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いつか自主制作が楽しくなる日に向けて

2月まで毎日noteを更新したり、月に数を決めて3D自主制作していたのが止まって早いもので2ヵ月経ちました。辞めている間にグリーンカード取得やコロナ直撃など私生活で大きな変化がいくつもあり、できるだけ平常心で過ごすためには良い選択だったと思います。

ただ、自主制作が止まったことに対しては複雑です。

再開したい気持ちはあるのに、Cinema 4DとPinterestを開いて、本当に止まってしまいます。

上達したくて始めた「とにかく作る」では全然うまくならなくて
クリエイターに向いていないんじゃないかと不安になり
作ったものが大したものにならないこともわかっていて
誰が悪いわけでもないのに、SNSを見ていても焦る一方
続ける意味がわからない状態が続いています。

甘ったれていると思うけど、気持ちの整理がついてない今の状態をできるだけそのまま書き残したいと思いました。

これからどうしたいのか問題

グリーンカードを取得して、人生において大きな章のひとつが終わったような気持ちです。私の住むマサチューセッツ州は3月半ばから5月までロックダウンされて、仕事も精神も安定している状態で時間がある今、家族や周りの人たちも、休みながらこれからどうしたいのか考えるのをサポートしてくれています。

これからどうしたいのか

今の状態はさておき、もっと3Dを上達したい、誰にも負けないぐらいうまくなりたいというのは正直な本音です。そうは思いながら、制作に対してあるべき姿勢をとれていない気がします。

すがる思いで作品を作る

自主制作を始めたきっかけは、恥ずかしい話ですが、恐怖です。社会の言いなりにならずに生きていこうと思うと、誰にも負けないぐらい強くなるか、強かに立ち回るしかありません。ビザの制限もあり、後者ができないから追い詰められていた私にとって、自主制作は唯一残された生き残り戦略でした。この作品を乗り切れば少しは生き残る確率があがる、とすがる思いで、ひとつ、またひとつと作品を作りました。そんな気持ちで作った作品に対する思い入れや完成度は大したものではありません。中途半端な作品をネットにあげていることに後ろめたい気持ちがありました。

楽しいだけを追求してみること

そんな状態だったので、心の師匠・BeepleがLiveで制作するのを見たときは衝撃を受けました。とても自由で、心の底から楽しんでいて、この人がいる領域に一生行ける気がしませんでした。

私に足りていないのは楽しむことではないかという気がします。結局やってみて楽しくないという結論になることもあるかもしれないし、それに気づいて3DCGクリエイターやアニメーターを辞めていった人もたくさん知っています。でも、最初は勉強がぜんぜん楽しくなかったように、続ければ楽しくなってくるかもしれません。制作が遅くても下手でも、楽しい、に全振りしてみるのはひとつの答えになるかもしれません。

応援してもらうことで出る馬鹿力

後ろ向きなモチベーションでも制作を1年続けられた理由に、外部要因は間違いなくあります。

1. 制作を応援してくれる先輩
2. 制作を続けるネット越しの友だち
3. 他分野で頑張る友だち

ごく一部の友だちにしか教えていないTumblrは、教えた友だちは一人も追ってないけど、教育の力を信じると言った先輩は毎日チェックして、会社を去った今でもすぐにイイネを押してくれます。

ネット越しに同じく制作を続けている旧友と再会できたり、新しい友だちができました。楽しみにしてるね、と送ってくれたメッセージを何度も何度も見返しながら踏みとどまりました。

ぜんぜん関係ない分野の人にでも、自分も頑張っていれば「私も頑張るから頑張れ」と胸を張っていえます。誰かと切磋琢磨できる状態でいられることは、作品の出来はさておき自信につながりました。「どうやって作ったの?」「どういうものを作っているときが一番楽しい?」と好奇心を持って聞いてくれると、注目されるのが苦手な自分でも嬉しくなります。どちらも作品を作ってないと始まらない会話です。

仕事に繋がらない駄作であっても、作り続けることによって今までに経験したことのない友情、生活の変化や自分自身の変化が起きたことに驚きました。プロジェクトを抱えていることは作品の出来とは違うところで自信やアイデンティティに繋がり、人の好奇心をかきたてることに気づきました。SNSで作品を公開している人の多くは仕事に繋げるために制作しているし、私の気持ちも引っ張られがちです。そしてその結果すごく焦ることもたくさんあります。

もちろん仕事もあるけど、それを一旦忘れることも私にとっては大事かもしれません。

いつか自主制作が楽しいと思えるために

自主制作を続ける大きな物語はそれぞれが全く違う経験です。私と同じようなモヤモヤに陥っている人は今までに目を向けなかったことを見てみることがひとつの解法に繋がるかもしれません。まずは

遅くても下手でも楽しむに全振りする
仕事ではなく、制作によってもたらされる身近な日常の変化に目を向ける

止まりながらでも試行錯誤を繰り返して、いつか自主制作を楽しいと思える日、時間を忘れて夢中になれる日がこれば良いなと思います。

いつも読んで頂きありがとうございます!頂いたサポートは「ごほうびコーヒー」を買いにいったカフェで虚空をみつめながら新しいアイディアを模索するのに使わせて頂きます。