七夕とオシラサマのおはなし。
おまけで河童のおはなし。①
はじめに
今なお広く親しまれている夏の風習のひとつに「七夕」があります。天上の世界では彦星と織姫が一年に一夜だけの逢瀬を待ち、地上では願いびとが想いを短冊に書きその成就を祈ります。人々は七夕の夜が晴れることを願いますが、もし雨が降れば川が増水して天界の恋人たちは次の年を待たなくてはならないのです。得てして七月は梅雨の季節、一年に一度のチャンスが雨で流れる事も少なくありません。なんでまたこんな時季に……と首を傾げてしまいますが、その裏には日本人と水との深い関わりがあるのかもし