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出来ない自分を人に「見てもらう」

26歳で転職し、飛び込み営業を始めた。
飛び込み件数が回れなかったり
訪問先がもうないと感じたり
という超ポンコツ時代を経て

売れてる先輩を真似たり
全国の事例を話せるようにしたり
していたら、27歳になっていた。


入社10ヶ月目に、上司が変わった。
前の部署で、事業史上初、みたいなすごい業績を出してた人だとか。

「おまえ、入社何ヶ月?え、それでその件数か…
ダサいな。」

比較対象?の同期はすでに異動していて、自分の実績が高いのか低いのか意識せず働いていたことに気づく。

(この言い方がコンプライアンス的にどう、という話はとりあえず置いておく。コミュニケーションの良し悪しはは受け手が決めることなので)

トップ営業を間近で見るチャンス

この上長は、わたしだけでなく他のメンバーにも似たような歯がゆさを感じていたらしかった。

「担当クライアント全件同行したいのでアポ入れて」

ダサいな、と言われたわたしは、この、超絶売れていた人の営業現場を間近で見れるチャンス!と、当時担当していたクライアントと、入社から通い続けても受注できていない訪問先へのアポを全件入れて、都合がついた10件くらいについてきてもらった。

コミュニケーションが乱暴な人だったからか、わたし以外にアポを入れた人があまりいなくて、ほぼ独占状態!

当時は営業研修もなかったし、入社翌日から先輩に数日同行したら、ハイ独り立ち!という時代で(事業の立ち上げ期なんてそんなもの)誰かに営業現場を見てもらうことはほとんどなかった。自分の営業を見てもらうのは緊張したが、これでどう変われるか自分?とワクワクしていた。

ところが…

同行先全てで、わたしが話す機会は1ミリもなし!

営業同行してくれた上長は、全ての訪問先で一人でしゃべり通し、終わってもフィードバックすらなかった。

これが、上長としてどうなのか?はわからないが、ものすごく勉強になった!

「あの資料出して」
「○○の*ページお見せして」

という指示に横からタイミングよく差し出すアシスタント、のようなことを何軒か続けるうちに、見えてきた。

会話のスピード
目線の持っていきかた
資料を出すタイミング

売れる営業が、現場で何をしているのか、何をしていないのか、を見て学んだ。

ずっと首を縦に振らなかった訪問先にも同行してもらった。その帰りに突如、初めてフィードバックを受けた。

目の色が変わった瞬間、見てたか?

そうだ。相手の目の色が変わった瞬間をわたしも気づいていた。

「これが営業。おまえ、わかったか?」

相手がなぜこれまで何度もわたしの話に付き合ってくれていたのか。「やりたいとは思うけど」といいながら、なぜ「やる」と言わなかったか。その時はっきりした。

わたしは、相手が本当に求めているものを提示せずに、自分の伝えたいことだけを話していたからだ。

ネックになっていたものをその場で見つけ、提示したとき、相手がハッキリとこちらを見たのだ。
翌週再度アポをいただいて提案し、受注した。

自分のやり方でうまくいかないなら、誰かに見てもらう

「やってます」「言ってます」で成果が出ないなら、やってない、言ってないのと同じこと。うまくいかないのは、エリアのせいでも相手のせいでもなく、自分のせい。

その人は1年弱しかいなかったが、その間に、わたしの担当件数は25件から75件になった。

相手が何を求めているか。
そのために自分は何を準備するのか。
準備は、情報、モノだけではない。

どんな順番で何を話すのかの練習=用意
その場に行って求められることに応える=卒意
やっぱりその2つ。

「見られたくない」は、成長できない

オンラインが当たり前になって、周辺視野が狭まったことに加えて、リモートで働ける環境が整ったことにより、「売れるようになる」障壁が上がったように思う。

出来ない自分を見せたくない
見られたくない
と思うタイプの人は、このリモート環境がある意味快適だろうと推測する。

物理的に見られることが減るから。

でも、誰かに見てもらうことや、逆に誰かに見せてもらうことによって学べることは、やはり多いように思う。

目の色が変わった瞬間、見てたか?
と問われた時のゾワッとした感覚を今でも覚えているから。

出来てないのを上司に見られることを恐れるより
出来てないままクライアントに接していることのほうが、大問題だなー、と思えたら、明日、誰かに見てもらったらいいと思う!できれば、超絶売れてる人にお願いしよう。


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