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【マガジン】キャラクターとライセンス

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キャラクター関連の話をライセンスの観点から、ビギナーから現場の方までに、私の経験を通してお話します。
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キャラクターとライセンス <目次>

<1>ライセンスの基本 ライセンスの種類やその特徴など <2>ライセンスエージェントのお仕事 エージェントの役割と仕事内容 <3>アニメーションのライセンス アニメのライセンスいろいろ <4>ライセンシーからみたライセンス ライセンサーのタイプについて <5>ライセンシーのお仕事 プライズの景品を作っているメーカーのライセンス取得 <6>ライセンサーとの付き合い方 どうやってライセンス取得をうまくやるか、について <7>CMキャラクターのライセンス CMに出てくる

キャラクターとライセンス <1>基本

キャラクターのライセンスって話は一般の人にはわからないことかもしれないよね。 みんな使っている文房具(シャレた人はステーショナリーって言うけど)についているキャラクターは、ほとんどがライセンス商品ですよ。 ライセンス商品とは、文房具の製造メーカーが、そのキャラクターが好きな層に向けて買ってもらえるように、キャラクターの権利を持っている会社から借りて自社の商品にデザインして販売するもの。 文房具だけではありません。 バッグ(もっと細かく、トートバッグ、ハンドバッグ、ビジネスバ

キャラクターとライセンス <2>エージェント

前回の続きです。 エージェントのお仕事 ライセンサーとライセンシーの間に立つエージェントとは、両方の立場から弱点を補う立場です。また、ライセンシーとともにキャラクターを盛り上げ、ライセンシー同士の相乗効果を企画します。 ライセンサーの弱点とは、特に海外のライセンサーには国内の商習慣や、トレンド、文化が理解できないのに、数字を求めるばかりだったりするところあるんですよね。 そういうライセンサーに、ライセンシーのカテゴリの日本での商習慣や業界の状況を理解させ、それに応じたサポ

キャラクターとライセンス <3>アニメーション

前回の続きです。 最初から読むならこちら アニメーションのライセンス アニメーションビジネスは多くの人や企業が参加していて、制作には大変な時間と労力がかかっています。そのため、新しいアニメをつくるとなると、大きな資金を必要とするので、お金をかき集めなくてはなりません。 その資金を回収するためには、多くの放送権を売ったり、配信権を売ったり、海外に番組を売ったり、そして商品化権をライセンスしたりしなければなりません。 昨今のTVアニメーションは、作ってテレビで放送されただけで

キャラクターとライセンス <4>ライセンシー

前回の続きです。 今回は、ライセンシーの立場から色々書きます。 キャラクター関連を製造販売するライセンシーとしては、次から次へと登場するキャラクターの中から、自分の会社の流通先(顧客)が喜ぶ商品(売れるであろう商品)をつくるため、時間を掛けて選びます。 時間を掛けて・・なのですが、実際は競合の会社より早く唾を付けて取得しなければなりません。 エバグリーン・キャラクターと呼ばれる、流行り廃りのないキャラクター、例えばミッキーマウスやハローキティー、ミッフィー、スヌーピーな

キャラクターとライセンス <5>ライセンシーの仕事

前回の続きです。 ライセンシーのお仕事 エンタテインメント系メーカー(ライセンシー)のライセンス担当だった私です。 エンタテインメント系といってもいろいろありますが、私の経験として、クレーンゲームの景品をキャラクターで商品化していました。この視線で体験したことを書かせていただきますよ。(出てくる会社名は想像におまかせします) クレーンゲームの景品(以下プライズ)はゲームセンターのバイヤーに買ってもらうので、仕事としてはBtoBになります。でも、そのプライズはゲームするユー

キャラクターとライセンス <6>ライセンサーと仲良く

前回の続きです。 ライセンシーとしてのライセンサーとの付き合い方です。 前回、前々回で書いたように、ライセンス担当としては、ライセンサーとのコミュニケーションが大切です。(←しつこい) もちろん、それまでの実績で多くの販売をしてロイヤリティーを支払うのもそうですが、人と人でのつながりがもっと重要。 たとえ、以前のライセンスで販売が伸びなくても、「今度はがんばります」といえる関係づくりを普段からしておくべきです。 いくら有名な企業でも、ライセンシー担当に気に入られなければ、

キャラクターとライセンス <7>CMキャラ

前回の続きです。 CMキャラのライセンスのお話。 一般の人に認知度抜群の、CMキャラクターはキャラ探ししているメーカーにとっては、可能なら是非ライセンスしてほしいものです。 ライセンシーになり商品化すれば、ある程度の話題性と商品とキャラクターがうまくマッチすると大きなヒットに繋がる可能性を秘めています。 きっと競合のメーカーも狙っているでしょう。 CMキャラクターでも、全てが商品化して売れるとは限りません。 もう何年も全国で放送されていて、すでに飽きられているキャラクタ

キャラクターとライセンス <8>SNSキャラ

前回の続きです。 今回は私の経験から、SNS関連キャラクターのライセンスについてです。 SNS関連といっても、色々なタイプのキャラクターがあります。 大きいものではLINEフレンズ、LINEスタンプには何十万のキャラクターがあります。 その中にはLINE公式のものと、 LINEクリエーターズという、誰でもスタンプをアップできるものもあります。 また、スタンプのためにミュージシャンをイラスト化したものもありますね。(BT21とか) LINE以外にも、カカオトークやフェ

キャラクターとライセンス <9>ミュージシャンの権利

前回の続きです。 前にも書いたけど、ミュージシャンの権利をどうやって取得したかを、もっと具体的に書いてみますね。 プライズの商品化のときに、キャラクターは必須の要素です。 色々なタイプのキャラクターのライセンスを受けました。 私の経験では、まず最初にタカラ(まだトミーと合併する前)のトランスフォーマーをTVでアニメ化するときに取りました。 同じスキームで、いくつかのライセンシーになったあと、その頃とても人気が高かった、avex所属の大塚愛さんの権利です。といっても、彼女の

キャラクターとライセンス <10>韓流アーチスト

前回の続きです。 韓流アーティスト(K-POP)の権利について 東方神起、BIGBANG、TWICE、SHINee、SEVENTEEN、BTS、BLACKPINK、EXO、SUPER JUNIOR、NiziU、iKON・・・ 日本でも人気のK-POPアーティストたちは、ファンの熱さがはんぱないですね〜。 やはり、商品化には彼らのキャラクター化されたイラストがライセンスされますが、それはほんの一部のアーティストに限られます。 まず、彼らの事務所が外部の会社へのライセンスをあ

キャラクターとライセンス <11>スヌーピー

前回の続きです。 デザイナーとしてスヌーピーのライセンスと商品デザインについて。 私は1984年にスヌーピー(PEANUTS)専門のデザイン事務所をはじめました。 クライアントは鉛筆メーカーのT社さん。初めて版権を取るということで、SNOOPYを選んだ。ライバルのM社さんはディズニーをすでにやっていました。 鉛筆メーカーではあるけれど、せっかく大きなスヌーピーというキャラを契約するなら、幅を広げてステーショナリーも契約しました。これは非常に良い選択だったと思います。そん

キャラクターとライセンス <12>ライセンス展示会

前回の続きです。 今回はライセンス関連の展示会の話だよ。 ライセンサーやライセンシーがキャラクターやブランドなどを求めて人が集まる展示会が年に何回も催されています。 また、デザイナーや個人のクリエイターがクライアントを求めて行われる展示会もあります。 いずれも基本BtoBです。 そういった展示会を主催する企業が大きく2つあります。 なぜか今年(21年)に両社とも社名変更しました。 ・リードエグジビションジャパン株式会社→RX JAPAN(株) ・UBMジャパン(株)→イ

キャラクターとライセンス <13>海外ライセンス展示会

前回の続きです。 海外のライセンス関連展示会についてです。 世界中に日本と同じようにライセンスの展示会があります。 世界で最も大きなものは、米国ラスベガスのマンダレイ・ベイ・ホテル(銃乱射事件があったホテルですよ)のコンベンションルームで行われる「Licensing EXPO LasVegas」というもの。 世界中からライセンサーが集まり、毎年6月ころに広大なホテルの会場で催されます。この、Licensing EXPOは世界中で行われていて、ロンドン、東京、上海、香港。