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【アーティスト紹介】フーリエフィルムズ~FUKUSHIMA with BÉLA TARR(タル・ベーラ) 福島映画教室2024

全国・世界・地元から、福島県12市町村に、芸術家が集まり、滞在制作をするハマカルアートプロジェクト(経済産業省令和5年度地域経済政策推進事業(芸術家の中期滞在制作支援事業)。
採択者とその活動を紹介しています。
どのような人々が、どのようなアートを福島県東部の12市町村でつくろうとしているのでしょうか?
今回は、アーテイスト・イン・レジデンスのプログラムにて映画制作を展開するフーリエフィルムズさんが招聘したアーティスト2名です。

世界で活躍し、育成にも力を入れる映画監督 タル・ベーラ氏

タル・ベーラ監督
出展:https://natalie.mu/eiga/gallery/news/557386/2231547

1955年ハンガリー生まれ。
デビュー作『ファミリー・ネスト』(1977年)にて、ハンガリー批評家賞の新人監督賞を受賞。マンハイム国際映画祭でグランプリを獲得し、ブタペストの映画芸術アカデミーに入学。在学中にも作品作りに取り組む。
アカデミー卒業後、『秋の暦』(東京映画祭招 待、初来日)(1984年)で音楽のヴィーグ・ミハーイと、『ダムネーション/天罰』(1988年)では作家のクラスナホルカイ・ラースローと出会い、それ以降すべての作品で 共同作業を行う。
1994年に約4年の歳月を費やし完成した『サタンタンゴ』は7時間18分の超大作を発表し、世界中を驚嘆させた。日本では山形ドキュメンタリー映画祭、東京映画祭で上映された。その後もカンヌ国際映画祭やニューヨーク近代美術館(MOMA)にて上映され、高い評価を得る。
1990年以降はベルリン・フィルム・アカデミーの客員教授を務め、2012 年にサラエボに映画学校 film.factoryを創設。2016年に閉鎖した後も現在に至るまで、世界各地でワークショップ、マスタークラスを行い、後世の映画監督育成に取り組んでいる。

タル・ベーラ氏に師事する映画監督 小田 香氏

朝日座にて、館内の説明を聞く小田監督

1987年大阪府生まれ。
2011年にホリンズ大学教養学部映画コースを修了。卒業制作作品の『ノイズが言うには』(38分、2010年)は、なら国際映画祭学生部門nara-waveにて観客賞を受賞。
2013年に前述した、タル・ベーラ氏が指揮を執る、若手映画作家育成プログラムであるfilm.factoryの映画制作博士課程に第1期生として参加。
2014年にポーラ美術振興財団在外研究員として助成を受け、2016年に同プログラムを終了し、博士号を取得。
その後、ボスニアの炭鉱を主題とした第一長編作品『鉱 ARAGANE』(68 分、2015 年)やサラエボでの映画制作の日々や、自身の映画制作の原点について綴ったエッセイ映画『あの優しさへ』(63 分、2017 年)を制作。
2019 年長編『セノーテ』が完成。山形国際ドキ ュメンタリー映画祭、ロッテルダム国際映画祭などに招待され各国を巡回し、世界各国で上映され様々な賞を受賞。
絵画や映像インスタ レーションの制作や展示にも取り組んでおり、近年では東根市まなびあテラス「小田 香 光をうつして―映画と絵画」(山形、2020 年)での個展や、市原湖畔美術館「メヒコの衝撃展」(千葉、2021 年)、青森県立美術館と協働して行うアート・プロジェク ト「美術館堆肥化計画」(青森、2021~2023 年)にも参加している。

FUKUSHIMA with BÉLA TARR 福島映画教室2024

世界各国から若手作家の参加を募り、タル・ベーラ監督が選抜した作家と葛尾村でワークショップ(マスタークラス)を開催。
本プロジェクトを通し、ロケハンと撮影を行い地域の人々との交流を図っていきます。
そして、タル・ベーラ監督や小田香監督、マスタークラス受講生たちの作品を上映し、芸術による福島の復興の基盤を構築し、受講生たちが将来的にプロジェクトの運営スタッフや指導者として関わることを目指しています。

2024年2月8日『福島映画教室2024#1』開催

タル・ベーラ監督と受講者の皆さん

2024年2月8日に南相馬市原町区の朝日座にて、本プロジェクトのマスタークラス受講者紹介とタル・ベーラ監督と小田香監督の作品上映が行われました。
タル・ベーラ監督と小田香監督の紹介の後、受講生7名の紹介が行われました。紹介の中では受講生たちが自身の作ったショートムービーを流したり、日本語と英語で交互に話したりと、7名の映画に対する熱い想いが観客に伝わってきました。これから受講者がどんな映画を制作していくのか楽しみです。

イベント紹介記事はこちら

今後も、本プロジェクトの活動を追いかけていきます。