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ZINEを初めてつくる、ということ

こんにちは、こんばんは。今井です。

突然ですが、ZINEって知ってますか? 個人により自費出版された本のことです。コミケで売ってるような同人誌の、もう少しオシャレな呼び名といいましょうか。



2020年夏、私は初めてZINEをつくりました。

つくって終わり、ではありません。全国各地からZINEを集めて展示販売するイベントに出展したり、本屋さんに置かせてもらう交渉をしに行ったりしました。

結果、ZINEをつくる前は想像もつかなかった色んな出会いや、会話ができました。自分の世界がパアァ……と広がったようで、とても新鮮な経験でした。

でも褒められるばかりじゃなくて、指摘もありました。それって本当はとってもありがたいけど、今までの私をドターン、と覆されたような気分で、くやしくもありました。

以下、その反省文になります。


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私は人間がそれほど好きではありません。ふだんから、人にアドバイスをもらったり、評価をもらったりしても、「イヤ、オレはオレのやり方だから、これはこれでいいじゃん?」て心の中で反抗してしまうくせがあります。

自分の軸をもってることは悪いことではないんですけどね。反面軽い相談ごとを自分の中に閉じ込めて解決しちゃったり、気軽な会話が楽しめなかったり。たぶん周りから「よく分かんねえヤツだなあ」と思われてきたはずなんです。

たぶんこういう心理は、趣味の写真で培われたと思います。

高校からデジタル一眼レフで撮影を始めて、写真部にも入らず、ほとんど独学、トライ&エラーで、人にウマイねと言われるレベルへ上達させたつもりです。高校の文化祭で写真展をひらいたりして、イイネ〜って言われてばかりで過ごしてきました。

そこからなのか、ワシは勝手にやるから、なにかしら評価してくださいな、と半分傲慢な気持ちが、意識せずとも心の中に芽生えていたのかもしれません。


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ZINEって、心を素直にぶつけたほうが、やっぱりいろんな人が反応してくれる、じっくり読んでくれるはず。他者の意見、他者の物語をじっくり享受できる貴重な機会であるというところに、本を読むということの意義がある。

ところが私が最初につくったZINEは、残念ながらそれが100%できていませんでした。文章が素直すぎたのです。指摘に、いつものように反抗することができない。くやしくも認めざるを得なかったのです。


素直な文章を書くことと、気持ちを素直にぶつけることは違います。

前者は、たとえば私の場合、スポーツ中継なら実況だけで、解説がない状態。こういう出来事があったんだよ〜、って事象の説明はするけれど、そこから自身の意見をぶつけたり、つくったりしない。物事を右から左へ流してしまう、という意味での「素直」。

後者は、物事を受けて、オレはこう思ったんだ!という確固な考えを、忖度なしにそのまんまぶつける、という意味での「素直」。


趣味の写真で培われた、と思い込んでた私の軸が、文章を書く、という一課題の前に脆くも崩れ去ってしまったのです。

いくら仮想の軸を持っていたとしても、それを言葉にして、他人に投げつけてやり合わないと、実体的な軸っていえねーじゃん!ということに、今回のZINEづくりを通して気づきました。

ZINEにいただいた指摘に対して、悔しくも認めざるを得ない自分がいますもんね。このZINEに書いてあることって、自分の100%を注いでないんじゃん?だからくやしくなるんじゃん?


趣味の写真でも、ただ写真を見せるだけじゃなくて、そこにキャプションを加えることで、写真の価値、受け止められ方が変わってくるんだ。ということはなんとなく意識してはいたんです。

しかしZINEは、実体の本として世の中に存在します。世の中の人が問答無用に見てきます。逃げ場がありません。なんとなく思ってるだけじゃいかんのでした。

いまの私には、言葉の力が足りない!


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そこで言葉の力をつけようと思って、このnoteも始めたばかりです。そして反省を踏まえ、早くも2つ目のZINEをつくり、印刷している最中です。


初めてつくったZINEは、早くも私にとって踏み台となりつつあります。成長の証、それでいいんだ。

とも思いつつ、初めてのZINEがなければ、2つ目のZINEをつくる、今の私もいなかったはず。

そして忘れてはならない、置かせていただけているお店や、買っていただいたみなさんの存在。このZINEに少しでも魅力を感じてくれている存在があることに、心から感謝をしなければなりません。

本当にありがとうございます。


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少々殴り書きぽくなりました。

こういうわけで、ZINEって最高です。現実でも、SNSでも、こだわりを持って何かをやってる方、もしくは何かしたいって悶々としてる方には、ぜひZINEをつくって、思いをぶつけてほしい。

ZINEは名刺がわりになります。自分が好きでつくった本なんだから、そこに自分が詰まってる。紙面を通して自己紹介してるのとおんなじです。


初対面の人とも、ずんずん会話が弾みます。だけどそれは、共感だけじゃない。いずれ指摘にぶつかることがあるかもしれません。

自分の常識がくずれる瞬間って、ちょっと辛いかもしれないけど、とっても楽しいことです。こんな考えもある?!って、脳内がパアァ〜〜っとご開帳します。

会話って、言葉って、共感のためだけに存在しているのではありませんから。(SNS時代になって、これは特にひしひしと感じますよね。共感だけじゃ言葉が腐っちまう。)

どんどん言葉をぶつけていきましょう!!


◇◇◇◇◇◇

P.S. 

このへんで筆を置こう、として原稿のトップ画像(新潟にて、初めてZINEを出展した日の写真)をみると、

私のつくったZINE(白い正方形のやつ)の向こう側に、私に「ZINEをつくってみたい」っていう原体験をくださった方のZINEがチラと見られて、心がキュッとします。感謝を伝えようとしても伝えきれません。

ZINEをつくるきっかけをくださった皆々さまに、心より感謝申し上げます。

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