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まちがいだらけのヘッドホン選び その1~ヘッドホンの種類と、傾向の違い~

わたし

あたらしいヘッドホンが欲しかったんです。

ただ、それだけだったんです・・・・・・・・・・・・。



(※2024/03/03 「1-4」章を訂正しました)


第1章:いいヘッドホンが欲しい

あふれる笑顔。
きょうは、ひろし君のお誕生日会がおこなわれています。

「ひろし君、誕生日おめでとう。おじさんが誕生日プレゼントをあげようね」
「わあい。おじさん、ぼく、いいヘッドホンが欲しいや」
「おっ、そうかあ。それは、
 ハイエンドってことかい? 
 それとも、フラッグシップモデルかな。
 まさか”いいヘッドホン”って密閉のドンシャリのブンブンを言ってるんじゃなかろうね?
 先にこれだけは聞かせてほしいんだけど、
 ひろし君はハイレゾ信奉者かい?」


その時ぼくは、おじさんのやさしい顔の、その皮膚の下にながれる恐ろしいマグマを、はじめて感じとったのです。





1-0 自己紹介とこの記事の信憑性について

ひろし君の先行きはともかく、わたしは「劇団のの」という市民活動で、朗読オーディオドラマを作っております。

というわけで、それなりにいいヘッドホンを、
音を「作るために聴く」用のヘッドホンを、買いたいと思い、2,3週間前に調べはじめたんです。

そうしたところ、上の会話のような状況におとされました。
こまかくいうと
わたしがひろし君、おじさんが「ネット情報」です。
チンがプンして、どうやら、カンもプンしていた気がします・・。

そして2,3週間がたち
わたしは、あれこれ調べたあとのわたしになりました。
そこで、ここにまとめておこうと思いました。
ここまででお判りだと思いますが、この記事のタイトルは

「君たちは間違いだらけのヘッドホン選びをしているからわたしが教えてあげよう」

ではなく

「どうもいまだに間違っているようだが、決めなきゃいけないんだから仕方なかったじゃないか・・・・」

という意味です。
用法・用量にはお気を付けくださいませ。



1-1 モニターヘッドホン(モニタリングヘッドホン)/リファレンスヘッドホン

さて、はじめとして、モニターヘッドホンという言葉をご存知でしょうか。

おもに音楽を"作るひと"が使うタイプのヘッドホンで、
ボーカルや楽器の音それぞれが混ざりすぎず、きっちり聴こえる(分離する)こと、
低音から高音までバランスよく、音源をできるだけそのまま再生すること、を目的としているそうです。

え、ヘッドホンってそういうもんじゃないの?

と、まず思った。
「モニターヘッドホン」という言葉を知ることで、これまでの「ヘッドホン」の概念が、書きかえられることになるのでした。


※ちなみに「リファレンスヘッドホン」という言葉もあって、モニターヘッドホンと同じ意味で使うときもあります。
ただ、そっちは「音源や別のヘッドホンなど、何かを聴き比べるときの基準・軸足としてのリファレンス(参照)ヘッドホン
=「私にとってのリファレンスヘッドホン」 というような言葉なので、
製品の分類としてはモニターヘッドホンで統一します。


あなたの”今使っているヘッドホン”を”リファレンスヘッドホン”にして、それよりいいな!と思えるものを、見つけに行きましょう。



1-2 リスニングヘッドホン

普通に音楽聴く用のヘッドホン・イヤホン、として買うものについては、ここから先は
「リスニング用」
と称することになります。(そして対義が「モニター用」です)
リスニングヘッドホンは、音楽を味わうために「ボーカルが綺麗」「低音がかっこいい」「高音の伸びが…」「音に暖かみが…」といったチューニングによる、音の個性をはっきり持ったものたちです。

これは「味付け」または「癖」などと呼ばれます。
自分の好きな味付けを選べば、とてもゴキゲンに過ごせます。


1-3 音傾向│ドンシャリ/かまぼこ/フラット

例えば、先ほどおじさんが発した「ドンシャリ」というのは、味付けのひとつ。
ドン=低音部と、シャリシャリ=高音部が目立ってくることを指していうのです。
否定的な呼び方として始まった?のかもですが、とりあえず音の特徴を指す言葉として定着。基本ワードですな。

こちらコブクロYouTubeの、不意に出た音域講座をご覧ください。ためになる~。


ドンシャリと逆の傾向は、帯域の線グラフでの見た目(低音と高音=左右の端が下がりめ)からかまぼこ」。
強調の少ないものは「フラット」と呼ぶそうです。
モニターヘッドホンは「フラット」を旨にしているといえるでしょう。


1-4 価格品質帯│ハイエンド/フラッグシップ/エントリー

ふつうに暮らしているぶんには、お値段の高いヘッドホンがいいもの、安いと粗悪もの、という認識であり、それが平和への近道ですが、世は無情なもの。どのヘッドホンにも「こういう音を出すぜ!」という癖~特色~個性~味付けはあり、
値段に比例するのがクオリティ=音質、
比例しないのが自分の好み、

というなかで、いいブツを見つけることが大切です。


※以下、やっぱり間違えてたのでフラッグシップ・ハイエンドの説明訂正しました。
訂正前:ハイエンド=シリーズの最上位機種、フラッグシップ=最もメーカーが押している上位機種

「ハイエンド」とは、ハイでエンド=高く行き止まりということで、シリーズの中での最上位品のこと。
なので、中級でのハイエンド、上級でのハイエンド・・など、いくつもあります。

なかでも「フラッグシップ」(旗艦)とは、いちばん何もかも惜しみなく投入した、メーカーの実力を示す、顔になる製品のこと。ゆえに最高級品になることも多いです。(機能と関係ない高級バリエーションを除いて)

ハイエンドのハイエンドが、フラッグシップ。
なので、ハイエンド価格モデルも高いですが、フラッグシップは素人が見ると目が飛び出たりします。

どっちにせよお墨つきなのは間違いない・・というワード。
これから先、はてしなく目にすることになるでしょう。

(安い価格帯で性能を実感できる、がウリのものは「エントリー」モデルです)



はじまってしまった音響(用語)の道!
はたして、ひろし君は、「いいヘッドホン」を手にすることができるのでしょうか・・・?

次回 「小林秀雄講演集を最高の音質で聴きたい奴はいるか?」 につづく。



本日のとりこぼし

・「密閉」
・「ハイレゾ」



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