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【声色ききみみずきん】#17 清水ミチコさんの声は、変幻自在の筋肉が支える魅力的な悪女声

清水ミチコさん(59歳)。
デビューは23歳の時なので、芸歴36年の大ベテラン。

大竹しのぶさんのラジオ番組に、ゲスト出演された回を聴いてみた。
http://www.youtube.com/watch?v=lcfK29Ql4nE

もう、どっちがどっちなんだか。
ふたりとも、悪い女ですねェ。

清水さんの深い愛情と底知れぬ悪意を感じて、とっても面白いです♪

さて、清水さん。

口が横に広く、頬骨周辺の表情筋が、キュッと上がっています。
普段から、かなり表情筋を使っていることがわかります。

でもそれだけだと、甲高く平たい声になりがち。

清水さんの場合、舌の付け根や声帯周辺の筋肉が柔軟なのだと思います。

モノマネをする時、かなり自在に口の中の形やノドの奥の筋肉を動かしています。

それだけでなく、表情筋も、身体全体も相当大きく使っていますね。

真似する相手の、口の動かし方や表情だけでなく、呼吸の深さ響かせ方までキャッチして、表現しています。

そして、ただモノマネをしているだけじゃないんですよね。

清水さんの芸の底辺にあるのは、批評精神。

興味を持った対象を、冷徹に観察し解体し、皮肉というエッセンスを散りばめて、デフォルメして表現する。

清水さんのモノマネや顔真似が、すでに「毒舌芸」になっているんですね。

「その人を好きになると、マネが出来るようになる」
とのことですが、毒のある表現が、清水さんの真骨頂。

生半可な感性では、出来ないことです。

◆◆◆

若い頃の声は、中音域で、スキがなくかなり強い印象です。
声の中に、防御と攻撃が同時に存在しているような感じ。

闘っていらしたのかもしれませんね。

年齢を重ねて、低音域がひろがり、多少ハスキーになったこともあり、良い意味で声にスキマができました。

力が抜けてゆるんだ部分と、グニュッとねじれた部分のバランスが、タレントとしての個性に、さらに花を添えているようです。

それにしても、50代を超えて、ライブツアーも続け、作年末には武道館ライブ!

高い音楽性で繰り広げる、ピアノの弾き語り芸もスゴイ!
モノマネの域を、はるかに超えています。

ナレーションやラジオの仕事も多く、最近のキャッチフレーズは
「国民の叔母」。

もう、突き抜けているな~。

プライベートでは、ご主人と20代の娘さんもいるお母さん。

心身共に、相当な努力を重ねないと、高い音楽性や自在な声、技術やセンスはここまで維持できなかったはずです。

50代女子。
勇気を持ちましょう。

ざくざくと切り捨てて、好きなことをして「悪い女だなぁ~!」と言われて「ふふん」と鼻で笑いましょう。

そして裏で、大汗流して努力をしましょう!

あなたもききみみをたてて、
清水ミチコさんの声を、
よ~く聴いてみてくださいね。

(2014年3月29日配信・声色ききみみずきんより)

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