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地元食材をたっぷり味わう農園ごはん~稲泉農園オーチャード・カフェ

「氷見にちょっと素敵なカフェがある」

発酵食を愛する醸し仲間から先日そんな話を聞く。

氷見の里山にあるご夫婦で営む農園のカフェで、そこでとれる果物や野菜を中心とした季節を感じるランチをいただけるのだとか。

氷見というととかくぶりなど海の幸を想像される方が多いと思うけれど、豊かな里山の幸もあるんです。

氷見の街中から田んぼや畑が続く道に車を走らせ、ここに本当にカフェがあるのか不安になりつつも進んでいくと、見つけました、看板。

「農園」の名の通り本当に畑の中に「稲泉農園オーチャード・カフェ」はありました。

さて、こちらのランチは2種類。普通のランチか特別のものか。

やさしそうなオーナー夫人に何が違うのか尋ねると、山ぶどうジュースがついているかいないか、とのこと。

稲泉農園さんは、家族に安心して食べさせられる美味しい果物を作りたいと果樹園をはじめられたことが、そもそもの成り立ち。

有機・減農薬の果物、無農薬・無化学肥料の野菜を作り、それを加工し料理したものをカフェに出しているといいます。

そのひとつであり、名物でもあるのが手搾りの山ぶどうジュース。

名物をいただかずして、そのお店は語れません。ということでもちろんジュース付をお願いしました。

最初に運ばれてきたのは、手搾りの山ぶどうジュースに自家製鶏ハムとサラダ。ブルーの小花・ボリジがのったサラダの野菜の元気なこと。柑橘がたっぷりと使われたさっぱりとしたドレッシングがあとをひきます。鶏ハムはしっとりとやわらか。

天ぷら。ナスタチウムにセロリの葉、行者にんにく、オカワカメ、ユキノシタ、にんじん、カボチャ。さっくりと揚げられた野菜たちはどれも味が濃い!ユキノシタは実家の庭に生えていて、たまに母が天ぷらにしてくれたので、私にとってはとても懐かしい味。

おかずの盛り合わせ。よしなの炒め物、松風焼き、野菜寄せ、いわしのオイル掛け、豆腐の昆布締め、にんじんと大根のパスタぽん酢ドレッシング。さすが氷見のいわし、脂がのって、丸々としておいしい!あまりの美味しさに自家製か尋ねると、とある魚屋で買っているとのこと。手に入らないこともあるので、どこの魚屋かは秘密で、このいわしに出会ってから自家製はやめたとか。

たけのこ餅の揚げだし。もっちり生地の中には刻んだたけのこがたっぷり。このたけのこ料理は初めて。

ご飯にみそ汁、香の物。炊き具合が固めで好み。みそ汁の具は豆腐、そして山椒の葉が。お味噌の風味がたまらない。

デザートはフルーツゼリー、パート・ド・フリュイ。完熟果実だけを使いひとつひとつ手作りしているとのこと。もちろん香料も保存料も無添加。すいかとゆずをいただいたのですが、どちらも香りがよく、天然果汁ならでは。

家族への思いやりからはじまった農園ごはん。

それは自然のエネルギーをめいっぱい感じられるやさしさあふれるもので。

季節の彩を肌で感じられる、そんな魅力のあるカフェでした。

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