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ADHD細々日記(嘘日記)

これは数日後の出来事なのだが、私はパートナーと現在上映中の「変な家」を観にいった。
映画の内容はネタバレのため伏せるが、大変面白かった。
ただ、どこの映画館にも「上映中に携帯画面を光らせる輩」というものは存在しており、今回もまた例外ではなかった。
映画に集中したい反面、ちらちらと視界の隅にちらつく光は私の神経を徐々に逆撫でていった。
上映後その輩の近くを通って劇場を出るため、怒鳴りつけてやろうかとも考えていたのだが、退出の際その輩の方に目をやると、彼は目を押えて蹲っていた。
どうやら暗闇の中強い光を凝視したせいで失明してしまったらしい。
私は彼に駆け寄り「大丈夫ですか?」と声をかけるようなことはせず、蹲っている彼の背中を足蹴にし、唾を吐きかけた。(私は劇場で携帯画面を光らせる輩を親の仇のごとく憎んでいる)
そのあと清掃のスタッフさん達が今度こそ「大丈夫ですか?」と声をかけていたが、私は何事もなかったかのようにすたすたと劇場を後にした。
劇場から出ると驚いたことに、何台もの救急車が劇場のある建物を取り囲んでいた。
どうやら同じ劇場内の別の映画でも彼のように携帯画面を見て失明してしまった人が大勢いたようだ。
私はその脇をぬけ、喫茶店に入ってコーヒーとケーキを注文した。
きっと彼らはほかの視聴者の邪魔をした罰として失明した目玉を取り出され、代わりにガラス玉の目玉をはめ込まれるのだろう。
そして二度と劇場で映画鑑賞をすることは叶わなくなるのだ。
私は上機嫌だった。救急車はみんないなくなり、空は晴れ渡って鳥は囀っていた。
めでたしめでたしと心の中で呟いて私とパートナーは家に帰った。

と、いう妄想をして過ごしていた。
ちなみに映画「変な家」は本当に観に行く予定である。

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