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キャラクターとライセンス <24>オリジナルキャラクター

前回の続きです。

ライセンスではない、オリジナルキャラクターも経験したよ。
前職で働いていたときには、多くのデザイナーやプランナーがいたんだけど、やはりクリエイティブな職種のメンバーには絵が得意な人が多い。
そして、自分が作ったキャラクターを商品化するのが夢だったりするんだよね。

キャラクターのライセンスが取れていて、会社の事業が順調に進んでいるとき、「ロイヤリティ払うのって、けっこう負担だよね。ロイヤリティだけで数千万円にもなるし・・。競合のB社さんはカピバラを自社で展開できていて羨ましい。」と、オリジナルキャラクターを開発する雰囲気になってきていたんだ。
(実はカピバラもB社さんの関連会社が開発して、ロイヤリティは払っていたらしい)

そこで社内の大勢いるクリエーターに、「新キャラつくるぞ〜!社内コンペやるぞ〜!」となったわけです。
そして集められた数十のキャラクターたちに番号つけて、まずは社内投票。
選ばれた、10〜15点ほどのキャラクターを、当時会社の別事業である、若い女性たちへのモバイルアンケート機能を使って、モニタリングしてみた。

その中で選ばれた3つのキャラクターは、①ねこ ②ウーパールーパー ③ねこの擬人化されたもの だった。

まず、3キャラとも、ぬいぐるみのサンプル作り。
中国の工場に仕様書を送って、待つこと1ヶ月。
当然1回目で完璧はないので、2〜3回繰り返してこれでよかろうという段階で写真撮影。臨時カタログというチラシのためだよ。

プライズというのは、受注販売なので、カタログの商品ラインナップをバイヤー(ゲームセンターの仕入れ担当)に見せて注文を取り、受注合計数を工場に発注して、半年後に納品となるよ。

ちょっと忘れちゃったけど、とにかく発注できるだけの数字取れたキャラはひとつだけだった。①のねこのキャラクター、↓これです。

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このキャラクターの作者は、ベテランの女性で、会社の仕事の他にコミケへ出展して、自分の作品(コミック)を販売してたよ。
それはみんな知っていて、商品開発の中心的存在だった彼女は、ぬいぐるみの造形にも、素材の活かし方にも長けていて、そのうえ、絵も上手というスーパーな存在だった。

発売してから分かったのだけど、このキャラのどこかに、ネット系住民に刺さる魅力があるようですね。
Twitterで発信すると大きな反応があるし、商品への要望も数多く出してくれる、とても熱いファンたちなのです。

それで順調に受注を増やしていき、一応カタチになったオリジナルキャラクターとして成長したよ。
それでも、自社のプライズのためのキャラとしては良かったけど、ライセンスアウトできるような知名度は、まだまだ。

プライズのオリジナルキャラクターとして良かったのは、ロイヤリティの支払い分を利益にできることと、ライセンスキャラクターと比べて、製造原価を上げることができるので、より大きなもの、使用の凝ったものをつくることができるということだよ。
しかも原作者が社内なので、必要なときに新しい絵を起こすことができる。

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↑②ウーパールーパーの「あほチャン」

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↑③ねこの擬人化(課長)「ネコ長」

これらのキャラも好きだったなぁ!

つづく


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