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うまく年を重ねるということ

 スキンヘッドにしてもう何年になるのか。「みっともなく禿げ散らかすくらいなら、そっちのほうがずっといいよ」と息子も言ってくれているし、まったく同感である。ジョギングやウォーキングのおかげで体重は高校生のころと変わらないし、身体は軽快に動く感覚だ。つまり「むふふ、還暦にしてはまだまだやるじゃないか、俺」と密かに思っている。

 しかし。

 眉毛に白髪がでてきたのである。あごひげは、ヘミングウェイ風でもあり、まだ許せる。しかし眉毛が白くなると、これはもうお爺ちゃんである。先日、村山富市じいが「100歳を迎えた」と久しぶりにメディアに出ていたが、トレードマークのあの眉毛はさらにボーボーにになっていて、「ああ、ついに俺もこっちの側になるのか」とがっかりした。

 仕方なく鏡とにらめっこして、白いやつはチョキンチョキンと切断している。しかしそんな「加齢を拒絶している」ような姿はそれはそれで我ながらみっともなくて、家族にも見られたくない。

 年を重ねることもなかなか難しいことである。
(24/3/30)


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