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バーブレスフックのすすめ

バーブレスフック、つまりカエシのない釣りバリの話。是非、釣りを始めたばかりの方にも伝えたい内容なので、できるだけ平易に書きたいと思う。

バーブ(カエシ)とは

下の写真にあるように、針先に逆向きのトゲがある。これをバーブ、日本ではカエシと呼ぶ。

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カエシは一度掛かった魚が外れにくくするためのものだ。また、刺しエサが外れにくくなる効果もある。

一般的に、ほとんどの釣りバリにはカエシがついているが、もともとカエシの無いハリ、もしくはペンチなどでカエシを潰したハリのことをバーブレスフック、もしくはスレバリと呼ぶ。

ルアー初心者にはバーブレスがオススメ

当然、バーブレスフックは、通常よりも魚が外れやすくなり、魚を掛けてキャッチする難易度は上がる。しかしながら、それ以上のメリットがあり、特にルアー釣りを始めたての初心者の方にはオススメしたい理由がある。

理由は3つ。

・釣りバリによる怪我、事故を軽減できる

・魚のダメージを軽減できる

・バーブレスのほうがしっかり掛かる

怪我と事故を軽減する

釣りバリというのは極めて鋭利で、不用意に扱うと怪我の元になる。私も何度も自分にハリを刺したことがあるので、釣りバリを触る際は慎重になってしまう。

やはり、どうしても初心者のうちは所作がおぼつかないので、フックを刺してしまう事故を起こしがちだ。例えばルアー交換する際や、釣れた魚からフックを外す際などにハリを手指に刺す危険性がある。

そして、自分自身に刺すならまだしも、絶対にあってはならないことだが、他人にハリを刺してしまう事故の可能性もある。

たとえばルアーを投げる際、振りかぶった後ろに通行人が居たとか、狙って投げたつもりが全く違う場所にルアーが飛んでしまい通行人に当たるとか(とくに橋脚などを狙って投げたつもりが橋の上にルアーが飛ぶという話を聞くことがある)、そんなことが起きてしまったらどうなるか。

もしフックにカエシが付いていたら簡単には外せない。魚の口からフックを外すには通常、ペンチなどを用いてしっかりとフックを掴み、それなりの力を入れて外す必要がある。それを人間相手にできるだろうか?私には無理だ。

しかし、バーブレスなら抵抗なく、かるく抜ける。もちろん怪我をすることに変わりはないが、事故の具合は大幅に軽減される。

ルアーをキャスティングする釣り、とくに人々の生活圏と近いフィールドで行えるバス釣りやシーバス釣りに関しては、自分が危険物を持っていると認識し、万が一の事故にどのように対応すべきか、少しは考える必要がある。そうすると、バーブレスをオススメする意味も分かって頂けるかと思う。

魚のダメージを軽減できる

バーブレスフックのほうが魚へのダメージは少ない。

特に、ハリを口の奥に飲まれた場合は、カエシ付きのフックでは外すことに手間取り、往々にしてエラを傷つけるなどの致命傷を与えてしまうことがある。

バーブレスフックでも当然かかりどころが悪ければ致命傷になるが、仮にハリを飲まれた場合でも外しやすく、魚を適切にリリースしやすくなる。

ただでさえ、初心者にとって釣れた魚からハリを外す行為は難しいものだが、バーブレスフックはそれを簡単にしてくれる。フックそのもののダメージだけでなく、水中から出されている時間を短縮することにもなるので、魚の生存率が上がることは間違いない。

なお、そもそも釣りというのはバーブレスかどうかに関わらず魚にダメージを与える行為ではあるので、そのあたりの倫理観については別に述べたい。

バーブレスのほうがしっかりとかかる

カエシのあるハリのほうが、魚の口にしっかりとかかりにくい。刺さるのに力が必要になるのだ。刺さる際の断面積がカエシがある場合大きくなってしまうことはイメージできるだろう。

魚のアタリを感じ、しっかりとアワセ動作をとってハリを力強く掛けられるなら良いが、初心者のうちはそうもいかない。

針がカエシまで刺さらず、少しだけ刺さった状態(ハリが乗った状態ともいう)ではバーブレス以上に簡単に外れるし、針先だけ刺さった状態の針は魚とのファイトで簡単に曲がってしまう。中途半端にしか掛かっていないカエシバリとしっかり刺さったバーブレスフックならバーブレスのほうがずっと外れにくいものだ。

管理釣り場はバーブレス

へらぶな釣りやエリアトラウトなど、管理釣り場での釣りは原則バーブレスがルールである。リリースが前提になる釣りなので当然ともいえる。

私がバーブレスがよいと感じるようになったのもエリアトラウトをしばらくやり込んだのがきっかけだ。初めは簡単にバレやすい(針が外れやすい)と思っていたものの、慣れればそんなにバレるものではないとすぐに気付き、それならばと他の釣りでもバーブレスフックを使うようになった。

個人的には自然のフィールドでの釣りでも、リリースを前提とするなら、バーブレスにするのが望ましいという風潮になればいいと思っている。(ただし、私自身もそうだが使うルアーや状況によってカエシバリを選択したい場合もあるので、100%ということでなくてもよいとは思っている)

バーブレスにするには

バーブレスにするには、ペンチやプライヤーでカエシを潰せばよいだけだ。ただし、丁寧に潰さないとカエシ部分がぐちゃっとなって刺さらないハリになってしまうので気をつけたい。

また、これは仕方ないことだが、とくに海水域での使用の場合、バーブを潰したところからサビが起きやすい。フックに施された防錆コーティングが剥がれるせいなのでやむを得ない。針先まで一気に錆びるわけではないので、あまり神経質にならなくていいだろう。

また、もともとバーブレスのフックも売っている。

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正直、そんなに売れないのかラインナップは少ないし、店頭在庫も少ない。私が通っているショップでは結構並べてくれているが、ネットで購入することも多い。

狙ったところに投げられるまではバーブレス

しつこいようだが、バーブレスを勧める最大の理由は事故防止だ。ある程度イメージ通りにルアーを扱えるようになるまでは、是非バーブレスを試してみてほしい。

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