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「ゲーム論文大賞2022」振り返り①

※この連載記事は2022年2月段階で初稿を作成しています。

昨日、「ゲーム論文大賞2022」への投稿を無事に終えました。
4月の審査終了までこの記事は公開できませんが、熱量があるうちに考えていたことをまとめておこうと思いまして筆をとりました。

論文「説明書のWeb公開はボードゲーム同人制作者にとって有効なプロモーション手法か」は、5月7日-8日限定で、BOOTHで無償配布する予定です。
BOOTHでフォローいただくと、新作が登録されたタイミングで通知が行きます。
忘れずに手に入れたい方はぜひフォローいただけますと幸いです!

今回、ゲムマで無償配布し、5月7日-8日にBOOTHで無償配布する予定の論文は、メディアクリエイト主催「ゲーム論文大賞2022」への応募を目的として作成したものをそのまま公開するものとなります。

この記事では、まずは論文を投稿するにあたり、時系列でこのくらいの時期に何をやっていたよ、を書いていきます。

時系列のやったこと整理

論文募集の発見(8月ごろ)

何をきっかけに「ゲーム論文大賞2022」の募集を見つけたのか思い出せないのですが、おそらく秋山真琴さんのこのツイートだったかと思います。

過去にボードゲームに関わる書籍を二冊刊行しており、もともと研究に興味があったハムさんとしては「これに申し込まない手はない」と思いました。

申し込み(11月30日)

この懸賞論文は事前申し込みが必要で、申し込み期限は11月末でした。
完成させられる自信はなかったですが、自分の得意なところで制作して有識者の評価をいただけるということと2021年11月末は試遊会ラッシュを終えてハイになっていたので、えいやで申し込みました。
申し込み時の仮題は、当時の試遊会ラッシュにちなんで「試遊による体験価値の向上 -ゲームマーケットを題材に-」としていました。

論文のテーマの相談(12月19日)

12月もボードゲームカフェで主催イベントを行うなど慌ただしく過ぎ去り、気がついたら月末になっておりました。
(ハムさんはイベントを主催するのも好きです)

ボードゲームカフェ有明亭の店長&オーナーのお二人は修士卒だったりライター兼業だったり、アカデミックな文章作成に詳しいと聞いていたので、このままではいけないと論文のテーマ相談に行きました。
その時には、以下のような案出しをしていただきました。

「ボードゲームにおいてチュートリアルはどこまで機能するか」
「『説明書』がつくという異常事態  -デジタルゲームとの比較から-」
「なぜ、ボードゲームは口頭でのインストでルールを理解するのか」
「トリックテイキングにおけるフレーバーの描かれ方」
「試遊会における制作者インストの価値と魅力」
いただいた案出し一覧

私は、ボードゲームの説明書やルールに関するところが面白そうだなと思っていました。当時は時間も限られているので、文献調査しかしなくても成立するようなテーマがいいと思っていました。

基本文献の確認(12月28日)

私はボードゲームに関する研究動向について全然知らなかったので、ゲーム研究の動向について、いくつかの本をあたりました。
具体的にいうと、このあたりを本を読みました。

まずは、ゲームの分析についての超名著である「ルールズ・オブ・プレイ」を。

次に、デジタルゲーム研究の事例を学ぶためにこの二冊を。

ちょうど、扶桑社から出たばかりのボードゲーム総選挙2022も買えていなかったので、これも。

後で述べますが、これ以外の基本的な文献もまだまだ読めておらず、時間を見て読書を進めたいと思っております。

論文のテーマの決定(1月3日ごろ)

このころには「売れている作品」と「売れなかった作品」の差分に着目した研究ができれば面白いなと方向性がおぼろげに見えてきていました。
その上で「説明書が紙であることはアナログゲームに特徴的な事象なので、デジタルゲームを中心としたゲーム研究ではできない視点として有意義だ」として、ようやく今の研究テーマが決まりました。

※ここについては語りたいことが多いので、次の記事で詳しく書きます!

実態調査(1月10日ごろ)

ひたすら、ゲームマーケット公式Webサイトとボドゲーマを行ったり来たりして、説明書のWeb公開状況についてのデータを集めていきました。
「もしかしたら、プレイ時間が長い時間は説明書公開される」みたいな相関関係もあるかなあ…と仮説を立てて、プレイ人数・プレイ時間・対象年齢も集めましたが、今回の論文ではそこまで分析する余力はありませんでした。
また、この作業の一部において、有明亭スタッフのお力を借りました。
この場を借りてお礼を申し上げます。ありがとうございました。

制作者さんへのアンケート依頼(1月15日から1月21日)

分析を進める中で気がついたのが、「制作側かユーザー側の意見の(少なくとも)どちらかは分析のために必要だ…」ということでした。
今回は研究の対象が同人作品に決まっていたのと、私自身が同人制作もしており知人も多かったため、制作者さんへのアンケートを依頼しました。

統計学に関する基礎知識の学習(1月18日ごろ)

実態調査及びアンケート調査の途中で気がついたのが、「検定をかけないと、有意差があるかどうか言えない」ということです。
ハムさんは、統計学に関する知識は期待値や標準偏差で止まっていたので、慌てて検定についての知識を勉強しました。

ここも基礎知識が不足していた点なので、今回をきっかけにより深く学んでいきたいと思いました。

皆さんへのレビュー依頼(1月22日以降)

アンケートの分析を並行で進めながら、以下の皆さんに書きあがったところから順に内容面・表現面でのレビューをしていただきました。
皆さんのお力なしには論文は完成しませんでした。本当にありがとうございました。

初稿
有明亭スタッフの皆さん、久遠堂身内ゲーム会の皆さん、さなこさん(こぬま珈琲)
第二稿
符亀さん、上野さん(kurumari)
第三稿
有明亭スタッフの皆さん、きいろのさん(めめめのアトリエ)、
くら校長さん、こなつびさん、ましかまるさん

長くなってきたので、一旦このあたりで①は終わろうと思います。
次の記事では、私が論文を書く上でこだわったポイントなどを挙げていこうと思います。

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