話そうとすると、途端に身体をどう使って良いかわからなくなって、ぎくしゃくするのも私たち。

では、ちょっとエクササイズ。
骨盤周辺の筋肉、くびれの部分に手を当てて、筋肉を内側に狭めるように使いながら、息を吐く練習をしてみましょう。
その時、ついでに声を出してみて。
声が付いている、ため息みたいに。

「はぁ~」とか「ふぅ~」とか、ちょっと大げさに。
それが、発声の基本。
胸の上部ではなく、腰周辺の筋肉を使って息を吐き出しながら発声をするんです。

会話の時も、息を吐きながら自分の呼吸で話せるようになれば、息継ぎも自然になって、気持ち良く話せるようになりますよ。

上半身だけでコミュニケーションをするのではなく、下半身を忘れないで、身体全体でコミュニケーションってことですね。

ちょっと、練習してみてね。

お読みいただき、ありがとうございました。ご支援をいただけるのは、とても励みになります。嬉しいです。引き続きよろしくお願い致します。