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一発で大人に見られたいのだけれど

12月21日
「今日はイベントに向けて、物販のための販売員研修に出ましょう」
そうPから言われ、イベント会場になる某デパートの会議室へ向かった。

『販売員研修』などとイカツイ名前が付いているが、要するに接客態度やレジの扱い方の研修である。
見渡す限り歳上のお姉様方ばかりで、小娘は私一人。講師的なおじ様に「お嬢ちゃん、ゆっくり見て覚えればいいからね」とあやされた。
おいおい、相対的にではなく絶対的な目線で見てくれよ。私、来月23だぜ?大人も大人よ?
このままナメられっぱなしなのは癪だし、幸い接客・レジは長年のコンビニバイト経験で慣れ親しんでいる。その場にいる誰よりも早く覚え、レジ操作が覚えられなくて困っているお姉様方に「ここ押してからここです」とか一丁前にアドバイスをしたりした。
おじ様は大変驚いた様子で「いやぁ、立派ですね」とナチュラルに敬語へ変わっていた。一緒にいたPも「これならレジはもちづきさんに任せても安心そうだね!」と喜んでくれて嬉しかった。
研修終わり、ちゃっかり甘味で労われているあたりは、テストを頑張った後の子どものご褒美とほぼ変わらないな、とは思った。それを差し引いても、和菓子のプレートと日本茶のセットは素晴らしく美味しかった。

その後、Pは別の仕事に、私はちよっとしたお使いを頼まれたので、一緒にタクシーでP宅の方へ戻った。
別れ際、Pがお家から「これ、大したものじゃないけどあげる!」と紙袋をくださった。中身はチョコレートの大袋、ルマンド、鯖缶、チョコラBBドリンクだった。この対象年齢が子どもか大人かわからないクリスマスプレゼントをありがたく頂戴し、私は買い出しへ向かった。

全てを終え、家で夕食、そして貰ったチョコを食べながら、金曜ロードショーで放送されていた『ホーム・アローン2』を観た。
メリークリスマス、明日はホテルマンとして楽しい日にしようではないか。

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