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グリム童話考察⑥/「糞尿譚」の話

(ブログ https://grimm.genzosky.com の記事をこちらに引越ししました。)

※あくまでもひとつの説です。これが絶対正しいという話ではないので、「こういう見解もあるんだな」程度の軽い気持ちで読んでください。
※転載は固くお断りします。「当サークルのグリム童話考察記事について」をご一読ください。

タイトルの通りの内容になりますので、お食事中の方はご遠慮いただいたほうがよろしいかと思われます……。

(そしてタイトル写真をお借りした方、ごめんなさい。)

これは主人が学生の時の「糞尿譚」についての講義をもとにした考察・解釈です。
グリム童話の「森の中の三人のこびと」というお話はご存知でしょうか。
簡単に前半のあらすじを書きますと、

妻に先立たれた男と夫に先立たれた女が再婚します。それぞれには娘が一人ずついましたが、男の連れ子は継母である女にいじめられます。
ある冬の日、女はその娘に「森でいちごを採って来い」といいますが、冬なので当然実はなっていません。
娘が仕方無しに森を歩いていると、小さな小屋があり、中には3人のこびとがいます。娘はこびとに持っていたパンをあげ、その後こびとの頼みで小屋の裏口をほうきで掃く手伝いをすると、裏口にはいちごがたくさんなっていました。娘はいちごを摘み、さらにこびとは娘の親切に感心して、「日に日に美しくなるように」「ひとことしゃべるごとに口から金貨が落ちるように」「王様が迎えに来てお妃にしてくれるように」してくれました。
帰った娘が口から金貨を吐き出すのを見て、継母側の娘が自分も同じようにしてもらおうと思い、森の中の小屋へ向かいますが、この娘は横柄でパンをこびとにあげず、手伝いもしなかったので、こびとは「日に日にブサイクになるように」「ひとことしゃべるごとに口からヒキガエルが飛び出すように」「不幸な死に方をするように」してしまいます。

簡単ですが、ここまでが前半の流れです。

さて、この「森の中の三人のこびと」、主人が受けた講義によると、実は「糞尿譚」であるとする見方があるそうです。
細かく見ていきますと、まず男が再婚をする際、本当に結婚して大丈夫だろうかと迷い、娘に屋根裏部屋の大きな釘に底に穴の開いた靴を掛けさせ、それに水を入れて漏れなかったら結婚することにしようと言います。
結果、水のせいで穴がすぼまって靴の上まで水がいっぱいになったので、男は結婚することにします。
……この「穴」、「尻の穴」を表してるんだそうです……。……本当……?(書いていて自分で半信半疑)
そしてその後の、「裏口の戸の辺りの雪を掃くと、いちごがたくさんある」……これ、裏口=肛門、いちご=う〇こ、だそうです……本当に……??(半信半疑・再)
本当だとしたら、かなりきったないビジュアルのイメージなんですけど。
で、メインの「口から金貨が出る」。はい、金貨=う〇こ、だそうです!!!

そもそも、なぜう〇こなんだよというお話ですね。
グリム童話のテーマに、「価値の逆転」というものがあります。
王様が平民になる、逆に平民が王様になる、貧しい娘が王様に見初められる、弱いものが強いものを倒す、など。なお仕立て屋さんは「一番弱いもの」の象徴だったりします(仕立て屋さんは力がなくてもなれる職業だったので)。
つまり、「う〇こ=価値のないもの」は「価値のあるもの(金など)」と表裏一体の存在だとする考えがあったということです。
日本にもう〇こが金になる民話があった気がします。
(※追記 グリム童話で「頭に靴をぶつける」「屋根裏部屋に靴がある」という構図がたびたび出てきますが、これも上下の逆転のイメージなのかな、と思いました)

前の記事で「太陽=金」という話を書きましたが、「太陽=う〇こ」との見方もあったのだそうです。
古代エジプトのスカラベ、つまりフンコロガシは「太陽を運ぶ者」といわれています。
同じく前回の記事で「口」はあちらの世界への入り口と書きました。「生きものを死なせて(食べて)送る、小さな穴」なので。
つまり、太陽が沈む=向こうの世界へ行く=口に入る。ということは、太陽が昇るのは、口に入るのとは逆の……ということだそうで……。
(あくまでも概念というかそういうイメージの信仰だったというだけで、決して「じゃあ尻から出たものがまた夕方には口に入るの? うわぁ」とか、そういう話ではないよって主人が)

以上、民話に金やそれっぽいイメージが出てきたら、それは糞尿譚の可能性が? というお話でした……。

せっかくなので、「森の中の三人のこびと」のキーワード解説&考察も書いてみます。ぜひ実際の童話とあわせてご覧ください。

高橋先生の著書によると、グリム童話は「V字型」の幾何学的な構造をしていることが多いとのこと。
ターニングポイントを中心に、前半と後半で出来事が対応するように書かれているそうです。
今回の話で考えますと、例えば前半では「3」日かけて水とミルク&ぶどう酒が入れ替わり、こびとが「3」つの魔法をかけるシーンが2回出てきます。おそらくそれに対応して、後半では鳥になった娘が「3」つの質問をし、赤ちゃんにお乳をやりに「3」日通い、王様に剣を「3」回振らせると。
そしてターニングポイントは娘が糸をすすぐシーンで、これは蜘蛛を表すそうです。「spider」の語源は「spin」。つまり、くるくる「回る」。「回転」の重要性は過去の記事で書いたとおりです。
なお、主人公の娘は2回死んで生き返っています。
1回目は、紙の服で冬の森に行かされた時。2回目は、お城から川の中に放り込まれた時。この際、鳥(魂)となってお城を訪れ、「剣を頭の上で振れ」といいます。これは斬首を表す儀式と考えられ、死んでいる人を殺す=生き返る(マイナス×マイナスがプラスになるイメージ)と考えられるそうです。

そんなわけで、「あの世(死)」と「この世(生)」、「役に立つもの(金)」と「役に立たないもの(う〇こ)」、二元的なものがどちらも等価であるという昔の人の考えが読み取れるのかなあと思いました。

Written by : M山の嫁

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趣味でグリム童話や民話、その他文学作品等の考察をしている夫婦のサークルです。素人による考察ですがよろしければご笑納ください。※文章の転載は固くお断りします。

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