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当サークルのグリム童話考察記事について

当サークルのグリム童話考察記事は、学生時代にグリム童話研究者の教授のもとで学んでいた主人の考察や薀蓄を、私(M山の嫁)(素人)の勝手な考察や感想を交えながら紹介するものです。
主に神話や民話などの伝承からグリム童話を考察しています。心理学的なアプローチからの考察は行っておりませんのでご了承ください。
また、当初はただの個人的な備忘録として書いていたので、内容に不親切な部分があるかと思いますのでご了承ください。

※当記事内の文章の転載は固くお断りします。何らかの形で当記事を参考にした・部分的に引用したい等の場合は、参照元・引用元として必ず当記事へのリンクを記載してください。
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当記事で掲載しているグリム童話の考察についてもう少し詳しく紹介しますと、グリム童話は主人曰く3層構造になっているとのことです。
1層目は普通に我々が読む物語の部分。
ところがその表面の物語をパカッと開くと、2層目のその中身は「このアイテムはこれを表している」「ここで歯車を回転させるとこれが起こる」「この前半の部品は後半のこの部品に対応している」「幾何学的な構造をとっている」のようなカラクリが仕込まれているそうです。
そして3層目は、どういう意図を持ってそのカラクリが組まれたかという、根底にある思想の部分。
グリム兄弟は民話を聞き集め、そこには神話との関連があると考えました。北欧神話やケルト神話、おそらくものによってはメソポタミア~インドの神話など。各地の神話には何かしらの共通したモチーフやストーリーが見られることから、大元の母集団となる民族があり、その民族の移動等によって言語と思想が広がっていった可能性があります。しかし、ドイツ特有の神話は、散逸して残っていません。そこで民話に着目し、大元の母集団の思想を掘り起こせば、失われてしまったドイツ神話の姿を見ることができるのではないかと、グリム兄弟は考えたのではないでしょうか。
グリム童話は、グリム兄弟が聞いたであろう民話そのままの姿ではなく、独自の構成や言い回しであえて作り直している部分が多数あります。おそらく、グリム兄弟は民話の背景にある神話のさらに奥、要はそうした伝承の中にある内在論理についての何らかの発見をし、その内在論理を強めるようにオリジナルの物語を作ったのではないか、そうすることでドイツ本来の神話の姿を見ることができると考えたのではないか……という説を前提に、その内在論理とは何か、それを表すためにグリム兄弟は物語の中でどういう手法を使っているかを解読しようというスタンスなのが主人の考察です。
グリム童話の研究は、心理学的研究、文学史的研究、比較研究はされている方が多いようですが、先に挙げた3つの層、これを3層一貫して考察している研究者は少ないのだそうで、主人や先生はその中でもさらに異端な考えの研究だったそうです。
一見「何言ってんだコイツ」のような眉唾な記事もあるかと思いますが、このような珍しい視点の考察となりますので、賛同はいただけなくても、少しでも皆様の考察の視野を広げるための糧となれれば幸いです。

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Written by : M山の嫁