Tシャツのヨレは解消できるのか?
完全に春ですね。気温によってはTシャツで過ごせる時期になりました。そして夏に向けてタンスからお気に入りTシャツを引っ張り出してみると、、、ビローンと襟が伸びたり、裾がヨレたりして、なんか気分が上がらないってことありませんか。僕はあります。気に入ってたTシャツがヘタってると、着る気が全く起きません。編み地である以上、定めといえば定めですが、それなりの金額で手に入れたもので大切に着ていてもヨレてしまうのはやはり残念な気持ちになります。
ヨレやすいのは生地の『度目-どもく(密度)』が甘いから。そういうヨレやすい生地を見極める方法はあります。もちろんその生地の甘さもデザインの一部なので、そのTシャツが『良いもの』とか『悪いもの』とかいう話ではありません。
僕はヨレるのが嫌なので、見極める方法としての判断基準も考えてみます。
また、ヨレないようなTシャツを企画する時の参考になれば幸いです。
襟がヨレるのはなぜ?
襟の生地は身頃の生地と違うことがあります。一般的な言い方だと『リブ』というのでしょうが、生地の組織名としては『フライス』を使用している場合が多いです。襟がビロンビロンになってるの辛いですよね、僕は辛いです。見るのも結構辛いです。(ほっとけ)
この『フライス』はゴム編みって言われるくらいなんで伸びが良いのですが、縫い付ける時に身頃の襟ぐりの距離に対して、同じ長さで襟を作っていると、着用していくとほぼ確実に襟が伸びてきます。もちろんフライスの『度目』にもよりますし、スパンフライスといって、ゴムを一緒に編み込んでいる生地を使っている場合はその限りではないですが。
なので普通は、身頃の襟ぐりの距離に対して少し短めに襟を作って『伸ばし付』という技で襟を縫い付けていきます。襟ぐりの長さに合わせて短い襟を伸ばしながら縫っていくやつです。生地の『度目』が適度に詰まっていて、適切な分量の伸ばし付がされていると、襟がビロンビロンになりにくいです。ただ、この分量をとりすぎると身頃にシワが入ってしまって、見た目に美しくない場合があります。何事もやりすぎ注意です。
買う時に注意するには、襟を見た時に身頃に近い所の編目が広がっていて、襟先に向けてすぼまっているのは伸ばし付されている証拠なので見てみてください。
肩が伸びるのはなぜ?
あんまりないかなーと思いつつも、やっぱあるところにはあるのが肩が伸びるTシャツです。肩が伸びちゃってるTシャツ辛いですよね。僕は辛いです。
これは単純に身生地の『度目』が甘い場合と、肩の縫い目にスピンテープという伸び止めが一緒に縫い込まれていないか、タコバインダーという仕様で伸びないようにしている処理がされていないと伸びがちです。
スピンテープは肩の縫い代を見るとすぐわかるのですが、生地と縫い糸の間に何か別のテープが挟まっていたら、それが伸び止めのスピンテープです。↓
タコバインダーは外からみてもデザイン的にわかりやすいですが、チェーン状のステッチが二本平行に入っています。裏から見ると別の布で肩や首の縫い代を覆っているのがわかります。これが伸びを防ぐのにも有効に働きます。↓
外観にも影響することなので、見た目的に「好きか嫌いか」もありますが、やはりどちらかの処理がされているTシャツの方が、形の維持はしやすいです。
裾がヨレヨレになるのはなぜ?
裾がヨレヨレになってるTシャツ見ると辛いですよね。ぼk
Tシャツの生地はほとんどが『天竺』なので、天竺で解説していきます。冒頭から『度目』という言葉が出てきましたが、ここでようやく丸編み生地の勉強らしく『度目』に関して詳しくみていきましょう。
ここから先は
¥ 200
この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?