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「66歳の若さで」

 お笑いやバラエティ番組にはまったく興味がないが、それでも笑福亭笑瓶さんの急逝には驚いた。66歳。急性大動脈乖離だったという。

 朝の情報番組で「66歳の若さで、、、」という凡庸なコメントを聞くと、とっさに「66歳が若いか?!」と思ってしまう。

 しかし、これは「60歳定年」というサラリーマン人生に首までどっぷり浸かっている者の感覚。しかもそのトシまでのカウントダウンがいよいよ佳境で、多くのモノゴトに「ああ、来年のいまごろ自分はもう・・・」などのどん詰まり思考のためだろう。

 厚生労働省が発表した日本の男性の2021年の「平均寿命」は81.47歳。これは0歳児の場合なので、65歳男性の「平均余命」となると19.85年。なるほど、単純計算で笑瓶さんは「あと18年は生き続けることを期待できた」のだから、「あまりに若い」というのもまったくトンチンカンでもないのか。

https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/life/life21/dl/life18-15.pdf

 報道によると、59歳の時にやはり急性大動脈乖離に罹った笑瓶さんは、好きなタバコや酒をすっぱりやめて糖分も控えめにするなど、健康情報に詳しい方だったという。59歳、いまの私の年齢である。

 健康に留意する生活をどれだけ励行しても、どれだけ実効性があるのかはわからない。それでも「いいと信じることを続ける生活」にはそれだけで意味があるだろう。

 結局は「この歳になれば健康は運次第」「だから毎日を大切に」。あまりにアタリマエなことを突きつけられるアラカン世代である。(23/2/23)

 

 

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